内臓脂肪を減らすには?活動量・座り方・睡眠から整える3つの見直し

内臓脂肪を減らすには?活動量・座り方・睡眠から整える3つの見直し

  • 監修日: 2026-09-30
  • 執筆・総監修: 安藝 泰弘(柔道整復師/giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者・PLOS ONE 掲載論文 筆頭著者)
  • 医学監修: 羽藤 泰三(整形外科医/医療法人奥山会)
※本稿は一般的な情報提供です。強い症状・急な変化がある場合は、早めに医療機関で評価を受けてください。
この記事のポイント

内臓脂肪に向き合う主役は毎日の生活です。動く量・座り続ける時間・眠る時間の3つを、順番に整えていきます。 国が示す目安では、20〜64歳の1日の歩数は8,000歩とされています。あわせて、おへその高さの腹囲が男性85cm・女性90cm以上のときは、内臓のまわりの脂肪の蓄積を考える目安になると整理されています。ここで大事なのは、3つを同時に変えないことです。同時に動かすと、どれが自分に合っていたのかを後から読み取れなくなります。この記事は、運動の種類を増やす話ではなく、いまの生活のどこが詰まっているかを先に見分け、その1つだけを決めた量で続ける進め方に絞ってまとめました。整体院がお手伝いできるのは、座り方と姿勢を確かめて動きやすい体に整えるところまでです。見直す先は、活動量・座り方・睡眠の3つです。

こちらは全国125店舗・年間延べ80万人の患者様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、座り姿勢・猫背と活動量の視点からの解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、骨盤の傾きや背中の丸まりを確かめ、長く座ったあとでも体を起こしやすい状態へ整えます。

内臓脂肪を減らすには、まず何を見直せばよい?

見直すのは、動く量・座り続ける時間・眠る時間の順番です。3つのうち、いま最も崩れている1つから手をつけます。 3つ同時に変えると、何が自分に合っていたのか分からなくなります。

内臓脂肪は、お腹の中で内臓のまわりについている脂肪のことです。皮膚の下につく脂肪とは場所が違い、つまんで確かめることができません。だからこそ、目に見える手応えを追いかけるのではなく、生活の側にある数えられるものを先に決めるのが現実的です。数えられるものは3つあります。1日にどれだけ歩いたか、一度に何分続けて座っていたか、何時に眠って何時に起きたか。この3つは、スマートフォンの画面と時計だけで記録できます。

国が2024年から進めている国民健康づくり運動では、身体活動・運動について3つの目標が置かれています。そのうちの1つが日常生活における歩数で、20〜64歳は男女とも1日8,000歩、65歳以上は男女とも6,000歩が目標値として示されています。もう1つが運動習慣で、「1回30分以上」「週2日以上」「1年以上続いている」の3つをすべて満たす方の割合を、全体で40.0%まで増やすことが目標に置かれています。同じ資料では、2019年時点でこの条件を満たしていた方は全体で28.7%と報告されています。つまり、いまの日本では7割前後の方がこの条件に届いていません。届いていないことは珍しいことではなく、ここから始めればよいという意味になります。

あわせて知っておきたいのが、座り続けている時間は、運動をしたかどうかとは別に数えられていることです。国の運動に関する資料でも、身体活動は「生活活動」と「運動」に分けて整理されており、運動だけでなく生活活動も含めた全体を映す指標として歩数が置かれています。朝に30分歩いた日でも、そのあと8時間続けて座っていれば、生活活動の側は増えていません。ここを分けて考えないと、「運動しているのに何も変わらない」という行き止まりに入ります。

眠る時間も同じ並びに置きます。厚生労働省の資料では、睡眠不足や睡眠リズムの乱れが持病の悪化につながる危険性があると整理されています。夜型の生活が続くと、翌日に動く気力が落ち、歩数と座り続ける時間の両方が崩れます。3つは独立していません。1つが崩れると残りの2つも崩れます。だからこそ、いちばん崩れている1つから手をつけると、残りが自然に戻りやすくなります。

最後に、整体院の立ち位置をはっきりさせておきます。内臓脂肪そのものは、施術で動かすものではありません。 こころ整体院グループがお手伝いできるのは、骨盤の傾きや背中の丸まりを確かめ、長く座ったあとでも体を起こしやすい状態へ整えるところまでです。腰や膝が重いままだと、歩く量を増やそうとしても続きません。逆に言えば、腰痛や膝の痛みが軽くなると、日常の活動量は増えやすくなります。この記事で扱うのは、そこから先の「生活の整え方」です。

生活3点の見直しの順番

⚠️ すぐに医療機関へ|生活を変える前に相談したいサイン

お腹まわりの変化の多くは、日々の活動量と座り続ける時間、眠る時間の積み重ねが背景にあると考えられています。一方で、次のようなサインが重なるときは、生活の積み重ねだけでは説明できない背景が隠れていることがあります。この場合はタイプ分けより先に、医療機関で評価を受けてください。

  • 食事も運動も変えていないのに、短い期間で体重が大きく変わった(増えた場合も、減った場合も)
  • 強いお腹の痛みが続く/吐き気やおう吐をともなう/お腹が硬く張って苦しい
  • 足やまぶたのむくみが日ごとに強くなる/靴や指輪が急に入らなくなった
  • 少し動いただけで息が切れる/横になると息苦しい/夜中に息苦しさで目が覚める
  • のどの渇きが強く、尿の量や回数が急に増えた/体がひどくだるい
  • 健康診断で血圧・血糖・脂質の値について指摘を受けている/これらのお薬を飲んでいる
  • 妊娠中・産後である/通院中のご病気がある/大きな手術を受けたあとである
  • お酒の量が多く、お腹の張りや顔色の変化が出ている

とくに「思いあたる理由のない体重の変化」「強いお腹の痛み」「息切れ」の3つは、生活の積み重ねとは別の背景を考えるサインのことがあります。厚生労働省の資料でも、おへその高さの腹囲に加えて血圧・血糖・脂質の値を組み合わせて状態を見る整理がされています。数値の見方は医療機関の領域ですので、ここは自己判断せずにご相談ください。血圧・血糖・脂質のお薬を飲んでいる方が歩く量を大きく増やすときも、先に主治医へ必ずご確認ください。

これらに当てはまらず、「健康診断で腹囲が気になった」「座っている時間が長い」「夜が遅い」という背景が中心であれば、生活の側から順番に整えていける場合が多いと考えられます。ここから先は、その場合の進め方をまとめています。判断に迷うときは、我慢して続けずにご相談ください。

内臓脂肪がたまりやすい生活、あなたはどのタイプ?

1日の歩数、一度に座り続ける時間、眠る時間の3つを書き出すと、どこが詰まっているかが1分で分かります。 道具はスマートフォンと時計だけです。

確かめ方は1つだけです。ここ1週間を思い出して、平均的な1日について3つの数字を書き出します。 ①スマートフォンの歩数、②机やソファで一度に続けて座っていた最も長い時間、③眠っていた時間。3つそろったら、下の表と照らし合わせてください。当てはまる列が2つあるという方も珍しくありません。その場合は、いちばん差が大きい1行を優先して見てください。

確かめる目安 ① 動く量が足りない型 ② 座り続けている型 ③ 眠る時間が短い型
1日の歩数 4,000歩に届かない日が多い 日によって差が大きい 前日の睡眠で大きく上下する
続けて座っていた最長時間 1時間くらい 2時間以上、立っていない 夜に長くなる
眠っていた時間 おおむね一定 おおむね一定 🔴 日によって2時間以上ばらつく
体に出やすい感じ 階段ですぐ息が上がる 立ち上がるときに腰が重い 午後に強い眠気が来る
休みの日の過ごし方 外に出ない日がある 外出はするが移動は車 昼まで眠って取り返す
最初の一手 歩く量を3回に分けて足す 30分ごとに座り方を切る 🔴 起きる時刻をそろえる

3つのうち、①と②は日中の置き方の話で、③だけは夜の置き方の話です。③に当てはまる方は、③から手をつけてください。 眠る時間が崩れている日に歩数を増やそうとしても、翌日に反動が来て続きません。順番を入れ替えるだけで、同じ努力の手応えが変わります。なお、冒頭の項目に当てはまるものがあるときは、タイプ分けより先に医療機関での評価が必要です。

タイプ①:動く量が足りていない「歩数不足型」

1日の歩数が4,000歩に届かない日が多く、一度に座っている時間はそれほど長くない——在宅での仕事や、車での移動が中心の方に多い型です。特徴は、歩数そのものが少なく、日によるばらつきも小さいことです。国の目標値である20〜64歳で8,000歩、65歳以上で6,000歩から見ると、半分前後にとどまっている状態です。この型は伸びしろが大きく、いきなり運動を始めるより、移動のついでに足していくほうが確実に増えます。階段で息が上がりやすい方は、歩く距離ではなく回数から増やしてください。慢性疲労・だるさが土台にある方は、そちらのページも合わせてご覧ください。

タイプ①歩数不足型

タイプ②:一度に長く座り続けている「座位持続型」

歩数は日によって差があり、机に向かうと2時間以上立ち上がらない——デスクワークや長距離の運転が続く方に多い型です。特徴は、歩いた合計は悪くないのに、座り続けている時間が長いことです。国の資料でも、身体活動は生活活動と運動に分けて整理され、日常の生活活動を含めた全体を映す指標として歩数が置かれています。朝に歩いた日でも、そのあと続けて座っていれば生活活動の側は増えません。この型でまず変えるのは合計時間ではなく座り続けている一区切りの長さです。立ち上がるときに腰が重い方は、腰痛と骨盤のページも参考になります。

タイプ②座位持続型

タイプ③:眠る時間が短い・不規則な「夜型ばらつき型」

眠っていた時間が日によって2時間以上ばらつき、午後に強い眠気が来る——交替勤務や、夜に画面を見る時間が長い方に多い型です。特徴は、前日の眠りによって翌日の歩数が大きく上下することです。厚生労働省の資料では、夜型の生活によって睡眠不足や睡眠リズムの乱れが起こりやすくなり、それが持病の悪化につながる危険性があると整理されています。この型で歩数から手をつけると、眠れた日だけ頑張って、眠れない日はまったく動かないという波ができます。先にそろえるのは、眠る時刻ではなく起きる時刻です。休んでも抜けないだるさが続く方は、慢性疲労・だるさのページも合わせてご確認ください。

タイプ③夜型ばらつき型

【自分でできる】生活3点の整え方と、量の決め方

種類を増やすより、自分のタイプに合う1つを、決めた量だけ続けるほうが記録を読み取れます。 ここがこの記事の中心です。道具はスマートフォンと時計だけで完結する形に絞りました。

3つに共通しているのは、始める前に上限を決めておくことと、その週のうちは量を変えないことです。上限を決めずに「できるところまで」進めると、調子のよい日と悪い日が混ざって、何が合っていたのか分からなくなります。国の運動の資料でも、運動の強さや量は体力の向上に合わせて次第に高めていくという「漸進性の原則」が示されています。最初から上限いっぱいで始めないのは、この考え方に沿った進め方です。

1. 動く量を足す|1日の歩数を3回に分ける

  1. いまの1日の歩数を、スマートフォンの記録から3日ぶん見て、いちばん多い日と少ない日を書き出します。
  2. 少ない日の歩数に、まず1,000歩だけ足すと決めます。距離ではなく歩数で決めます。
  3. その1,000歩を、朝・昼すぎ・帰り道の3回に分けます。1回あたりはおよそ10分の歩きです。
  4. 1週間はこの量を変えません。翌週、少ない日が新しい下限に届いていたら、もう1,000歩だけ足します。

要点は「いちばん少ない日を上げる」ことです。多い日をさらに伸ばしても、週の合計は思ったほど動きません。少ない日が上がると、週全体の下支えが変わります。国の目標値は20〜64歳で1日8,000歩ですが、ここへ一気に近づけようとしないでください。1,000歩ずつであれば、移動のついでで足せます。ひと駅ぶん歩く、買い物を2回に分ける、昼食を少し遠い店にする——この程度で1回ぶんは埋まります。歩く量を増やすと膝や足が重くなる方は、先に膝痛・関節痛のページをご確認ください。靴底の減り方が左右で違う方は、歩数を増やす前に靴を見直してください。

動く量を3回に分けて足す

2. 座り続けない|クッションと机の高さ、30分ごとの中断

  1. タイマーを30分で鳴らすように決めます。鳴ったら、いったん立ち上がって3歩だけ歩きます。
  2. 座り直すとき、坐骨が座面に当たる位置まで深く座り、足の裏を床にぴたりとつけます。
  3. お尻が前へ滑る方は、座面の後ろ半分に薄いクッションを入れて、骨盤が後ろへ倒れるのを止めます。
  4. 机の高さは、ひじが90度前後で置ける位置にそろえます。画面の上端は目の高さより下へ来るようにします。

要点は「合計時間より、一区切りの長さ」です。1日8時間座るとしても、30分ごとに切れていれば体は動いています。切らずに2時間座り続ける日は、合計が同じでも生活活動の側が止まったままです。立ち上がる回数は1日16回を上限の目安にし、それ以上は求めないでください。回数を追いかけ始めると、仕事が止まって続かなくなります。立ち上がれない場面なら、座ったまま背もたれから背中を離し、胸を開いて10秒だけ息を吐きます。座り姿勢の土台が崩れている方は、骨盤矯正と姿勢矯正・ストレートネック・猫背のページも合わせてご覧ください。

座り方と30分ごとの中断

3. 眠る時間をそろえる|入浴と就寝時刻の置き方

  1. まず起きる時刻を1つ決め、休みの日も同じ時刻に起きます。眠る時刻はあとからそろってきます。
  2. 入浴は、眠る時刻の1時間半前までに済ませます。湯から出たあとの体温の下がり方が眠りの合図になります。
  3. 眠る1時間前に、部屋の照明を一段暗くします。画面は手の届かないところへ置きます。
  4. 朝は起きてすぐカーテンを開け、明るい光を目に入れます。曇りの日でも屋外の光で足ります。

要点は「眠る時刻ではなく、起きる時刻から決める」ことです。眠る時刻は自分で決めきれませんが、起きる時刻は決められます。厚生労働省の資料でも、快眠に役立つ生活習慣として運動・入浴・光を浴びることが挙げられ、どれも「適度な強さで、定期的に、適切な時刻に行う」ことが大事と整理されています。強さより、時刻をそろえることが先という意味です。夜に眠気が来ない方は、寝る前に強く体を伸ばすのを避けてください。かえって目が冴えます。あわせて、眠りの前の呼吸を整えたい方はヨガ・ピラティスの考え方も参考になります。

入浴と就寝時刻の置き方

3つのどれに当てはまっても、日中の置き方は共通です。30分に1回は立ち上がって3歩歩き、1日の終わりに歩数と就寝時刻の2つだけを書き留める。 これを1セットにします。書き留めるのはメモアプリの2行で足ります。書けない日があっても構いません。抜けた日を責めると記録そのものが止まるので、週のうち5日書けていればその週は成立と決めておいてください。

記録のとり方と歩数計の使い方|期間の目安はどれくらい?

記録は歩数・座り続けた最長時間・就寝時刻の3行だけ。見直しは2週間ごとに1回だけ行います。 毎日の上下で判断すると、判断材料が混ざります。

歩数の記録は、スマートフォンに最初から入っている健康アプリで足ります。歩数計を別に使うときは、毎日同じ場所に着けることだけを守ってください。ポケットとかばんを日によって変えると、数えられる歩数が変わり、前後の比較ができなくなります。国民健康・栄養調査でも、対象の方は指定された1週間の中から平均的な1日を選んで歩数計を装着する方法で調べられています。条件をそろえてから数えるのは、公的な調査でも同じ考え方です。

座り続けた最長時間は、時計を見て「何時から何時まで立たなかったか」を1回だけ書きます。合計を積み上げる必要はありません。就寝時刻は、布団に入った時刻ではなく画面を置いた時刻を書いてください。そのほうが実態に近くなります。

始めた翌日に見るところ

始めた翌日に見るのは、体重でも腹囲でもありません。朝起きたときのだるさと、午前中の動きやすさの2つだけです。歩数を1,000歩足した翌日に、朝のだるさが増えているなら量が多すぎます。その週は足した分を半分に戻してください。座り方を変えた翌日に腰の重さが増えているなら、クッションの厚みか机の高さが合っていません。厚みを半分にして3日ずつ試します。翌日に出る反応は、量が合っているかどうかの合図として使えます。数字の変化を探すのは、もっと後の工程です。

なかなか変わらないときに見直す4つ

2週間ごとの見直しを3回続けても、歩数の下限が上がらない・座り続ける時間が短くならないという場合は、量ではなく置き場所を疑います。見直す先は4つです。①タイマーを鳴らしているか(決めただけで鳴らしていない方が多いです)、②歩く1,000歩を移動のついでに載せているか(独立した運動にすると続きません)、③起きる時刻が休みの日もそろっているか、④座面と机の高さが体に合っているか。この4つを1つずつ、3日ずつ試して変化を見ていくのが現実的な進め方です。腹囲や体重の数字は、ここが整ってから見ます。 順番を逆にすると、数字が動かない期間に気持ちが折れてしまいます。健康診断の数値そのものの見方は医療機関の領域ですので、指摘を受けている方は主治医にご相談ください。

腹囲の目安で確かめる|内臓脂肪と皮下脂肪の違いは?

内臓脂肪は内臓のまわり、皮下脂肪は皮膚のすぐ下につきます。腹囲の目安は男性85cm・女性90cmです。 見た目やつまんだ感触では区別できません。

この2つは、つく場所が違います。皮膚の下につく脂肪は指でつまめますが、内臓のまわりにつく脂肪はつまめません。お腹が前へ出ていても、それが内臓のまわりなのか皮膚の下なのかを、家で見分けることはできません。だからこそ、公的に整理されている目安を使います。

厚生労働省の資料では、2005年に国内の8つの医学系の学会が合同してまとめた基準が紹介されています。それによると、必須項目はおへその高さのウエスト周囲径で、男性85cm以上・女性90cm以上。これは内臓脂肪の面積が男女ともおよそ100平方センチメートル以上に相当する値として置かれています。そのうえで、①脂質(中性脂肪が高い、またはHDLコレステロールが低い)、②血圧、③空腹時の血糖の3項目のうち2つ以上が基準から外れている状態を、メタボリックシンドロームと呼んでいます。腹囲だけで決まるものではなく、血液や血圧の値と組み合わせて見るという整理です。

測るときは、立ったまま、軽く息を吐いた状態で、おへその高さで測ります。同じ資料に、脂肪の蓄積がはっきりしておへそが下へずれている場合は、肋骨の下の縁と腰骨の前の突起の中点の高さで測ると書かれています。家で測るときは、毎回同じ時刻・同じ姿勢で測ることだけ守ってください。お風呂上がりと食後では数センチ変わります。なお、海外ではこれとは異なる基準が使われている点、またこの基準と特定保健指導の基準は少し異なる点も、同じ資料に注記されています。数値の意味づけは医療機関の領域です。 気になる値が出たときは、自己判断せずに健康診断の結果とあわせてご相談ください。

続けるコツと、戻さないための習慣づくり|予防の考え方

量を増やす前に、続けられる形へ戻します。予防の要は、忙しい週でも0にしない置き方です。 止めた分だけ戻るのが、体の性質です。

国の運動の資料では、トレーニングの原理として「可逆性の原理」——せっかく得られた変化も、続けるのをやめると失われてしまうこと——が示されています。ここから読み取れるのは、全力で3週間やって止めるより、半分の量で半年続けたほうが残るということです。だから、上限を低く置くことは手抜きではありません。続く形を選ぶこと自体が方法です。

同じ資料には「個別性の原則」も示されています。内容は一人ひとりの能力に合わせて決めるべきで、それは変化を得るためだけでなく安全のためにも極めて重要だとされています。誰かが8,000歩で手応えを得たからといって、同じ量が自分に合っているとはかぎりません。合っているかどうかは、翌日の朝のだるさが答えます。

運動していない日の過ごし方

歩けなかった日、立ち上がれなかった日をどう扱うかで、続くかどうかが決まります。決めておきたいのは「0にしない最小の形」です。歩けない日は、帰宅してから家の中を3分だけ歩く。座り続けた日は、寝る前に背もたれから背中を離して胸を開き、10秒の呼吸を3回。眠れなかった日は、起きる時刻だけそろえて昼寝を20分までにとどめる。この最小の形を先に決めておくと、崩れた週から戻ってこられます。忙しい週に完璧を目指すと、翌週にまるごと止まります。なお、体調が悪い日は休んでください。休むことは崩れではありません。長く座る日が続いて肩や首が重くなる方は、肩こり・首こりのページも合わせてご覧ください。

【詳しく知りたい方へ】内臓脂肪がたまるしくみと体への負担

内臓のまわりの脂肪は蓄えと放出をくり返す組織で、増えると血圧・血糖・脂質の値に関わると整理されています。 背景を2つに分けて見ていきます。

1. 内臓のまわりの脂肪は入れ替わりが速い

脂肪は、ただ置かれているだけの塊ではありません。食事から入ってきたエネルギーを蓄え、必要になれば放出する、出入りのある組織です。内臓のまわりについた脂肪は、皮膚の下の脂肪と比べて、この出入りが起こりやすいと考えられています。つきやすい代わりに、生活の側の変化を受けやすいという性質です。これが、生活の3点から手をつける理由になります。厚生労働省の資料では、おへその高さの腹囲を必須項目としたうえで、血圧・血糖・脂質の3項目のうち2つ以上が基準から外れる状態をメタボリックシンドロームとして整理しており、内臓脂肪の蓄積とこれらの数値が並べて見られていることが分かります。数値そのものの評価は医療機関の領域ですので、ここでは「並べて見る対象になっている」というところまでにとどめます。

2. 座り続けている時間は、動く量とは別に扱われている

国が2024年から進めている国民健康づくり運動では、身体活動を「生活活動」と「運動」に分けて整理しています。そのうえで、運動だけでなく生活活動も含めた全体を映す指標として歩数の目標が置かれ、20〜64歳で男女とも8,000歩、65歳以上で男女とも6,000歩という値が示されています。同じ資料では、身体活動を支える環境づくりとして「居心地が良く歩きたくなるまちなかづくり」に取り組む市区町村数を増やす目標も掲げられています。運動をするかどうかだけでなく、日常のなかで体を動かしているかどうかが別に数えられているということです。この整理を自分の生活に当てはめると、「運動はしていないが1日よく歩いている」方と、「週に2回運動しているが平日は8時間座り続けている」方は、別の型として扱ったほうが手がかりが得られます。

整体院の視点から補うと、座り続けた時間の長さは、姿勢のクセとして体に残ります。 骨盤が後ろへ倒れたまま長く座ると、背中が丸まり、立ち上がるときに腰が重くなります。腰が重い状態が続くと歩く量が減り、座り続ける時間がさらに伸びます。こころ整体院グループのAI姿勢分析では、骨盤の傾き・背骨のカーブ・肩の左右差を数値と画像で確かめ、どこから手をつけると続けやすいかを一緒に考えていきます。確かめているのは姿勢と動きのクセで、脂肪の量ではありません。

内臓脂肪がたまるしくみ

GIFTの視点:揉まない・押さない、動きやすい体へ整える

こころ整体院グループのGIFTメソッドは「揉まない・押さない・整える」を基本に、長く座ったあとでも体を起こしやすい状態へ整えます。 GIFTメソッドは、Gliding(なでるように動かす)・Inner(深部へのアプローチ)・Form(姿勢・フォームを整える)・Trigger(こり固まったポイントへの働きかけ)の頭文字で、強く押しほぐすのではなく、動きの担当を戻していく整え方です。

ここで、できることとできないことをはっきり分けておきます。内臓脂肪そのものは、整体の施術で動かすものではありません。 お腹まわりを施術で細くするという扱いもしていません。整体院が関われるのは、その手前の土台です。骨盤の傾きや背中の丸まり、動きの左右差を確かめ、座っても崩れにくく、立ち上がりやすい体へ整えるところまでです。腰や膝が重いままだと、歩く量を増やしても続きません。土台が整うと、日常のなかで体を動かす場面が増えやすくなります。この記事の3点は、その増えた場面をどこへ置くかという話です。

こころ整体院グループは「大学と共同研究する整体院」として、東亜大学との共同研究の成果を国際学術誌 PLOS ONE(2025年)に発表しています。全国125院・年間延べ80万人来院規模のグループとして、断定はせず、AI姿勢分析で見えたズレをもとに一緒に順番を決めていきます。なお研究は状態を理解するためのもので、特定の結果をお約束するものではありません。健康診断の数値や体重については、医療機関と管理栄養士の領域ですので、そちらへおつなぎします。

AI姿勢分析画面

⚠️ 遠回りになりやすい3つ|避けたい進め方

ここで挙げるのは、運動の種類の話ではありません。始める前の決め方と、量の置き方でつまずきやすい3つです。

①いきなり強い運動から始める

「思い切って始めよう」と、初日から長い距離を走る・久しぶりに筋トレを1時間行う、という形です。国の運動の資料でも、運動は「諸刃の剣」といわれるようにやりすぎると腰痛などの関節の痛みを起こしたり、循環器系の合併症を引き起こす可能性もあると注記されています。強さを上げるより、少ない日の量を上げるほうが週の合計は動きます。同じ資料に示されている「漸進性の原則」は、体力の向上に合わせて次第に高めていくという考え方で、最初から上限で始めることは含みません。初日の量は、1週間続けられる量にしてください。 血圧・血糖・脂質のお薬を飲んでいる方は、量を増やす前に主治医へご確認ください。

②お腹だけを動かして、そこから変えようとする

腹筋運動やお腹をひねる動きだけを毎日くり返し、お腹まわりから先に変えようとする形です。国の運動の資料には「特異性の原理」——トレーニングで伸びるのは、その運動で使われた能力や部位であること——が示されています。脚を鍛えれば脚の力は高まりますが、腕の力は高まらないという説明です。どこを動かすかで、変わる先を選ぶことはできません。 同じ資料の「全面性の原則」では、健康づくりでは有酸素運動と大きな筋肉の筋力トレーニング、ストレッチングをバランスよく行うことがすすめられています。お腹を動かすこと自体を否定するものではなく、お腹だけに絞ることが遠回りになるという意味です。腰に痛みが出る動きは続けないでください。

③食事を極端に抜いて、動く量まで減らしてしまう

いちばんよく見るのがこの形です。食事を大きく抜いた日は、午後にだるさが出て歩数が落ち、座り続ける時間が伸びます。翌日には反動で食事量が戻り、動く量だけが下がったまま残ります。3点のうち2点が同時に崩れるので、何が合っていたのか読み取れなくなります。厚生労働省の資料でも、睡眠不足や睡眠リズムの乱れが生産性の低下や持病の悪化をもたらす危険性が指摘されており、生活の要素は互いに影響し合います。食事の内容や量については、管理栄養士や医療機関へご相談ください。この記事で扱う3点は、食事を変えなくても動かせるところに絞っています。

遠回りになりやすい進め方

監修者より(医学監修 羽藤 泰三/総監修・執筆 安藝 泰弘)

「健康診断で腹囲を指摘されたので、何か運動を始めようと思います」——外来でもよく伺う言葉です。整形外科医の立場(羽藤)からお伝えすると、いちばん多い行き止まりは始めることではなく、続かないうちに量を増やしてしまうことです。私が最初にお願いしているのは、いちばん動かなかった日の量を1つだけ上げていただくことです。よい日を伸ばしても週の合計はあまり動きません。ご相談が多いのは40〜60代で、平日に長く座り、休みの日に取り返そうとされている方が目立ちます。数値そのものの見方は健康診断の結果とあわせて医療機関でご確認ください。総監修の安藝より——臨床28年・延べ施術人数15万人超、年間延べ80万人の患者様と向き合ってきた経験からも、歩く量が増えない理由は気持ちより体のほうにあることが多いです。腰や膝が重いままでは続きません。こころ整体院グループではAI姿勢分析で骨盤の傾きと背中の丸まりを確かめ、どこから手をつけると続けやすいかを一緒に考えていきます。

全国の店舗の詳細は店舗一覧からご確認ください。

まとめ

内臓脂肪に向き合う主役は、施術ではなく毎日の生活です。まず、ここ1週間の平均的な1日について、歩数・続けて座っていた最長時間・眠っていた時間の3つを書き出してください。歩数が4,000歩に届かない日が多いなら、少ない日に1,000歩だけ足し、朝・昼すぎ・帰り道の3回に分けます。2時間以上立ち上がらない日があるなら、タイマーを30分で鳴らし、鳴ったら3歩歩いて座り直します。眠っていた時間が日によって2時間以上ばらつくなら、休みの日も同じ時刻に起き、入浴を眠る1時間半前までに済ませます。量は1週間変えず、見直しは2週間ごとに1回だけ。翌日に見るのは数字ではなく、朝のだるさと午前中の動きやすさです。避けたいのは、初日から強い運動を入れること、お腹だけを動かすこと、食事を極端に抜いて動く量まで下げてしまうことの3つです。腹囲の目安は男性85cm・女性90cmで、数値の意味づけは健康診断の結果とあわせて医療機関でご確認ください。座っていると腰が重い、立ち上がりにくいという土台が残っている方は、こころ整体院グループのお近くの院で、AI姿勢分析を起点に座り方と姿勢を確かめてみてください。

関連する症状の解説(こころ整体院グループ)

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よくある質問(FAQ)

Q1: 内臓脂肪を減らすには、何から始めるのがよいですか?

ここ1週間の平均的な1日について、歩数・続けて座っていた最長時間・眠っていた時間の3つを書き出してください。そのうち、いちばん崩れている1つから手をつけます。歩数が少ないなら少ない日に1,000歩だけ足す、座り続ける時間が長いなら30分ごとに立ち上がる、眠る時間がばらつくなら起きる時刻をそろえる、という順番です。3つを同時に変えると、何が自分に合っていたのかを後から読み取れなくなります。

Q2: 整体の施術でお腹まわりは細くなりますか?

内臓脂肪そのものは、整体の施術で動かすものではありません。お腹まわりを施術で細くするという扱いもしていません。こころ整体院グループがお手伝いできるのは、骨盤の傾きや背中の丸まりを確かめ、座っても崩れにくく立ち上がりやすい体へ整えるところまでです。腰や膝が重いままだと歩く量を増やしても続かないため、土台を整えることで日常のなかで体を動かす場面が増えやすくなります。数値については医療機関へご相談ください。

Q3: 1日何歩を目指せばよいですか?

国が示している目標値は、20〜64歳で男女とも1日8,000歩、65歳以上で男女とも6,000歩です。ここへ一気に近づけようとせず、まずは自分のいちばん少ない日に1,000歩だけ足してください。その量を1週間は変えず、少ない日が新しい下限に届いていたら、もう1,000歩足します。多い日をさらに伸ばしても週の合計はあまり動きません。上げるのは少ない日の側です。

Q4: 腹囲はどのくらいから気にしたほうがよいですか?

厚生労働省の資料で紹介されている国内の基準では、おへその高さのウエスト周囲径が男性85cm以上・女性90cm以上を必須項目としています。これは内臓脂肪の面積が男女ともおよそ100平方センチメートル以上に相当する値として置かれています。そのうえで、脂質・血圧・空腹時血糖の3項目のうち2つ以上が基準から外れている状態をメタボリックシンドロームと呼んでいます。腹囲だけで決まるものではないため、健康診断の結果とあわせて医療機関でご確認ください。

Q5: 腹囲はどうやって測るのが正しいですか?

立ったまま、軽く息を吐いた状態で、おへその高さで測ります。脂肪の蓄積がはっきりしておへそが下へずれている場合は、肋骨の下の縁と腰骨の前の突起の中点の高さで測ると整理されています。家で続けて測るときは、毎回同じ時刻・同じ姿勢で測ることだけ守ってください。お風呂上がりと食後では数センチ変わるため、条件がそろっていないと前後の比較ができなくなります。

Q6: 運動する時間がとれません。座り方を変えるだけでも意味はありますか?

国の資料では、身体活動を「生活活動」と「運動」に分けて整理し、運動だけでなく生活活動も含めた全体を映す指標として歩数の目標が置かれています。運動の時間がとれない期間は、座り続けている一区切りの長さを短くすることから始めてください。タイマーを30分で鳴らし、鳴ったら立ち上がって3歩歩き、坐骨が座面に当たる位置まで深く座り直します。立ち上がる回数は1日16回を上限の目安にし、それ以上は求めないでください。

Q7: 腹筋運動をたくさんやれば、お腹まわりから変わりますか?

国の運動の資料には「特異性の原理」が示されており、トレーニングで伸びるのはその運動で使われた能力や部位であると説明されています。どこを動かすかで、変わる先を選ぶことはできません。お腹を動かすこと自体を避ける必要はありませんが、お腹だけに絞ると遠回りになります。同じ資料の「全面性の原則」では、健康づくりでは有酸素運動と大きな筋肉の筋力トレーニング、ストレッチングをバランスよく行うことがすすめられています。腰に痛みが出る動きは続けないでください。

Q8: 眠る時間が不規則です。歩数から始めてはいけませんか?

眠っていた時間が日によって2時間以上ばらつく場合は、先に眠りの側からそろえてください。前日の眠りによって翌日の歩数が大きく上下するため、歩数から始めると眠れた日だけ頑張る波ができて続きません。決めるのは眠る時刻ではなく起きる時刻です。休みの日も同じ時刻に起き、起きてすぐカーテンを開けて明るい光を目に入れます。入浴は眠る1時間半前までに済ませ、眠る1時間前に照明を一段暗くします。

Q9: どれくらいの期間で見直せばよいですか?

量の見直しは2週間ごとに1回だけ行います。毎日の上下で判断すると、判断材料が混ざってしまいます。翌日に見るのは数字ではなく、朝起きたときのだるさと午前中の動きやすさの2つです。2週間ごとの見直しを3回続けても下限が上がらないときは、量ではなく置き場所を疑い、タイマーを実際に鳴らしているか・歩く分を移動のついでに載せているか・起きる時刻が休日もそろっているか・座面と机の高さが合っているかの4つを、3日ずつ試して確かめてください。

Q10: 血圧や血糖の値を指摘されています。歩く量を増やしてよいですか?

増やす前に主治医へ必ずご確認ください。国の運動の資料でも、運動はやりすぎると腰痛などの関節の痛みを起こしたり、循環器系の合併症を引き起こす可能性があると注記されています。お薬を飲んでいる方、通院中のご病気がある方、妊娠中・産後の方は、量の決め方を医療機関と相談したうえで進めてください。そのうえで、座り続ける時間を短くすることや起きる時刻をそろえることは、量の調整がしやすい部分です。

参考文献

  1. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」. kennet.mhlw.go.jp
  2. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム e-ヘルスネット「健康日本21(第三次)における身体活動・運動の目標」. kennet.mhlw.go.jp
  3. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム e-ヘルスネット「運動プログラム作成のための原理原則」. kennet.mhlw.go.jp
  4. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム e-ヘルスネット「健やかな睡眠と休養」. kennet.mhlw.go.jp

執筆・監修者

安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)
ORCID: 0009-0002-5707-6121

1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年に国際学術誌 PLOS ONE へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表(健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連・PLOS ONE 20(10): e0335268 / https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268)。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国125院・年間延べ80万人来院規模の整体院グループへと育てた。

羽藤 泰三(はとう たいぞう)
整形外科医/医療法人奥山会
本記事の医学監修を担当。お腹まわりの変化で先に医療機関へ相談したいサインの見分け方、腹囲の目安と血圧・血糖・脂質を並べて見る整理、歩く量を増やす前に主治医へ確認したい範囲を医学的視点から監修。

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