かかとが痛い原因は?足の裏・後ろ・内側の見分け方とセルフケアの目安

かかとが痛い原因は?足の裏・後ろ・内側の見分け方とセルフケアの目安

  • 監修日: 2026-08-26
  • 執筆・総監修: 安藝 泰弘(柔道整復師/giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者・PLOS ONE 掲載論文 筆頭著者)
  • 医学監修: 羽藤 泰三(整形外科医/医療法人奥山会)
※本稿は一般的な情報提供です。強い症状・急な変化がある場合は、必ず医療機関で評価を受けてください。
この記事のポイント

かかとが痛いとき、その多くは足の裏の腱(足底腱膜)・アキレス腱・足のアーチにかかる繰り返しの負担が背景だとされています。 足には片側だけで26個の骨があり、体の重さを受け止める土台になっています。朝ベッドから降りた最初の一歩や、座っていたあとの歩き始めに「ズキッ」と刺さるように痛み、歩いているうちにやわらぐ——この出方は、足の裏の腱にかかる負担で起こる痛みの代表的な特徴だと考えられています。まず大切なのは、足を休めても引かない痛み・強い腫れや熱感・発熱・全身のだるさといった、足の使い方では説明できないサインが隠れていないかを見分けることです。そのうえで、痛む場所(足の裏・かかとの後ろ・内側)と、痛みが出るタイミングに合わせて対処を選ぶと、遠回りを避けやすくなります。

こちらは全国125院・年間延べ80万人の患者様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、かかとの痛みの原因別の見分け方と対処の解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、痛む場所だけでなく姿勢・骨盤・脚全体の使い方から足裏にかかる負担のクセを見える化し、根本原因にアプローチします。

⚠️ こんなときは医療機関へ|かかとの痛みで見逃したくないサイン

かかとの痛みは、足の裏の腱や骨まわりの負担だけでなく、全身の状態が背景にあることもあります。次のようなサインがある場合は、自己判断を避け、まずは整形外科・内科などの医療機関で評価を受けてください。

  • 足を休めても痛みが引かない・安静にしていても夜間にうずく
  • かかとや足首に強い腫れ・赤み・熱感がある
  • 発熱・全身のだるさ・体重の減少をともなう
  • 両方のかかとが同時に痛み、朝のこわばりが1時間以上続く(全身の関節の炎症のサインとして知られています)
  • 足の裏や指先のしびれ・感覚の鈍さが広がってきた
  • 高い所から着地した・転倒したあとから痛みが出て、体重をかけられない
  • 足の小さな傷が治りにくい・皮膚の色や冷たさが左右で違う(血流や代謝にかかわる状態のサインとして知られています)

「かかとが痛い=内臓の不調」と結びつけて心配される方がいらっしゃいます。実際には、かかとの痛みの大多数は足の裏の腱・アキレス腱・足のアーチにかかる負担が背景だと考えられています。全身の状態が関係している場合は、かかとの痛みが単独で出るのではなく、発熱・体重の減少・複数の関節の痛み・皮膚の変化といった全身のサインをともなうことが多いとされています。上のリストに当てはまる項目があるときは、まず医療機関でご確認ください。整体院がお手伝いできるのは、筋肉・筋膜・姿勢の負担から起こる痛みへのアプローチです。これらに当てはまらず、歩き始めの一歩目や、体重をかけた瞬間に響く痛みが中心であれば、足のアーチや脚全体の使い方が関係していることが多いと考えられています。気になる場合は、我慢して様子を見ずご相談ください。

かかとが痛いのはなぜ?多くは足の裏・アキレス腱・アーチの負担から

かかとの痛みの多くは、足の裏の腱・アキレス腱・足のアーチにかかる繰り返しの負担が背景だとされています。 かかとは立つ・歩く・走るのすべてで最初に地面と接する部分で、1日の歩数が数千歩あれば、その回数だけ衝撃を受け止めていることになります。負担が積み重なると、腱が骨に付く部分や、かかとを支える脂肪のクッションに張りが出て、体重をかけた瞬間に痛みとして感じられます。

かかとに負担が集まりやすくなる背景を整理すると、次の3つに分けられます。

  • 足の裏の腱(足底腱膜)の張り:かかとから足指の付け根まで、扇のように張っている腱です。アーチが下がると引き伸ばされ、かかと側の付着部に張りが集まります。朝の一歩目に刺さるような痛みが出るのはこのタイプの代表的な出方です。
  • ふくらはぎ〜アキレス腱の硬さ:アキレス腱はかかとの骨の後ろに付いています。ふくらはぎの筋肉が硬いと、腱がかかとを後ろへ引き続ける形になり、後ろ側の痛みや、地面を蹴る瞬間の痛みにつながります。
  • アーチの低下と荷重の偏り:土踏まずが落ちる、または高すぎると、着地の衝撃を足全体で分散しにくくなります。骨盤の傾きやひざの向きのクセが重なると、片足だけに負担が集まることもあります。

かかとが痛いという同じ訴えでも、腱の張りが中心なのか、アーチと荷重の偏りが中心なのかで、手をつける場所は変わります。長く立ち仕事をしている方、急に歩く距離や走る距離を増やした方、体重の変化があった方は、足の裏側だけでなく脚全体の使い方まで見直すと近道になります。ランニングなど下肢のスポーツ障害と背景が重なることも少なくありません。

痛む場所で違う?かかとの痛みを部位別・タイミング別にみる

かかとの痛みは「どこが・どんなときに」痛むかで、負担のかかり方の見当がつきやすくなります。 ご自身の痛みが次のどれに近いかを、当てはめながら読み進めてみてください。

足の裏(かかとの前寄り)が痛む

かかとの骨の少し前、土踏まずへ移る境目あたりが痛むタイプです。足の裏の腱が骨に付く部分に張りが集まっている出方で、指で押すと痛むポイントがはっきりしていることがあります。朝の一歩目や、座っていたあとの歩き始めに強く出やすいのが特徴です。

かかとの後ろ・アキレス腱の付け根が痛む

かかとの骨の後ろ側、靴のヒールカウンターが当たるあたりが痛むタイプです。ふくらはぎの硬さが背景にあることが多く、階段を上がる、つま先立ちをする、地面を蹴るといった動作で響きます。靴の後ろが硬い、履き口が当たるといった外側からの刺激が重なることもあります。

かかとの内側・くるぶしの下が痛む

内くるぶしの下からかかとの内側にかけて痛むタイプです。アーチを支える筋肉に負担が集まっていることが多く、長く立っていた日の夕方に重だるさとして出やすくなります。足の裏や指先にしびれが広がる場合は、神経の通り道が関係していることもあるため、下肢のしびれの視点もあわせて確かめます。

朝の一歩目・歩き始めだけ痛む(タイミング別)

寝起きや長く座ったあとの数歩だけ痛み、歩いているうちにやわらぐタイプです。休んでいるあいだに腱が縮こまり、体重をかけた瞬間に急に引き伸ばされることで起こると考えられています。歩き出す前にふくらはぎと足の裏をやさしくほぐしておくと、一歩目の痛みが軽くなりやすい出方です。

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かかとの痛みと紛らわしい不調の見分け方

足まわりの痛みは背景の候補が幅広いため、「体重をかけると出るか」「休んでも続くか」の2点で整理すると見分けやすくなります。 痛みの性質をひとつずつ確かめていきます。

筋肉の張り・疲れとの違い

ふくらはぎや足裏の筋肉の張りは、鈍い重だるさとして広い範囲に感じられ、休むと軽くなるのが一般的です。腱の付着部に集まる痛みは、押すと響く一点がはっきりしており、体重をかけた瞬間に鋭く出ます。範囲が面か点かは、見分けのわかりやすい手がかりになります。疲労・だるさが抜けない時期は、両方が重なることもあります。

しびれをともなう痛みとの違い

足の裏や指先がジンジンする、感覚が鈍い、触れた感じが左右で違うといった症状をともなう場合は、神経の通り道が関係していることがあります。腰やお尻から脚の裏側にかけて連なる違和感があるときは、足元だけでなく腰まわりの状態もあわせて確かめると、見立てがはっきりします。

休んでも引かない痛みとの違い

体重をかけていないときも続く痛み、夜間にうずく痛み、腫れや熱感をともなう痛みは、足の使い方では説明がつきにくい出方です。この場合は姿勢のケアより先に、医療機関での評価を優先してください。体重をかけると出て、休むと引く——この連動性があるかどうかが、最初の分かれ道になります。

【急性期】かかとに痛みが出た直後の対処法

痛みが出た直後(急性期・当日〜数日)は、痛みが走る動きを減らし、かかとへの衝撃を和らげることが基本です。 あわてて強く押し込んだり、痛みをこらえて長く歩いたりせず、負担の少ない過ごし方に切り替えます。

急性期の落ち着かせ方は、次のポイントを意識します。

  • 歩く距離を一時的に減らす:長時間の立ち仕事やウォーキング、走る動作を数日ひかえ、痛みの出ない範囲で過ごします。
  • クッション性のある靴に替える:かかとが薄い靴、底が硬い靴、サンダルは衝撃が直に伝わります。かかとに厚みのあるスニーカーへ替えるだけでも、体重をかけた瞬間の響き方が変わります。
  • 裸足でフローリングを歩かない:家の中こそ衝撃を受けやすい場面です。室内履きやクッション入りのスリッパを使うと、日中の積み重ねが減ります。
  • 強く押し込む・叩くをしない:痛むポイントをゴルフボールなどで強く押しつぶすのは急性期には向きません。まずは休ませることを優先します。

体重をかけた瞬間に走る痛みは、負担のかかる動きを減らして数日過ごすうちに、やわらいでいくことが多いとされています。なお、休んでも痛みが引かない・むしろ強まる、腫れや熱感、発熱をともなう場合は、急性期のうちでも早めに医療機関で評価を受けてください。

【回復期】かかとの痛みはどれくらいで和らぐ?回復の目安

足の使い方や姿勢の負担による痛みは、負担を減らすケアを続けると、多くの場合で数週間〜数か月をかけて和らいでいくとされています。 あくまで一般的な目安で、立ち仕事の有無・運動量・体の使い方によって、かかる期間は変わります。

回復期(痛みが出て数日目以降)の過ごし方の目安を整理します。

  • 数日目まで(急性期):歩く距離を減らし、クッション性のある靴へ替え、室内でも裸足を避けて過ごします。
  • 数日〜2週間(回復期前半):痛みが落ち着いてきたら、ふくらはぎのストレッチと足裏をやさしくほぐす動きを1日数回はじめ、腱の伸び縮みを取り戻していきます。
  • 2週間〜3か月(回復期後半):痛みの出ない範囲で足指を使う練習や、アーチを支える筋肉のトレーニングを加え、負担が戻りにくい足の使い方へ整えていきます。

目安として1か月ほどケアを続けても軽くならない、痛む範囲が広がる、夜間も痛みで目が覚めるという場合は、足元以外の要因が関与していることも考えられます。長引くかかとの痛みは、痛む場所だけでなくひざや骨盤を含めた脚全体の評価に切り替えると、遠回りを避けやすくなります。

歩いてよい?運動は続けてよい?かかとの痛みと動作の可否

痛みが強まらない範囲であれば、歩くことや軽い運動はむしろ足の機能を保ち、回復を後押ししやすいとされています。 痛みを恐れて動かさずにいると、ふくらはぎが硬くなり、かえって腱への引っぱりが強まることがあります。

動作の可否は、次を目安に判断します。

  • 続けてよい目安:歩いても痛みが強まらない・翌朝に持ち越さない程度。買い物や通勤など日常の歩行、平坦な道でのゆっくりした散歩は続けてよい範囲です。
  • 控えたい目安:一歩ごとに鋭く響く、歩き終わったあとに腫れや熱感が出る、翌朝の一歩目が前日より痛い場合。この場合は距離を半分に減らし、赤旗のサインがないかを先に確認します。
  • 運動の再開:ランニング、ジャンプ、坂道や階段のトレーニングは、日常の歩行で痛みが出なくなってから段階的に戻すと、繰り返しを防ぎやすくなります。ランナーの下肢トラブルでは、距離を戻す速さを1週間ごとに少しずつにするのが基本です。

「歩いてよいか休むべきか」で迷ったら、翌朝の一歩目が前日より楽かどうかを基準にすると分かりやすくなります。楽になっていれば続けてよい、悪くなっていれば手前で止める、という考え方です。歩くたびに強く響く痛みが続くときは、自己判断を重ねず専門家にご相談ください。

冷やす?温める?かかとの痛みと冷温・入浴の考え方

使いすぎた直後で熱感があるときは冷やし、慢性的な張りやこわばりが中心のときは温める、という使い分けが目安になります。 同じかかとの痛みでも、時期によって向く手当てが変わります。

冷温・入浴の使い分けの目安を整理します。

  • 冷やしたほうがよい目安:長く歩いた直後、走ったあとなど、患部に熱感やズキズキする感じがあるとき。タオル越しに10分ほど冷やして休ませます。
  • 温めるとよい目安:朝のこわばり、冷えると痛みが強まる、慢性的な張りが中心のとき。入浴やホットタオルでふくらはぎから足首までじんわり温めると、こわばりがゆるみやすくなります。
  • 入浴のポイント:ぬるめ(38〜40度目安)のお湯にゆっくりつかり、湯船の中で足首をゆっくり10回まわします。血流がうながされ、就寝前のふくらはぎのこわばりがやわらぎやすくなります。

判断に迷うときは、「触ると熱を持っているか」を目安にし、熱感があるうちは冷やす、こわばり・冷えが中心なら温めるへ切り替えると整理しやすくなります。腫れが強い、発熱をともなう場合は、温める前に赤旗のサインとして評価を受けてください。

自宅でできるかかとの痛みへのセルフケア

かかとまわりのセルフケアは、ふくらはぎの硬さをゆるめ、足の裏とアーチを支える筋肉を働かせて、腱への引っぱりを減らすことが基本です。 痛みの強い急性期を避け、落ち着いてから、痛みが増えない範囲で行います。

1. 足の裏をやさしくほぐす

いすに座り、テニスボールほどの柔らかいボールを足の裏に置いて、かかとの前あたりから土踏まずへ向けてゆっくり転がします。片足30秒ほど、体重はかけすぎず、心地よい圧にとどめます。朝起きてすぐ、一歩目を踏み出す前に行うと、歩き始めの痛みが軽くなりやすくなります。

2. ふくらはぎ・アキレス腱を伸ばす

壁に両手をつき、伸ばす側の脚を後ろへ引いてかかとを床につけたまま、前の脚のひざをゆっくり曲げます。20〜30秒キープを左右2回ずつ。かかとが浮くと伸びないので、浮かない範囲で止めます。ひざは伸ばしきらず、軽くゆるめたまま行うと、ふくらはぎの深い層まで届きやすくなります。

3. 足の指をひろげる・タオルギャザー

床にタオルを敷き、いすに座って足の指だけでタオルをたぐり寄せます。10回を1セット、左右1〜2セット。土踏まずを支える筋肉が働き、着地の衝撃を分散しやすくなります。指が丸まらず、しっかりひろげてからつかむのがコツです。

4. 靴・インソールの選び方

かかとに厚みがありクッション性のある靴、足の甲をしっかり固定できる靴ひもやベルトのある靴が土台になります。かかとが薄いフラットシューズ、底が硬いサンダル、履き口が広くて脱げやすい靴は、着地のたびに足が中で滑り、負担が集まりやすくなります。市販のインソールを使う場合は、土踏まずが不自然に押し上げられないものを選び、痛みが増えるようなら使用を止めます。

5. 立ち方・歩き方を1時間で区切る

立ち仕事の方は、1時間に一度は足踏みや、かかとの上げ下ろしを10回行います。同じ場所に体重をかけ続けないことが、自宅や職場でできるもっとも手軽なセルフケアです。骨盤の傾きによって片足に重心が寄っている方は、左右の足に均等に体重を乗せる意識も役立ちます。

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監修者より(総監修・執筆 安藝 泰弘/医学監修 羽藤 泰三)

「かかとが痛いのは、どこか体の内側が悪いからではないか」と心配されて来られる方がいらっしゃいます。整形外科医の立場(羽藤)からお伝えすると、まず大切なのは、休んでも引かない痛み・強い腫れや熱感・発熱といった、足の使い方では説明できないサインが隠れていないかを見分けることです。そのうえで、体重をかけた瞬間に走る痛みは、足の裏の腱やふくらはぎの硬さが関係していることが多く、動かさずに固めてしまわないほうが回復には近道になります。総監修の安藝より——臨床28年・延べ施術人数15万人超、年間延べ80万人の患者様と向き合ってきた経験からも、かかとの痛みは「立ち方の左右差とふくらはぎの硬さ」が背景にあることが多く、痛む場所だけでなく骨盤やひざを含めて見直すことが、戻りにくい状態づくりの近道だと考えています。

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かかとが痛いときにやってはいけない3つのこと

NG①:痛むポイントを強い力で押しつぶす・叩く

硬いボールや指で痛む一点を強く押し込むのは、逆になりやすい選択です。腱の付着部への刺激が重なり、かえって張りが長引くことがあります。セルフケアは「痛みが増えない範囲でやさしく」が基本です。

NG②:痛みをこらえて距離や強度を落とさない

「動かしたほうがよい」と聞いて、痛みをこらえたまま歩数や走る距離を維持すると、負担が積み重なります。翌朝の一歩目が前日より痛いときは、距離を半分に減らす判断が必要です。

NG③:かかとが薄い靴・裸足のまま生活を続ける

底が硬いサンダルやフラットシューズ、室内での裸足歩きは、着地の衝撃が直にかかとへ伝わります。靴を替えるだけで日中の積み重ねが変わるため、痛みがあるあいだは足元の見直しを先に行います。

かかとの痛みを繰り返さない予防と再発防止|長引くときの見直し

くり返さないためには、ふくらはぎを硬いまま放置しない習慣と、足元の道具を整えることが予防の基本です。 痛みが和らいだあとこそ、再発防止の習慣づくりが役立ちます。

  • ふくらはぎのストレッチを毎日の習慣にする:入浴後やテレビを見ながらなど、時間を決めておくと続きます。1回30秒でも、毎日のほうが役立ちます。
  • 靴を定期的に見直す:かかとの内側がすり減った靴は、着地のたびに足を内側へ傾けます。すり減りが目立ってきたら替えどきです。
  • 急に量を増やさない:歩数や走る距離を一気に増やすと、腱が慣れる前に負担が積み重なります。増やすなら1週間ごとに少しずつにします。
  • 片側だけに体重を乗せるクセを見直す:立つときにいつも同じ足へ重心を預ける、脚を組む時間が長いといったクセは、片足のかかとに負担を集めます。姿勢矯正の視点は再発予防に直結します。
  • 足元を冷やさない:足首まわりの冷えはこわばりの引き金になりやすいため、入浴・保温の習慣が役立ちます。疲労・だるさが抜けない時期は特に意識したいポイントです。

同じ側のかかとに何度も痛みが出るという方は、痛む場所のケアだけでなく、体の土台である姿勢や重心の預け方の見直しをあわせると、繰り返しにくい状態へ近づけます。長引く・慢性化しやすい痛みほど、根本の姿勢から見直す価値があります。

【詳しく知りたい方へ】かかとの痛みが起こる医学的メカニズム

かかとの痛みの多くは「かかとの骨そのものの異常」ではなく、腱とアーチにかかる張力の偏りから生じる、可逆的な状態と考えられています。 ポイントを整理します。

1. 足の裏の腱とアーチがつくる「弓」の仕組み

かかとの骨から足指の付け根まで張る腱は、弓の弦のようにアーチを内側から支えています。体重が乗るとアーチはわずかに沈み、弦にあたる腱が引き伸ばされて衝撃を吸収します。この伸び縮みが1日に何千回とくり返されるため、アーチが下がって弦が張りっぱなしになると、かかと側の付着部に張力が集中します。

2. ふくらはぎの硬さがかかとを後ろへ引く

ふくらはぎの筋肉はアキレス腱を通じてかかとの骨の後ろに付いています。筋肉が硬いと、立っているだけでもかかとを後ろ上方へ引き続ける形になり、地面を蹴る瞬間に足の裏側全体の張力が高まります。かかとの後ろ側の痛みと、足の裏側の痛みが同時に出やすいのはこのつながりのためです。

3. 姿勢・骨盤の傾きと荷重の偏り

骨盤が前後に傾いたり左右差があったりすると、立ったときの重心が片足寄り、あるいは足の内側・外側へ偏ります。日本整形外科学会の一般向け解説でも、足部の痛みは体重・活動量・足の形状といった負担条件と関連するとされています。姿勢の左右差を整える視点は、痛む場所を追いかけるより近道になることがあります。当グループの創業者・安藝が筆頭著者として発表した研究でも、左右の非対称と筋のこわばりの関連が報告されています。

GIFTの視点:揉まない・押さないかかとまわりへのアプローチ

こころ整体院グループのGIFTメソッドは、「揉まない・押さない・整える」が基本コンセプトです。痛むかかとを強い刺激で押しほぐすのではなく、負担が集まる骨盤・ひざ・足首の使い方を見直し、足のアーチが本来の働きを取り戻せる土台づくりをサポートします。強い刺激で押しほぐす手法は、その場の心地よさに優れる一方、姿勢の根本要因(骨盤やひざの向きのバランス)へのアプローチが難しい場合があります。

  1. AI姿勢分析で原因を見える化 … AI姿勢分析で、骨盤の傾き・重心の左右差・ひざの向きを数値とビジュアルで確認します。
  2. 姿勢のクセに合わせて整える … 足元だけでなく、骨盤・ひざ・足首の動きも含めて整え、かかとへの負担を減らします。
  3. セルフケアで定着 … 院でのケアと、ご自宅でできるストレッチや靴の見直しを組み合わせ、戻りにくい状態を目指します。
AI姿勢分析

まとめ

かかとが痛いとき、その多くは足の裏の腱・アキレス腱・足のアーチにかかる繰り返しの負担が背景で、朝の一歩目や体重をかけた瞬間に響き、歩いているうちにやわらぐのが代表的な出方です。大切なのは、休んでも引かない痛み・強い腫れや熱感・発熱や全身のだるさといった見逃したくないサインを見分けること、そして痛む場所(足の裏・かかとの後ろ・内側)と痛みが出るタイミングに合わせて対処を選ぶことです。急性期は歩く距離を減らしてクッション性のある靴へ替え、落ち着いたらふくらはぎのストレッチと足裏のケアで腱の伸び縮みを取り戻していく——この順番を意識すると回復の遠回りを避けやすくなります。長引く・繰り返すかかとの痛みは、足元だけでなく骨盤・ひざ・姿勢の見直しが近道です。お近くのこころ整体院グループの店舗で、AI姿勢分析を起点に姿勢と足元の状態を確認してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1: かかとが痛いとき、内臓の不調が関係していることはありますか?

かかとの痛みの大多数は、足の裏の腱・アキレス腱・足のアーチにかかる負担が背景だと考えられています。全身の状態が関係している場合は、かかとの痛みだけが単独で出るのではなく、発熱・体重の減少・複数の関節の痛み・皮膚の変化といったサインをともなうことが多いとされています。気になるサインがあるときは、まず内科・整形外科などの医療機関でご確認ください。

Q2: 朝の一歩目だけかかとが痛いのはなぜですか?

休んでいるあいだに足の裏の腱とふくらはぎが縮こまり、体重をかけた瞬間に急に引き伸ばされることで起こると考えられています。歩き出す前に足の裏をボールでやさしく転がし、ふくらはぎを20〜30秒伸ばしてから立ち上がると、一歩目の響き方が変わりやすくなります。

Q3: かかとの痛みはどれくらいで和らぎますか?

足の使い方や姿勢の負担による痛みは、負担を減らすケアを続けると、多くの場合で数週間〜数か月をかけて和らいでいくとされています。1か月ほど続けても軽くならない・痛む範囲が広がるときは、店舗や医療機関でご相談ください。

Q4: 痛みがあるとき、歩いたり運動したりしてよいですか?

歩いても痛みが強まらない・翌朝に持ち越さない程度なら、日常の歩行やゆっくりした散歩は続けてよい範囲です。一歩ごとに鋭く響く、歩いたあとに腫れや熱感が出る場合は距離を半分に減らし、先に赤旗のサインを確認してください。

Q5: 冷やすのと温めるのはどちらがよいですか?

長く歩いた直後などで熱感があるときはタオル越しに10分ほど冷やし、朝のこわばりや冷えが中心のときは入浴やホットタオルで温めるのが目安です。触ると熱を持っているかどうかを判断のよりどころにすると整理しやすくなります。

Q6: 足の裏とかかとの後ろ、どちらが痛むかで違いはありますか?

足の裏(かかとの前寄り)が痛む場合は、足の裏の腱が骨に付く部分に張りが集まっていることが多く、朝の一歩目に強く出やすい出方です。かかとの後ろが痛む場合は、ふくらはぎの硬さが背景にあることが多く、階段やつま先立ちで響きます。手をつける場所が変わるため、痛む位置を確かめておくと役立ちます。

Q7: どんな靴やインソールを選べばよいですか?

かかとに厚みがありクッション性のある靴、足の甲を靴ひもやベルトで固定できる靴が土台になります。底が硬いサンダルやかかとの薄いフラットシューズは衝撃が直に伝わります。インソールは土踏まずが不自然に押し上げられないものを選び、痛みが増えるようなら使用を止めてください。

Q8: 家の中では裸足で過ごしてもよいですか?

痛みがあるあいだは、室内でもクッション性のある室内履きをおすすめします。フローリングを裸足で歩くと、着地の衝撃が直にかかとへ伝わり、日中の積み重ねが増えます。足元を替えるだけで、夕方の重だるさが変わることがあります。

Q9: セルフケアはいつから始めてよいですか?

痛みが強い急性期は避け、落ち着いてから、痛みが増えない範囲で始めます。足の裏をやさしく転がす動きから始め、慣れてきたらふくらはぎのストレッチを20〜30秒、タオルギャザーを10回ずつ加えます。伸ばして痛みが増える場合は手前で止めます。

Q10: 整体ではかかとの痛みにどうアプローチしますか?

こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で骨盤の傾きや重心の左右差、ひざの向きを確認し、足元だけでなく脚全体を含めて整えるGIFTメソッドでサポートします。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。

参考文献

  1. 日本整形外科学会「足底腱膜炎・かかとの痛み」一般向け解説.
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット(身体活動・運動と足腰の健康に関する解説).
  3. 日本足の外科学会「足部・足関節の痛み」一般向け情報.
  4. 安藝泰弘, 沖野一平, 津山元気, 谷津義康, 西条寿夫, 髙本考一(2025)「健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連」PLOS ONE 20(10): e0335268. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268

執筆・監修者

安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)。

1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年にPLOS ONE誌へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国の整体院グループ・年間延べ80万人来院規模へと育てた。

羽藤 泰三(はとう たいぞう)
整形外科医/医療法人奥山会
本記事の医学監修を担当。かかとの痛みで見逃したくないサインの見分け方と、足元のセルフケアの進め方を医学的視点から監修。