かかとが片方だけ痛いのはなぜ?左右差が生まれる原因とやってはいけない3つのこと

かかとが片方だけ痛いのはなぜ?左右差が生まれる原因とやってはいけない3つのこと

  • 監修日: 2026-09-02
  • 執筆・総監修: 安藝 泰弘(柔道整復師/giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者・PLOS ONE 掲載論文 筆頭著者)
  • 監修: 村石 喜伸(理学療法士/givers PT 代表)
※本稿は一般的な情報提供です。強い症状・急な変化がある場合は、必ず医療機関で評価を受けてください。
この記事のポイント

かかとの痛みが片方だけに出るのは、体重のかけ方・骨盤や股関節の左右差・片側だけに偏った生活動作の3つが重なって生まれるとされています。 左右の足はほぼ同じ形をしていて、同じ日に同じ距離を歩いています。それでも片方にだけ痛みが出るのは、その一歩ごとに乗せている体重と、着地したときの向きが左右で違っているからです。まず確かめたいのは、ぶつけた直後から強く腫れている・かかとがしびれる・熱を持って赤いといった、使い方だけでは説明できないサインが隠れていないかという点です。そのうえで、痛む側だけを見るのをやめて、痛くない側の使い方まで含めて左右を見比べると、なぜ片方に集まったのかが見えてきます。

こちらは全国125店舗・年間延べ80万人の患者様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、片方だけ痛むかかとの左右差の見つけ方と、やってはいけない行動の解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、痛むかかとだけでなく骨盤の傾き・姿勢・重心の左右差まで見える化し、片側へ荷重が集まるクセへアプローチします。

⚠️ こんなときは医療機関へ|片側だけのかかとの痛みで見逃したくないサイン

片方だけのかかとの痛みは、体の使い方の左右差から起こることが多い一方で、けが・骨・神経・全身の状態など別の背景から起こることもあります。次のようなサインがある場合は、自己判断を避け、まずは整形外科などの医療機関で評価を受けてください。

  • 高いところから飛び降りた・強く踏み込んだ直後から痛みが出て、体重をかけられない(骨や腱のけがのサインのことがあります)
  • かかとから足の裏にかけてしびれ・ジンジンする感覚が続き、感覚が鈍い
  • 痛む側が赤く熱を持ち、押すと拍動するように痛む・発熱を伴う
  • 片側のふくらはぎだけがむくんで太くなり、握ると強く痛む
  • 成長期のお子さんで、運動のあとに片方のかかとを強くかばって歩く状態が続いている
  • 数週間休んでも軽くならない、痛む範囲がかかとから足首・すねへ広がっていく

とくに、けがの直後から体重をかけられない場合や、しびれ・強い腫れ・片側のふくらはぎだけの腫れを伴う場合は、使い方の左右差だけでは説明できない背景が隠れているサインのことがあり、早めの評価が望まれます。成長期のお子さんのかかとの痛みも、まず医療機関で確認しておくと安心です。これらに当てはまらず、朝や座ったあとの歩き出しに響く・長く歩いた日の夕方に強まる・片方の靴底だけ早く減るという出方が中心であれば、荷重のかかり方と体の使い方の左右差が関係していることが多いと考えられています。判断に迷う場合は、我慢して様子を見ずご相談ください。

かかとが片方だけ痛いのはなぜ?左右差が生まれる3つの背景

片方だけにかかとの痛みが出るのは、左右の足のうち一方に、より長い時間・より大きな体重が乗り続けているからだと考えられています。 立つ・歩く・階段を上るという動作は、左右の足が交互に体を支える動きです。その分担が均等であれば負担も分かれます。分担が偏ると、片方だけに負担が積み上がっていきます。

左右差が生まれる背景を整理すると、大きく次の3つに分けられます。

  • 体重のかけ方(軸足・利き足の偏り):立ち止まったときに決まって同じ足へ体重を預ける、信号待ちで片脚に寄りかかる、キッチンで作業するときにいつも同じ側へ重心が乗る——こうした習慣は1日に何十回も繰り返されます。同じ側のかかとが着地のたびに強く踏み込む役を担い、負担が片側へ集まります。
  • 骨盤・股関節の左右差:骨盤が左右どちらかへ傾いた状態が続くと、脚の長さの感じ方が変わり、重心の通り道が片側へ寄ります。股関節の硬さが左右で違う場合も、硬い側の脚を大きく振り出せず、着地の衝撃を膝や足首で吸収しきれずにかかとへ直接届きやすくなります。
  • 片側だけに偏った生活動作・道具:かばんをいつも同じ肩にかける、抱っこの向きが決まっている、車の運転でアクセル側の脚ばかり使う、片側だけ靴の履き口がゆるい——道具と習慣の偏りは、そのまま荷重の偏りになります。片方の靴底だけが早く減っている方は、この背景が濃く出ています。

片方だけの痛みは「痛む側が悪い」と受け取られやすい一方で、実際には痛くない側がどう使われているかで決まっている場面が少なくありません。反対側が支える役をゆずってしまうと、その分が痛む側へ移ります。左右差を見るときは、必ず両方を見比べるところから始めます。

左右差が生まれる3つの背景

あなたはどのタイプ?片方だけ痛むかかとの3タイプ

片方だけのかかとの痛みは、荷重が偏る「入り口」の違いで3つのタイプに整理できます。 ご自身がどれに近いかを、当てはめながら読み進めてみてください。複数に当てはまる方も珍しくありません。

タイプA:軸足に体重を預けているタイプ

立ち止まったときの姿を思い出してみてください。いつも同じ側の腰が外へ出て、その脚に寄りかかるように立っている方は、このタイプです。歯みがき・調理・電車の中・レジ待ちなど、無意識の立ち方が毎日積み重なります。痛むのは、たいてい寄りかかっている側のかかとです。

目印になるのは、片方のズボンの裾だけが擦れる、片方の靴の内側だけ型崩れが早い、片脚で立ったときに左右でふらつき方がはっきり違う、といった点です。このタイプは、立ち方の左右を入れ替えるだけで一日の荷重量がまとまって変わるため、いちばん手をつけやすい入り口でもあります。

軸足に体重を預けるタイプ

タイプB:骨盤・股関節の左右差から荷重が偏るタイプ

立ち方は自分では気にしていないのに、あお向けで寝ると片方のつま先だけ大きく外へ倒れる・あぐらで片側だけ膝が浮く・片側だけ靴下が履きにくいという方は、このタイプです。骨盤の傾きと股関節の可動域の差が上流にあり、その結果として足元の着地位置がずれています。

このタイプは、かかとのケアだけを続けても戻りやすい特徴があります。腰まわりの張りや、お尻から太ももの裏にかけての重だるさが同じ側に出ている方は、上流の左右差から見直したほうが近道になることがあります。骨盤の傾きを整える視点をあわせると、足元の負担の分かれ方が変わってきます。

骨盤・股関節の左右差タイプ

タイプC:片側だけよく使う動作・環境が続いているタイプ

職場での立ち位置が決まっている、片側だけ段差を上り下りする動線がある、競技で踏み切り足が決まっている、抱っこの向きがいつも同じ——こうした環境そのものが左右差を作っているのがこのタイプです。本人の姿勢のクセというより、生活の設計に理由があります。

ランニングやジャンプ動作を続けている方は、走行時の脚のトラブルと同じ側に出ていないかを確かめると背景がはっきりします。このタイプは、動線と道具を先に変えるほうが、体をケアするより速く負担が減ります。

片側だけ使う環境タイプ

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左右差はどこに出る?靴底・立ち方・歩き方のセルフチェック

左右差は感覚では分かりにくく、道具と姿の「見た目」に先に出ます。 痛む側を触って確かめるより、次の3つを見比べるほうが手がかりが多く得られます。

靴底の減り方を左右で見比べる

よく履く靴を2足そろえて、床に置いた状態で後ろから見てください。片方のかかとの外側だけが斜めに削れている・片方だけかかとの高さが低くなっているという差があれば、その側に体重が長く乗っています。ソールのすり減りは数か月ぶんの荷重の記録なので、その日の体調に左右されない情報です。中敷きの沈み方、履き口のよれ方も同じ見方で比べられます。

立ち方と片脚立ちの左右を見比べる

鏡の前でいつもどおり立ち、肩の高さ・骨盤の高さ・ひざの向きが左右でそろっているかを見ます。次に、片脚ずつ10秒ほど立ってみて、ふらつき方の差を比べます。片側だけ大きく揺れる・かかとが浮いてしまう・体幹が横へ逃げるという差があれば、その側の支える力が使いにくくなっているサインのことがあります。スマートフォンで正面と横から撮っておくと、自分の感覚とのずれが分かります。

歩き方と、反対側の張りとの違いを見分ける

まっすぐ歩くところを横から撮り、着地の瞬間を止めて見比べます。片側だけ、かかとが強く突き刺さるように接地している、足先が外へ開いている、歩幅が短いといった差が出ます。あわせて、痛くない側のふくらはぎやお尻に強い張りが出ていないかも確かめてください。痛む側だけでなく反対側に張りが出ている場合は、反対側が支える役を強めて全体のバランスをとっている状態で、痛みの出所とは別のところに原因があることを示しています。かかと以外に、ひざの痛みやお尻から脚にかけてのしびれるような重だるさが同じ側に出ているときは、足元だけの問題として扱わないほうが遠回りを避けられます。

【急性期】片方のかかとが痛み出した直後の過ごし方

痛みが強い急性期(当日〜数日)は、痛む側に体重が乗る回数そのものを減らし、着地の衝撃をやわらげることが基本です。 強く押しほぐしたり、痛みをこらえて歩く距離を保ったりせず、らくな範囲で過ごします。

急性期の落ち着かせ方は、次のポイントを意識します。

  • 歩く回数と距離をいったん減らす:まとめ買いを分ける、階段をエスカレーターに替える、遠回りの散歩を数日休むなど、着地の総回数を減らします。痛む側をかばって反対側へ全部移すのではなく、両足で少しずつ分けて減らすのがポイントです。
  • かかとに厚みのある靴に替える:底が薄いサンダルやフラットな靴は、着地の衝撃がそのままかかとへ届きます。クッションのある靴に替えるだけで、一歩あたりの負担が変わります。
  • 室内でも裸足で硬い床を歩かない:家の中の時間は意外と長く、フローリングの上を裸足で歩く回数は積み上がります。かかとに厚みのある室内履きを用意します。
  • 立ち止まるときは両足に体重を分ける:無意識に痛くない側へ全部預けると、今度は反対側へ負担が移ります。両足の裏全体で床を感じる立ち方を、意識して選びます。

冷やす・温めるの切り替えと入浴の目安

押すと熱感がある・長く歩いた日の夜にズキズキするという時期は、タオル越しに10〜15分ほど冷やして休ませます。熱感が引き、朝の歩き出しの硬さ・こわばりが中心になった時期は、温めるほうへ切り替えます。ぬるめのお湯(38〜40度が目安)にゆっくりつかると全身の血のめぐりがうながされ、ふくらはぎからかかとにかけてのこわばりがやわらぎやすくなります。湯船の中で足首をゆっくり回す動きを左右同じ回数だけ行うと、左右差を広げずにすみます。赤みと熱感が強まっていく場合や発熱を伴う場合は、温める前に医療機関で確認してください。

【回復期】片方だけのかかとの痛みはどれくらいで和らぐ?回復の目安

荷重の偏りから起こるかかとの痛みは、負担を減らす過ごし方と左右差の見直しを続けると、多くの場合で数週間から数か月をかけて段階的に和らいでいくとされています。 あくまで一般的な目安で、立ち仕事かどうか、左右差がどれだけ根づいているかで期間は変わります。

回復期の過ごし方の目安を、段階ごとに整理します。

  • 〜数日(急性期):着地の回数を減らし、かかとに厚みのある靴に替え、熱感があるうちは冷やして休ませます。
  • 数日〜2週間(回復期前半):歩き出しの痛みが落ち着いてきたら、痛くない側の股関節をゆるめる動きと、ふくらはぎをやさしく伸ばす動きを1日数回はじめます。この時期は、左右で回数と時間をそろえて行うのが大切です。
  • 2週間〜3か月(回復期後半):痛みの出ない範囲で歩く距離を戻しながら、立ち方・かばんの向き・段差の下り足といった生活の左右差を入れ替えていきます。負担の分かれ方そのものを変える段階です。

目安として、2〜4週間ほどケアを続けても軽くならない・痛む範囲が広がる場合や、夜間の痛みで目が覚める場合は、足元以外の要因が関わっていることも考えられます。片方だけの痛みほど、痛む場所ではなく姿勢と骨盤側の評価に切り替えると、遠回りを避けやすくなります。

歩いてよい?運動は続けてよい?左右差があるときの動作の可否

痛みが翌朝の歩き出しに持ち越さない範囲であれば、歩くことは続けてよい範囲です。 完全に動かさずにいると、支える力の左右差がかえって広がることがあります。

動作の可否は、次を目安に判断します。

  • 続けてよい目安:平らな道をゆっくり歩く、買い物や通勤といった日常の移動。歩いたあとに痛みが増えず、翌朝の一歩目が前日より重くなっていなければ、続けてよい範囲です。
  • 控えたい目安:一歩ごとに鋭く響く、痛みをかばって足を引きずる、走ったり跳んだりしたあと翌日に強まる。この場合は距離と強度を落とし、見逃したくないサインがないかを先に確認します。
  • 片足に頼らない:痛む側をかばって反対側へ全部乗せると、数日で反対側にも痛みが出ることがあります。「痛くないほうで頑張る」ではなく「両方で少しずつ減らす」を選びます。
  • 運動は種目を入れ替える:着地の衝撃が大きい種目を数週間だけ、自転車や水中歩行など衝撃の少ない種目へ入れ替えると、活動量を保ったまま負担を下げられます。ヨガ・ピラティスのように左右をそろえて動かす種目は、左右差の確認にも役立ちます。

迷ったときは、その日の痛みではなく翌朝の一歩目を基準にすると分かりやすくなります。翌朝が前日と同じか軽ければ続けてよい、重くなるなら手前で止める、という考え方です。

靴・インソール・サポーターの選び方|左右で替えてよい?

片方だけ痛むときも、靴とインソールは左右そろえて選ぶのが基本です。 片側だけ厚みを足すと、足の高さが変わって骨盤の傾きが増え、上流の左右差を強めてしまうことがあります。

道具選びは、次を目安にします。

  • 靴:かかとに厚みとクッションがあり、かかとを包む部分がしっかりしているものを選びます。ひもやベルトで甲を留められると、歩くたびに足が前へすべらず、かかとへの突き上げが減ります。
  • インソール:市販のものを使うときは左右同じものを両足に入れるのが原則です。片足だけ入れると高さの差ができ、荷重の偏りが増えます。土踏まずを軽く支える程度から試し、違和感が出たら厚みを下げます。
  • サポーター・テーピング:長く歩く日や立ち仕事の日など、負担が読める場面に絞って使います。一日中つけたままにすると足首まわりの動きが乏しくなりやすいため、家では外して足首をゆっくり回します。
  • 買い替えの目安:片方のかかとが斜めに削れてきたら、靴の寿命ではなく体の使い方のサインとして受け取ります。買い替えると同時に、立ち方と段差の下り足を入れ替えます。
  • 室内履き:家の中で過ごす時間が長い方ほど、室内履きの有無が一日の総負担を左右します。かかとに厚みのあるものを1足用意しておくと安心です。

道具は負担を下げる助けになる一方で、左右差そのものを入れ替える役目までは担えません。道具と体の使い方は、両方をあわせて見直すと変化が出やすくなります。

自宅でできる左右差リセットのセルフケア

片方だけのかかとの痛みへのセルフケアは、痛くない側の股関節をゆるめる・ふくらはぎの左右差を埋める・足裏と足指を使い直す、という3段構えが基本です。 痛みの強い急性期を避け、落ち着いてから、痛みが増えない範囲で行います。すべて左右同じ回数・同じ時間で行うのがこの記事のセルフケアの約束です。

1. 痛くない側の股関節まわりをゆるめる

いすに浅く座り、痛くない側の足首を反対のひざの上へ置いて数字の4の形をつくります。背すじを伸ばしたまま、体をゆっくり前へ倒し、お尻の外側が伸びる位置で20〜30秒キープします。反動をつけず、呼吸は止めません。左右各1〜2回、1日2〜3セットが目安です。先に痛くない側から行うのがポイントで、支える役を担いすぎている側の張りをゆるめると、痛む側へ乗っていた荷重が戻りやすくなります。

2. ふくらはぎ・アキレス腱を左右差をつけずに伸ばす

壁に両手をつき、片脚を後ろへ引いてかかとを床につけたまま、前の膝をゆっくり曲げます。後ろ脚のふくらはぎからかかとにかけて伸びる位置で20〜30秒。左右各1〜2回、1日2〜3セット。硬いほうを長く伸ばしたくなりますが、時間は左右そろえます。差を埋めるのは回数ではなく毎日続けることで、片側だけ強く伸ばすと別の左右差が生まれます。伸ばしきらず、痛みが出る手前で止めます。

3. 足裏と足指を使い直すタオルギャザー

いすに座り、床に広げたタオルを足の指でたぐり寄せます。片足10回ずつ、1日1〜2セット。指の付け根から曲げるのではなく、指先で床をつかむ意識で行います。足の指が使えるようになると、着地したときの衝撃を足の裏全体で受け止められるようになり、かかとの一点へ集まりにくくなります。左右で難しさに差がある場合は、その差自体が左右差の手がかりです。

痛くない側の股関節をゆるめる ふくらはぎを左右そろえて伸ばす タオルギャザーで足指を使う

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かかとの痛みを反対側へ移さない予防と再発防止|長引くときの見直し

片方だけの痛みで最も避けたいのは、痛む側をかばい続けて反対側へ痛みを移してしまうことです。 痛みが和らいだあとこそ、荷重の分かれ方を作り直す習慣づくりが役立ちます。

  • 立ち方を意識して入れ替える:気づいたときに、寄りかかる側を反対へ替えます。1日に何度も繰り返す動作なので、入れ替えるだけで総負担の分かれ方が変わります。
  • かばんと抱っこの向きを替える:いつも同じ肩・同じ腕になっていないかを確かめ、意識して逆側にします。荷物はリュックにして両肩へ分けるのが、いちばん左右差を作りにくい持ち方です。
  • 階段の下り足を替える:無意識に決まっている「先に出す足」を入れ替えます。下りの一歩は着地の衝撃が大きいため、ここを分けるだけで積み上がり方が変わります。
  • 靴底のすり減りを月に一度見る:左右差の記録として、月に一度だけ後ろから見比べます。差が広がっていれば、生活の中に新しい偏りが生まれています。
  • 体を冷やさない:足元の冷えはこわばりの引き金になりやすく、朝の歩き出しの痛みを強めます。入浴と保温の習慣があると、動かしやすさを保ちやすくなります。疲れが抜けにくい時期は、歩く距離より休む時間を先に確保します。

同じ側に何度も痛みが出るという方は、足元のケアだけでなく、体の土台である骨盤と姿勢の左右差の見直しをあわせると、繰り返しにくい状態へ近づけます。長引く・慢性化しやすい痛みほど、根本の姿勢から見直す価値があります。

【詳しく知りたい方へ】片方だけに負担が集まる医学的メカニズム

片側のかかとの痛みの多くは「かかとの骨そのものが変わった状態」ではなく、荷重の通り道が片側へ寄った、変えられる状態と考えられています。 ポイントを整理します。

1. 荷重の通り道と、かかとが受け止める衝撃

歩くとき、体重は「かかとで着地し、足の外側を通り、親指の付け根で地面を押す」という順で足の裏を移動します。この通り道がなめらかであれば、衝撃は足の裏全体とふくらはぎ、太もも、骨盤へと順に分けて受け止められます。着地の位置が外へ寄る、足の指まで体重が抜けきらないといったずれがあると、分けきれなかった衝撃がかかとの一点に残ります。片方だけそのずれがあると、1日数千回の着地のたびに、その側だけ余分な衝撃が積み上がっていきます。

2. 骨盤の傾きと、脚の長さの感じ方の差

骨盤が左右どちらかへ傾くと、実際の骨の長さが同じでも、脚の長さの感じ方に差が出ます。長く感じる側は着地が早くなり、強く踏み込む役を担います。短く感じる側は着地が浅くなり、支える時間が短くなります。この差は本人の感覚にはほとんど上がってこないため、鏡・写真・靴底といった外側の情報でしか見つけられません。骨盤の傾きは腰やお尻の張りとして先に出ることが多く、足元の痛みが最初のサインとは限りません。

3. 上半身の左右差が足元へ届くまで

体は一本のつながりで動いていて、上の左右差は下へ順に降りていきます。当グループ創業者の安藝泰弘らが2025年にPLOS ONE誌へ発表した研究では、健康な成人でも安静時の肩甲骨の位置に左右差があり、それが肩まわりの筋の状態と関連することが報告されています。肩や背中の高さの差は、体幹のねじれ・骨盤の傾きを介して、着地の位置と踏み込みの強さへつながります。厚生労働省 e-ヘルスネットでも、姿勢と身体の不調の関連が一般向けに解説されています。足元の左右差を、足元だけで説明しきれないのはこのためです。 痛むかかとを追いかけるより、上流の左右差を整えるほうが近道になることがあります。

荷重の左右差が生まれるしくみ図

GIFTの視点:揉まない・押さない左右差へのアプローチ

こころ整体院グループのGIFTメソッドは、「揉まない・押さない・整える」が基本コンセプトです。痛むかかとを強い刺激で押しほぐすのではなく、荷重が偏る骨盤・股関節・足首の使い方を見直し、左右へ体重が分かれる土台づくりをサポートします。なお、強い刺激で押しほぐす方法は、その場の心地よさに優れる一方、姿勢の根本要因(骨盤の傾きや重心の左右差)へのアプローチが難しい場合があります。

  1. AI姿勢分析で左右差を見える化 … AI姿勢分析で、肩と骨盤の高さの差・重心の左右のかたよりを数値とビジュアルで確認します。
  2. 上流から順に整える … かかとまわりだけでなく、骨盤・股関節・足首の動きも含めて整え、片側への荷重の集中を減らします。
  3. セルフケアで定着 … 院でのケアと、ご自宅でできる左右差リセットのセルフケア・生活動作の入れ替えを組み合わせ、戻りにくい状態を目指します。
AI姿勢分析画面

片方だけかかとが痛いときにやってはいけない3つのこと

NG①:痛くない側だけで体を支えてやり過ごす

痛む側をかばって反対の脚へ体重を全部預けると、その場はらくになります。この状態が数日続くと、支える役を一手に引き受けた反対側のかかと・ひざ・腰へ負担が移り、両側が痛む状態に広がることがあります。痛みが片方だけのうちは、両足で少しずつ減らすのが遠回りを避ける選び方です。

NG②:痛む側だけを強く押す・叩く・片側だけ厚みを足す

痛むからと、かかとの一点を強い力で押し込んだり叩いたりするのは逆になりやすい選択です。刺激が加わり、かえって痛みが長引くことがあります。同じ理由で、片方の靴にだけインソールやクッションを足すのも避けたい対処です。左右の高さに差ができ、骨盤の傾きが増えて上流の左右差を強めてしまいます。道具は左右そろえて入れます。

NG③:左右差を確かめずに歩く距離を戻す

痛みが軽くなると、元の距離や運動量へ一気に戻したくなります。荷重が片側へ寄る立ち方・歩き方がそのまま残っていると、同じ側へ同じように積み上がり、数週間で戻ってしまいます。距離を戻す前に、靴底の減り方・片脚立ちのふらつき・立ち方の左右をもう一度見比べ、入れ替える習慣を1つ決めてから戻します。

片方だけ痛いときのNG行動

監修者より(執筆・総監修 安藝 泰弘/監修 村石 喜伸)

「痛いのは片方だけなので、そのうち軽くなると思っていました」という声を、現場でもよく耳にします。理学療法の視点(村石)からお伝えすると、まず大切なのは、けが・しびれ・強い腫れといった、使い方の左右差だけでは説明できないサインが隠れていないかを見分けることです。そのうえで見ていただきたいのは、痛む側ではなく痛くない側です。片方だけに負担が集まるとき、反対側は必ずその分を手放しています。反対側の張りをゆるめて支える役を取り戻すと、痛む側に乗っていた体重が自然に戻ることが少なくありません。総監修の安藝より——臨床28年・延べ施術人数15万人超、年間延べ80万人の患者様と向き合ってきた経験からも、片側だけの足元の痛みは「骨盤が傾いて、片脚に立っている時間が長い」背景を抱えている方が多く、痛む場所だけでなく体の土台の左右差を見直すことが、戻りにくい状態づくりの近道だと考えています。

全国の店舗の詳細は店舗一覧からご確認ください。

まとめ

かかとの痛みが片方だけに出るのは、体重のかけ方・骨盤や股関節の左右差・片側に偏った生活動作という左右差の積み重ねが背景にあります。大切なのは、けがの直後から体重をかけられない・しびれ・強い腫れといった、使い方だけでは説明できないサインを見分けること、そして痛む側だけを見るのをやめて、靴底の減り方・片脚立ちのふらつき・立ち方を左右で見比べることです。急性期は着地の回数を減らしてかかとに厚みのある靴へ替え、落ち着いたら痛くない側の股関節をゆるめる動きとふくらはぎのストレッチを左右そろえて、そして立ち方・かばんの向き・階段の下り足を入れ替える習慣づくりへ——この順番を意識すると回復の遠回りを避けやすくなります。片方だけをかばい続けると反対側へ痛みが移ることがあるため、両足で少しずつ分けて減らす発想が役立ちます。長引く・繰り返す片側の痛みは、足元だけでなく骨盤と姿勢の左右差の見直しが近道です。お近くのこころ整体院グループの店舗で、AI姿勢分析を起点に重心の左右差を確認してみてください。

関連する症状の解説(こころ整体院グループ)

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よくある質問(FAQ)

Q1: どうして片方のかかとだけが痛くなるのですか?

立ち止まったときに決まって同じ脚へ体重を預ける習慣、骨盤や股関節の左右差、かばんの向きや段差の下り足といった片側に偏った生活動作の3つが重なって、片方のかかとにだけ荷重が積み上がることが多いと考えられています。左右の足は同じ距離を歩いていても、一歩ごとに乗せている体重と着地の向きが違うため、負担の量に差が生まれます。

Q2: 痛くないほうの足は気にしなくてよいですか?

痛くない側こそ先に見ていただきたい部分です。片方に負担が集まっているとき、反対側は支える役をゆずっていることが多く、ふくらはぎやお尻に強い張りが出ていることがあります。痛くない側の股関節まわりをゆるめて支える力を取り戻すと、痛む側へ寄っていた体重が戻りやすくなります。

Q3: 左右差はどうやって自分で確かめられますか?

よく履く靴を後ろから見て、かかとの減り方に左右差がないかを比べるのがいちばん手軽です。あわせて、鏡の前で肩と骨盤の高さをそろえて見る、片脚ずつ10秒立ってふらつき方の差を比べる、歩くところを横から撮って着地の瞬間を見比べる、の3つを行うと手がかりが増えます。感覚では気づきにくいため、道具と写真で確かめます。

Q4: 靴底が片方だけ早く減るのですが、関係がありますか?

大いに関係があります。靴底のすり減りは数か月ぶんの荷重の記録で、その日の体調に左右されない情報です。片方のかかとの外側だけが斜めに削れている場合、その側に体重が長く乗り続けている目安になります。買い替えるときは同時に、立ち方や段差の下り足など、入れ替えられる習慣を1つ決めておくと差が広がりにくくなります。

Q5: インソールは痛いほうの片足だけに入れてもよいですか?

左右そろえて入れるのが原則です。片足だけ厚みを足すと足の高さに差ができ、骨盤の傾きが増えて上流の左右差を強めてしまうことがあります。土踏まずを軽く支える程度のものを両足に入れ、違和感が出たら厚みを下げます。片側だけの高さ調整が必要かどうかは、専門家に確かめてから決めると安心です。

Q6: 痛い側をかばって歩いてもよいですか?

数日のあいだ距離を減らすのは役立ちます。かばい続けて反対側へ体重を全部預けると、支える役を一手に引き受けた側のかかと・ひざ・腰へ負担が移り、両側が痛む状態に広がることがあります。「痛くないほうで頑張る」ではなく「両足で少しずつ減らす」を選んでください。

Q7: 片方だけの痛みはどれくらいで和らぎますか?

荷重の偏りから起こるかかとの痛みは、負担を減らす過ごし方と左右差の見直しを続けると、多くの場合で数週間から数か月をかけて段階的に和らいでいくとされています。立ち仕事かどうか、左右差がどれだけ根づいているかで期間は変わります。2〜4週間ほど続けても軽くならない・痛む範囲が広がるときは、店舗や医療機関でご相談ください。

Q8: ストレッチは痛い側だけ長めにやったほうがよいですか?

時間と回数は左右そろえてください。硬いほうを長く伸ばしたくなる一方で、片側だけ強く伸ばすと別の左右差が生まれます。差を埋めるのは1回の長さではなく、毎日続けることです。伸ばしきらず、痛みが出る手前で止めるのもあわせて意識してください。

Q9: 反対側にも痛みが出てきました。どう考えればよいですか?

かばい方が偏って、支える役が反対側へまるごと移ったサインのことがあります。まずは両足で体重を分ける立ち方に戻し、歩く距離をいったん減らします。あわせて骨盤や股関節の左右差が背景にないかを確かめると、どちらか一方のケアで終わらせずにすみます。両側とも痛みが強まる場合は、自己判断を重ねず専門家にご相談ください。

Q10: 整体では片方だけの痛みにどうアプローチしますか?

こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で肩と骨盤の高さの差・重心の左右のかたよりを確認し、痛むかかとだけでなく骨盤・股関節・足首を含めて整えるGIFTメソッドでサポートします。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。

参考文献

  1. 日本整形外科学会「足部・足関節の痛み」一般向け解説.
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット(姿勢・運動と身体の不調に関する解説).
  3. 日本足の外科学会 一般向け情報(かかと・足底部の痛み).
  4. 安藝泰弘, 沖野一平, 津山元気, 谷津義康, 西条寿夫, 髙本考一(2025)「健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連」PLOS ONE 20(10): e0335268. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268

執筆・監修者

安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)。

1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年にPLOS ONE誌へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国の整体院グループ・年間延べ80万人来院規模へと育てた。

村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/givers PT 代表
本記事の監修を担当。リハビリテーション・姿勢評価の視点から、片側に荷重が偏るしくみと、左右差を広げないセルフケアの進め方を監修。