側弯症でやってはいけないことは、大きく「背骨の曲がりそのものを自己流の力技で動かそうとすること」と「背中や腰の張りを我慢して放置すること」の2つに分かれます。 側弯症は背骨が左右への傾きとねじれを伴う状態で、医療機関でエックス線などをもとに評価されるものとされています。整体院ができるのは曲がりそのものを動かすことではなく、そのまわりに集まりやすい筋緊張や、日常の姿勢による負担をやわらげるサポートです。この記事では、日常生活で避けたい5つと、運動・セルフケアで避けたい5つ、あわせて10のNG習慣を、代わりにできる行動とセットで整理します。
こちらは全国125店舗・年間延べ80万人の患者様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、側弯症と付き合いながら背中まわりの負担を軽くしたい方向けの解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、背骨だけでなく骨盤・肩甲骨・重心のかけ方まで含めた体の使い方のクセを確認し、主治医の方針を軸にしながら日常の負担を減らす方法をご提案します。
⚠️ こんなときは医療機関へ|側弯症で早めに相談したいサイン
側弯症は、整形外科など医療機関での経過確認が前提となる状態です。次のようなサインがあるときは、セルフケアを続ける前に、まずかかりつけの医療機関へご相談ください。学校の運動器検診や健康診断で背骨の並びを指摘された場合も、そのままにせず一度評価を受けることが望まれます。
- 背中の左右差や肩の高さの違いが、短い期間ではっきり大きくなってきた
- 前かがみになったときに、片側の背中や腰だけが盛り上がって見える(肋骨や腰のふくらみの左右差)
- 脚のしびれ・力の入りにくさ・つまずきなど、神経に関わるサインをともなう
- 息苦しさ・動悸など、呼吸や胸まわりの違和感をともなう
- 安静にしていても強い痛みが続く、夜間に痛みで目が覚める
- 成長期のお子さまで、身長が伸びる時期に背中の見た目の変化を感じている
とくに神経に関わるサインや呼吸の違和感をともなう場合、背骨まわりの状態を医療機関で確認しておくことが大切です。側弯の程度や向き、経過の見通しは、エックス線をはじめとする医療機関の評価によって判断されるもので、見た目やセルフチェックだけで決められるものではありません。当グループでも、これらのサインがある方には整体でのケアより先に医療機関での評価をおすすめしています。
側弯症とは?姿勢のゆがみ・猫背との違いと見分けの考え方
側弯症は背骨そのものが左右に傾き、ねじれをともなう状態を指し、姿勢のクセでできる一時的な左右差とは成り立ちが違うとされています。 見た目が似ていても、背景と向き合い方が変わるため、まず区別の考え方を押さえておくと遠回りを避けやすくなります。
両者の違いを、日常で感じやすいポイントから整理します。
- 側弯症:背骨が左右へ傾きながらねじれをともなう状態。前かがみになると片側の背中や腰が盛り上がって見えることがあり、姿勢を正しても左右差が残るのが特徴とされています。医療機関でエックス線などをもとに評価されます。
- 姿勢による一時的な左右差:片側にカバンをかける、いつも同じ向きで脚を組むといったクセで生じる傾き。背すじを伸ばす、重心を整えるといった働きかけで見た目が変わりやすい状態です。
- 猫背・巻き肩との違い:猫背は主に背骨の前後のカーブに関わる姿勢で、側弯症の「左右への傾きとねじれ」とは方向が異なります。両方が重なることもあり、見分けは医療機関の評価が基準になります。
- 成り立ちの違い:側弯症には、原因がはっきりしない特発性のもの、生まれつきの背骨の形によるもの、加齢に伴う変化が関わるものなど複数のタイプがあるとされています。
ご自身やお子さまの背中の左右差が気になるとき、「姿勢のクセなのか、背骨そのものの並びなのか」を自己判断で決めないことが最初のポイントです。そのうえで、整体院が担えるのは背骨の並びを動かすことではなく、左右差のまわりに集まりやすい筋緊張や、日常の姿勢でかかる負担を軽くするサポートだとご理解ください。
側弯症でやってはいけないこと|日常生活で避けたいNG習慣5つと代わりの行動
日常で避けたいのは、体の片側にだけ負担を積み上げる習慣と、背中の張りを我慢し続けることです。 どれも「やめる」だけで終わらせず、代わりにできる行動とセットにすると続けやすくなります。
NG①:カバンをいつも同じ肩にかけ続ける
片側の肩にだけカバンをかけ続けると、その側の肩や背中の筋肉が休みなく働き続け、張り感が一方に集まりやすくなります。ずり落ちないよう肩をすくめる動きも加わり、首や肩まわりのこわばりにつながることがあります。
代わりにできること:リュックで背中に荷重を分けるか、ショルダーバッグなら30分を目安に左右を持ち替えます。荷物そのものを軽くし、重い物は体に近い位置で持つと負担が分散しやすくなります。
NG②:脚を組む・横座り・片肘つきのまま長時間過ごす
脚を組む、床で横座りをする、机に片肘をついて画面を見る——いずれも骨盤と背骨を左右非対称のまま固定する姿勢です。短時間なら問題になりにくい一方、長時間続くと片側の腰や背中にばかり負担が集まります。
代わりにできること:いすに座るときは両足を床につけ、左右のお尻に均等に体重を乗せます。どうしても脚を組みたくなるときは、組む向きを毎回変えるだけでも偏りが減らせます。
NG③:同じ姿勢のまま30〜60分以上動かない
デスクワークや長時間の運転、スマートフォンの操作で同じ姿勢が続くと、背中まわりの筋肉が縮んだまま固まり、立ち上がったときの張り感が強まりやすくなります。側弯症の有無にかかわらず起こる反応ですが、左右差があるとつらさを感じる側が偏りやすくなります。
代わりにできること:30〜60分に一度は立ち上がり、その場で軽く背伸びをして肩を回します。タイマーやスマートフォンの通知を使うと習慣化しやすくなります。
NG④:背中の張りが長引くのを我慢して放置する
「側弯症だから仕方ない」と背中や腰の張りを我慢し続けると、つらさの変化に気づきにくくなります。長引くつらさは、姿勢の負担が積み上がっているサインのことも、経過に変化が出ているサインのこともあります。
代わりにできること:張りの強さや出る場所を、簡単でよいので日付とあわせてメモに残します。変化があれば主治医に共有し、生活面の負担は整体院など体の使い方を見る専門家に相談する、と役割を分けると整理しやすくなります。
NG⑤:装具や医療機関の方針より自己判断を優先する
装具の装着時間を自己判断で短くする、経過確認の受診をやめる、といった選択は避けたい行動です。側弯症の方針は、年齢・成長の段階・背骨の状態をふまえて医療機関が組み立てるものとされています。
代わりにできること:主治医の方針を軸に置き、日常の姿勢や体の使い方の工夫を「足し算」として組み合わせます。整体院でケアを受ける際も、医療機関で受けている方針を伝えていただくと、方向性をそろえやすくなります。
側弯症でやってはいけないこと|運動・セルフケアで避けたいNG5つと代わりの行動
運動やセルフケアで避けたいのは、背中を強い力で動かそうとすることと、痛み・張りが増えるのを我慢して続けることです。 側弯症では「強くやるほど整う」という考え方が当てはまらないため、力加減の基準を先に決めておくと安心です。
NG⑥:背中や腰を強く押す・叩く・体重をかけて反らせる
盛り上がって見える側を押し込む、フォームローラーに体重をかけて強く転がす、家族に背中を踏んでもらう——こうした強い刺激は、周囲の筋肉を守ろうとする反応を引き起こし、かえって張りが強まることがあります。
代わりにできること:触れるのは「痛気持ちよい」と感じる強さまでにとどめ、伸ばす動きは20〜30秒かけてゆっくり行います。呼吸を止めないことが力み過ぎを避ける目安になります。
NG⑦:痛みや張りが増える動きを我慢して続ける
動画や記事で見た体操を、痛みが出るのに「効いている証拠」と考えて続けるのは避けたい行動です。側弯の向きやタイプは一人ひとり違うため、ある方に合う動きが別の方にも合うとは限りません。
代わりにできること:「動かしてつらさが増える手前で止める」を共通の基準にします。翌日に張りやだるさが持ち越すようなら、その動きは量を減らすか、いったん外して様子をみます。
NG⑧:片側だけを集中的に鍛える・伸ばす
「へこんで見える側だけ鍛える」「張っている側だけ伸ばす」といった片側集中は、自己判断では偏りを増やす方向に働くことがあります。左右のどちらにどう働きかけるかは、背骨の向きを把握したうえで組み立てる必要があるためです。
代わりにできること:セルフケアは左右両方を同じ回数・同じ時間で行うのが基本です。左右で伸び方に差を感じたときは、その感覚をメモして主治医や施術者に伝えます。
NG⑨:反動をつけたストレッチ・急に負荷を上げる筋トレ
勢いをつけて体をひねる、はずみをつけて前屈する、重い負荷でいきなり背中を反らせる——こうした急な動きは、背骨まわりの筋肉が備える前に負荷がかかり、痛みにつながることがあります。
代わりにできること:ストレッチは静かに伸ばして20〜30秒キープ、筋トレは自分の体重で行える種目から少しずつ回数を増やします。呼吸を続けられる強さが、続けられる負荷の目安です。
NG⑩:ネットの情報だけで判断し、医療機関の経過確認をやめる
セルフケアで張りが軽くなると、そのまま経過確認から足が遠のいてしまうことがあります。背中の張りが軽くなることと、背骨の並びの経過は別のものとして見ておくことが大切です。
代わりにできること:医療機関で案内された間隔での経過確認を継続し、そのうえでセルフケアや整体院でのケアを重ねます。情報を集めるときは、学会や公的機関の一般向け解説を起点にすると整理しやすくなります。
側弯症のタイプ別に気をつけたいこと|胸椎中心・腰椎中心・成長期・成人期
側弯の位置と年代によって、日常でつらさが出やすい場面と気をつけたい点が変わります。 ご自身が近いタイプを知っておくと、優先して見直す習慣が絞りやすくなります。なお、実際のタイプの判断は医療機関の評価によります。
タイプA:胸椎(背中の上部)が中心のタイプ
肩の高さや肩甲骨の位置に左右差を感じやすく、デスクワークや上を向く作業のあとに背中の上部の張りが出やすいタイプです。肩こりとしてつらさを自覚する方もいらっしゃいます。画面の高さを目線に合わせる、腕を前に出し続けない、といった上半身まわりの工夫が優先されます。
タイプB:腰椎(腰まわり)が中心のタイプ
腰のくびれの左右差や、立っているときの重心の偏りを感じやすいタイプです。長時間の立ち仕事や、片脚重心での待ち時間に腰の張りが強まりやすくなります。両足に均等に体重をかける、片脚に寄りかからない、といった立ち方の見直しが役立ちます。
タイプC:成長期に見つかったタイプ
身長が伸びる時期は背骨の状態が変化しやすいとされ、医療機関での定期的な経過確認がとくに大切な時期です。部活動や通学カバンなど、生活の負担が偏りやすい場面が多いため、荷物の持ち方と休息のとり方を整えることが優先されます。進み具合の見通しについては、自己判断せず主治医の説明を基準にしてください。
タイプD:成人期に気になり始めたタイプ
加齢に伴う背骨まわりの変化や、長年の姿勢のクセが重なって左右差を意識し始める場合です。腰や背中の張り、歩行時の疲れやすさとして自覚されることがあります。日常の負担を減らす工夫と、無理のない範囲での運動習慣を両立させることが目安になります。
背中や腰の張りが強まった直後(急性期)と落ち着くまでの過ごし方の目安
張りが急に強まった直後は、原因を探るより先につらさが増える姿勢を避け、負担のかからない中間の姿勢で休むことが基本です。 強くほぐそうとせず、体が落ち着くのを待つ時間をつくります。
時期ごとの過ごし方の目安を整理します。
- 強まった直後〜数日(急性期):前かがみでつらいなら前かがみを、反るとつらいなら反りを控え、つらさが軽くなる中間の姿勢で休みます。この時期に強く押す・伸ばすことは避けます。
- 数日〜2週間(落ち着き始める時期):張りがやわらいできたら、体側をやさしく伸ばす、深呼吸で胸まわりを広げるなど、負担の少ないセルフケアから戻します。
- 2週間〜1か月(生活を戻す時期):つらさが出ない範囲で歩行や日常動作を戻し、片側に負担を集めない体の使い方を意識づけていきます。
目安として2〜4週間ほど過ごし方を整えても張りが軽くならない、あるいは範囲が広がる・脚のしびれをともなうといった場合は、自己判断で続けず医療機関へご相談ください。落ち着くまでの期間は、背景や生活の状況によって大きく変わるため、他の方の経過と比べて焦らないことも大切です。
冷やす?温める?側弯症に伴う背中の張りと入浴の考え方
慢性的なこわばりや冷えが中心の背中の張りは、温めて血流をうながすほうが楽になりやすいとされています。 反対に、ぶつけた直後など腫れや熱感があるときは、短時間冷やして安静にするのが目安です。
使い分けの目安を整理します。
- 温めるとよい目安:長時間の座位や立ち仕事のあとに出る、じわじわした張り・こわばり・冷え。入浴やホットタオルで背中から腰をじんわり温めると、こわばりがゆるみやすくなります。
- 冷やしたほうがよい目安:ぶつけた・急に痛めた直後で、押すと熱を持っている、腫れているとき。タオル越しに短時間あて、安静にします。
- 入浴のポイント:38〜40度を目安としたぬるめのお湯にゆっくりつかると、体全体の血流がうながされ、就寝前のこわばりがやわらぎやすくなります。熱すぎるお湯で長くのぼせるまで入るのは避けます。
判断に迷うときは「押すと熱を持っているか」を目安にし、熱感があるうちは冷やす、こわばりや冷えが中心なら温める、と切り替えると整理しやすくなります。なお、入浴で背骨の並びが変わるわけではないため、あくまで周囲の筋緊張をやわらげる目的として取り入れてください。
運動してよい?側弯症と部活・スポーツ・筋トレの続け方の目安
側弯症があっても、痛みやつらさが増えない範囲での運動は、体を支える力を保つうえで役立つと考えられています。 動かさずに固めてしまうより、無理のない範囲で続けるほうが日常が楽になりやすいためです。なお、運動の可否や制限の有無は主治医の方針が優先されます。
続け方の目安を整理します。
- 続けてよい目安:運動中も翌日もつらさが増えない、呼吸が続けられる強さ。ウォーキング、水泳、軽い体操などは取り入れやすい選択です。
- 調整したい目安:特定の動きで背中や腰の張りが強まる、翌日に持ち越す場合。回数や可動域を減らし、それでも変わらなければその種目をいったん外します。
- 主治医への確認が必要な場面:装具を使用している時期、成長期で経過を確認中の時期、競技として高い負荷をかける場面。自己判断で決めず、方針を確認してから調整します。
部活動に取り組むお子さまの場合、「やめる/続ける」の二択ではなく、練習量や役割を調整しながら続けられる形を探すことが多くなります。ご家庭だけで抱え込まず、主治医・指導者と情報を共有していただくと、続けやすい形が見つけやすくなります。
寝方・枕・カバン選びで気をつけたいこと|身のまわりのグッズの考え方
寝具やカバンは背骨の並びを変えるものではなく、日中と夜間の負担の偏りを減らすための道具として選ぶのが基本です。 「これを使えば整う」という考え方から離れると、選びやすくなります。
身のまわりの道具を選ぶときの目安を整理します。
- 寝方:あおむけでも横向きでも、朝起きたときにつらさが増えていない姿勢が、その方に合っている姿勢の目安です。横向きで寝るときは、ひざの間にクッションをはさむと骨盤のねじれが減らせると報告されています。
- 枕:高すぎる枕は首から背中の上部の緊張につながりやすくなります。あおむけで目線がまっすぐ天井に向く高さを目安に選びます。
- マットレス:やわらかすぎて腰が沈み込むもの、硬すぎて背中が浮くものは避け、寝返りが打ちやすい硬さを選ぶとよいと報告されています。
- カバン:左右均等に背負えるリュックが選択肢になります。ショルダーバッグを使う場合は、こまめに持ち替える前提で軽い荷物にします。
- いす・クッション:座面に対して骨盤が後ろに倒れにくい高さを選び、片側のお尻だけに体重が乗らないように座ります。
なお、市販の姿勢サポート用品や寝具は、あくまで日常の負担を減らす補助として位置づけてください。背骨の並びに関わる方針は医療機関が組み立てるもので、道具の使用でそれに代えることはできません。
自宅でできる背中まわりの筋緊張をやわらげるセルフケア
セルフケアの目的は背骨の並びを動かすことではなく、まわりの筋肉のこわばりをゆるめて日常を過ごしやすくすることです。 強い力を使わず、左右を同じ時間・同じ回数で行うのが基本です。
1. 胸を広げる深呼吸(座って1分)
いすに浅く座り、両手を肋骨の横に軽く添えます。鼻から4秒かけて息を吸い、肋骨が横に広がるのを手で感じながら、口から6秒かけてゆっくり吐きます。これを1分ほど続けます。呼吸に合わせて胸まわりが動くことで、背中の上部のこわばりがゆるみやすくなります。
2. 体側をやさしく伸ばす(左右20〜30秒ずつ)
いすに座って片手を頭の上へ伸ばし、息を吐きながら反対側へゆっくり体を倒します。わき腹から背中の横が伸びる感覚が出たところで20〜30秒キープし、反対側も同じ時間行います。反動はつけず、つらさが増える手前で止めます。
3. 股関節の前側をゆるめる(左右20〜30秒ずつ)
片ひざを床につけ、もう一方の足を前に出したランジの姿勢から、背すじを伸ばしたまま重心を少し前へ移します。後ろ脚の付け根が伸びる感覚が出たところでキープします。骨盤まわりの緊張がゆるむと、腰や背中の負担が減らしやすくなります。
4. 1時間に1回、立って背伸びをする
座り続けた背中をリセットする、もっとも手軽な習慣です。立ち上がって両手を天井へ伸ばし、深呼吸をしながら5秒ほどキープします。ここで肩を回して、左右の肩甲骨を寄せる動きを数回加えると、上半身のこわばりがほどけやすくなります。
背中や腰の張りが続く、左右差が気になるという方へ。
全国のこころ整体院でAI姿勢分析を受けられます。
側弯症の背中の張りを繰り返さない予防・再発防止の習慣づくり
張りを繰り返さないためには、片側に負担を集めない習慣を日常に埋め込み、こまめに姿勢を切り替えることが基本です。 張りが落ち着いたあとこそ、習慣づくりが役立ちます。
- 30〜60分に一度は姿勢を切り替える:長時間の座位・立位を区切り、背伸びと肩回しで背中まわりの緊張をほどきます。
- 荷物の持ち方を固定しない:カバンは左右を持ち替えるか、リュックで背中に分散させます。荷物を軽くすること自体が有効な工夫です。
- 座り方・立ち方のクセを見直す:脚を組む・横座り・片脚重心をやめ、両足に均等に体重をかける意識を持ちます。
- 体を冷やさない:背中や腰の冷えはこわばりの引き金になりやすいため、入浴と保温の習慣を続けます。
- 経過確認を止めない:張りが軽くなっても、医療機関で案内された間隔での経過確認は継続します。
- 体の使い方を定期的に確認する:自分では気づきにくい重心や姿勢のクセは、第三者の視点で確認すると修正しやすくなります。
何度も同じ側の背中や腰が張るという方は、その部位のケアだけでなく、日常の中で「どの動作が偏りをつくっているか」を洗い出すことが近道です。長引きやすい張りほど、体の土台である立ち方・座り方から見直す価値があります。
【詳しく知りたい方へ】側弯症で背中・腰に負担が集まりやすいしくみ
背骨に左右差があると、体を垂直に保つために左右の筋肉が異なる働き方をし、片側に持続的な負担が集まりやすくなると考えられています。 ポイントを整理します。
1. 左右の筋肉の働き方の差と持続的な緊張
背骨が左右に傾くと、体を起こし続けるために一方の背筋がより長く働き、もう一方は短縮した状態になりやすくなります。持続的に働き続けた筋肉は血流が滞りやすく、こわばりや張り感として自覚されることがあります。日本整形外科学会の一般向け解説でも、背骨の並びの変化は周囲の筋肉や神経の状態と関連するとされています。
2. 姿勢のクセが上乗せする負担
片側にカバンをかける、いつも同じ向きで脚を組むといったクセは、もともとある左右差の上にさらに偏りを重ねます。安藝らが2025年にPLOS ONE誌へ発表した研究でも、健康な成人において安静時の肩甲骨位置に左右差がみられ、その非対称性が僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントと関連することが報告されています。左右差そのものは珍しいものではなく、そこへ日常の偏りが積み重なることが張り感に関わると考えられます。だからこそ、日常のクセを減らす工夫が整体院からご提案できる現実的な一歩になります。
GIFTの視点:揉まない・押さない背中まわりへのアプローチ
こころ整体院グループのGIFTメソッドは、「揉まない・押さない・整える」が基本コンセプトです。側弯症の方に対しても、盛り上がって見える側を押し込むようなことはせず、背骨のまわりに負担を集めている重心や体の使い方を見直し、日常を過ごしやすくすることを目的としています。背骨の並びに関わる方針は医療機関が担い、当グループは日常の負担を減らす側から並走する——この役割分担を大切にしています。
- AI姿勢分析で体の使い方を確認 … AI姿勢分析で、肩の高さ・骨盤の傾き・重心の前後左右のバランスを画像と数値で確認します。
- 負担が集まる部位からやさしく整える … 背中だけでなく、骨盤・股関節・肩甲骨まわりの動きを含めて整え、片側に集まる負担を分散させます。
- セルフケアと生活の工夫で定着 … 店舗でのケアと、ご自宅での深呼吸・体側ストレッチ・荷物の持ち方の見直しを組み合わせ、楽な状態を保ちやすくします。
まとめ
側弯症でやってはいけないことは、日常編では「片側だけにカバンをかけ続ける」「脚を組む・横座りで長時間過ごす」「同じ姿勢のまま動かない」「背中の張りを我慢して放置する」「装具や医療機関の方針より自己判断を優先する」の5つ、運動・セルフケア編では「背中を強い力で押す・反らせる」「つらさが増える動きを我慢して続ける」「片側だけを集中的に鍛える・伸ばす」「反動をつけたストレッチや急な高負荷」「経過確認をやめてしまう」の5つです。いずれも、代わりにできる行動とセットにすると続けやすくなります。大切なのは、背骨の並びに関わる方針は医療機関に委ね、整体院は日常の負担を減らす側から並走するという役割分担です。背中や腰の張りが続く、左右差が気になるという方は、お近くのこころ整体院グループの店舗で、AI姿勢分析を起点に体の使い方を確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
背中の盛り上がって見える側を強い力で押し込んだり、体重をかけて反らせたりすることです。強い刺激は周囲の筋肉が守ろうとする反応を招き、かえって張りが強まることがあります。触れるのは痛気持ちよいと感じる強さまでにとどめ、伸ばす動きは20〜30秒かけてゆっくり行ってください。
左右均等に背負えるリュックが選びやすい選択です。ショルダーバッグを使う場合は、30分を目安に左右を持ち替え、荷物そのものを軽くしておくと負担が偏りにくくなります。重い物は体に近い位置で持つと、背中まわりの負担を分散しやすくなります。
短い期間で見た目の左右差がはっきり大きくなってきた場合や、脚のしびれ・力の入りにくさ、息苦しさをともなう場合は、セルフケアを続ける前に整形外科などの医療機関で評価を受けてください。学校の運動器検診で背骨の並びを指摘されたときも同様です。
運動中も翌日もつらさが増えない範囲であれば、体を支える力を保つうえで役立つと考えられています。特定の動きで張りが強まる場合は回数や可動域を減らします。装具を使用している時期や成長期で経過確認中の場合は、続け方を主治医に確認してから調整してください。
長時間の座位や立ち仕事のあとに出るこわばり・冷えが中心なら、温めて血流をうながすほうが楽になりやすいとされています。ぶつけた直後で熱感や腫れがあるときは、タオル越しに短時間冷やして安静にします。入浴は38〜40度を目安としたぬるめのお湯がおすすめです。
朝起きたときにつらさが増えていない姿勢が、その方に合っている姿勢の目安です。横向きで寝るときはひざの間にクッションをはさむと骨盤のねじれが減らせると報告されています。枕は、あおむけで目線がまっすぐ天井に向く高さを目安に選んでください。
自己判断で片側だけに集中させることは避け、左右を同じ回数・同じ時間で行うのが基本です。どちらにどう働きかけるかは背骨の向きをふまえて組み立てる必要があるため、左右で伸び方に差を感じたときは、その感覚をメモして主治医や施術者にお伝えください。
2〜4週間ほど過ごし方を整えても軽くならない、範囲が広がる、脚のしびれをともなうといった場合は、自己判断で続けず医療機関へご相談ください。張りの強さや出る場所を日付とあわせてメモに残しておくと、経過を伝えやすくなります。
整体院で背骨の並びそのものを変えることはできません。背骨の状態に関わる方針は、年齢や成長の段階をふまえて医療機関が組み立てるものとされています。整体院が担えるのは、左右差のまわりに集まりやすい筋緊張や、日常の姿勢による負担をやわらげるサポートです。
まずAI姿勢分析で肩の高さ・骨盤の傾き・重心のバランスを確認し、背中だけでなく骨盤や肩甲骨まわりを含めて、片側に集まる負担を分散させるサポートを行います。医療機関で受けている方針をお伝えいただくと方向性をそろえやすくなります。詳しくは全国の店舗からお近くの院へお問い合わせください。
参考文献
- 日本整形外科学会「側弯症(脊柱側弯症)」一般向け解説.
- 日本側弯症学会 一般向け情報(側弯症の分類と経過観察の考え方).
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(姿勢・運動と身体の不調に関する解説).
- 文部科学省「学校における健康診断(運動器検診)」に関する資料.
- 安藝泰弘, 沖野一平, 津山元気, 谷津義康, 西条寿夫, 髙本考一(2025)「健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連」PLOS ONE 20(10): e0335268. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268
執筆・監修者
安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)。
1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年にPLOS ONE誌へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国の整体院グループ・年間延べ80万人来院規模へと育てた。
羽藤 泰三(はとう たいぞう)
整形外科医/医療法人奥山会
本記事の医学監修を担当。整形外科の視点から、側弯症の相談の目安と、日常生活での注意点の記載範囲について監修。






