膝痛の筋トレ 鍛えるべき3つの筋肉と段階別6種目
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膝痛の筋トレ|鍛えるべき3つの筋肉と段階別6種目

この記事のポイント

膝が痛いときの筋トレは「どの筋肉を」「どの順番で」鍛えるかが重要です。やってはいけないNG種目と、段階別の安全なトレーニングを解説します。

膝痛に筋トレは効く?鍛えるべき3つの筋肉

膝痛改善 鍛えるべき3つの筋肉

一言でいうと:効く。ただし「大腿四頭筋を鍛える」だけでは不十分

膝痛に対する筋力トレーニングの有効性は、217件の臨床研究(計15,684名)を統合した2025年の分析で確認されています。ただし、整形外科でよく言われる「太ももの筋肉をつけてください」の「太もも」には4つの筋肉があり、優先的に鍛えるべきは「内側」です。さらに、膝だけでなく股関節と体幹を含む3つの筋肉をセットで鍛えることが重要です。

1. 太ももの内側 2. お尻の横 3. おなかまわり――この3つが優先です。

優先度 1

太ももの内側(内側広筋・VMO)

膝のお皿を内側から支える筋肉。ここが弱いとお皿が外にずれ、膝前面の痛みの原因に。膝痛で最初に弱る筋肉でもあり、最優先で鍛えるべきです。
優先度 2

お尻の横(中殿筋)

骨盤を安定させる筋肉。ここが弱いと歩行時に体が横に揺れ、膝が内側に入りやすくなります。研究では、股関節+膝の筋トレが膝だけの筋トレより有意に効果が高いと報告されています。
優先度 3

おなかまわり(体幹・腹横筋)

体の軸を安定させる筋肉。体幹が弱いと姿勢が崩れ、膝への負荷が偏ります。膝の筋トレの「土台」として不可欠です。

多くの記事が「大腿四頭筋を鍛えましょう」とだけ書いていますが、大腿四頭筋は4つの筋肉の総称です。その中でも膝痛に最も関係が深い内側広筋を意識して鍛えることがポイント。さらに、膝だけ鍛えても股関節が弱ければ膝は安定しません。

出典

Yan L et al. BMJ 2025;391:e085242(217RCT, 15,684名 NMA)-- 運動モダリティ比較で筋力強化が短期疼痛に最も有効。

Halabi MH et al. Musculoskeletal Care 2025;23:e70059 -- 股関節+膝の複合筋力強化が膝のみの筋力強化より疼痛(SMD=-1.29, P=0.0003)と機能(SMD=0.99, P=0.01)で有意に優れていた。

膝に負担をかけない段階別トレーニング6選

膝痛の筋トレ 痛みレベル別ガイド

一言でいうと:まず「体重をかけない」種目から。段階的に進める

Phase 1(非荷重)→ Phase 2(軽荷重)の順で進めてください。

Phase 1 ― 非荷重(まずはここから)

体重をかけずに筋肉だけを動かす種目。膝の痛みが強い方、筋トレ初心者の方はここから始めてください。

1. 四頭筋セッティング(パテラセット)|寝ながら

対象:太ももの内側(内側広筋)

  1. 仰向けに寝て、膝の下に丸めたタオルを置く
  2. タオルを膝裏で押しつぶすように力を入れる
  3. 太ももの内側に力が入る感覚を確認しながら5秒キープ
  4. 力を抜いて3秒休む

20回 × 1日2セット

膝痛筋トレの基本中の基本。膝を曲げずに太ももの筋肉を鍛えられるため、痛みが強い方でもできます。

2. SLR(脚上げ)|寝ながら

対象:太ももの前面(大腿四頭筋全体)

  1. 仰向けに寝て、片方の膝を立てる
  2. もう片方の膝をまっすぐ伸ばしたまま、床から10cmほど上げる
  3. 5秒キープ → ゆっくり下ろす

左右各20回 × 1日2セット

つま先を自分に向ける(背屈)と内側広筋がより効きます。膝を曲げないので関節への負担はほぼゼロ。

3. 横向き股関節外転(中殿筋トレ)|寝ながら

対象:お尻の横(中殿筋)

  1. 横向きに寝て、下の膝を軽く曲げて安定させる
  2. 上の脚を膝を伸ばしたまま、かかとから天井に向けて上げる
  3. お尻の横に力が入る感覚で5秒キープ → ゆっくり下ろす

左右各15回 × 1日2セット

つま先が天井を向くと太もも前面が使われてしまいます。かかとから上げるのがコツ。片足立ちでふらつく方は特に重要。

Phase 2 ― 軽荷重(Phase 1が痛みなくできたら)

Phase 1が痛みなくできるようになったら、軽く体重をかける種目へ進みます。

4. 椅子での膝伸展|座ったまま

対象:太ももの内側(内側広筋)

  1. 椅子に深く座り、背すじを伸ばす
  2. 片脚の膝をゆっくり伸ばしながら上げる(水平まで)
  3. 膝が伸びきったところで5秒キープ → ゆっくり下ろす

左右各15回 × 1日1セット

最後の「膝を伸ばしきる」瞬間に内側広筋が最も強く働きます。この最後の5度が最重要。

5. クッション挟みスクイーズ|座ったまま

対象:内もも(内転筋群)+内側広筋

  1. 椅子に座り、両膝の間にクッションやタオルを挟む
  2. 内ももでクッションをギュッと挟む
  3. 5秒キープ → 力を抜いて3秒休む

20回 × 1日1セット

テレビを見ながらでもできる「ながらトレーニング」。O脚の方に特におすすめです。

6. ヒップリフト(ブリッジ)|寝ながら

対象:お尻(大殿筋)+体幹(腹横筋)

  1. 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げ、足裏を床につける
  2. おなかに力を入れながら、お尻をゆっくり持ち上げる
  3. 太ももから胸まで一直線になったところで3秒キープ
  4. ゆっくり下ろす

15回 × 1日1セット

お尻が上がりきったときに、膝が内側に入らないよう注意。腰を反りすぎないよう、おなかの力で体を支えてください。

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毎日筋トレしても膝痛が変わらない理由

膝痛の筋トレ 週3回ルーティン

一言でいうと:膝が痛いと、脳が太ももの筋肉に「ブレーキ」をかけている

痛みがある状態では、脳が筋肉の出力を抑制します。まず痛みを取ることが先です。

膝痛で筋トレが効かない「隠れた原因」

膝に痛みや炎症があると、脳が太ももの筋肉に「力を出すな」という信号を送り続けます。これは体を守るための防御反応ですが、結果として「鍛えているのに筋肉がつかない」状態が生まれます。専門的には「関節原性筋抑制」と呼ばれ、膝痛の障害度を左右する重要な因子です。

1
現状
膝に痛みがある
2
脳の反応
太ももの筋肉に「力を出すな」と命令
3
結果
いくらSLRをやっても、筋肉が十分に働かない
4
悪循環
筋力が回復しない → 膝が不安定 → 痛みが続く

この悪循環を断ち切るには、まず痛みを取ってから筋トレに入るという順序が重要です。整体で膝の痛みを和らげ、脳のブレーキを解除した状態で筋トレを行うことで、初めて筋力が回復し始めます。

こころ整体院では、GIFTメソッドによる手技で痛みを和らげた上で(Phase 1)、筋力回復のサポート(Phase 2)に進みます。

血流制限トレーニング(BFR)という選択肢

膝に痛みがある方が通常の筋トレで十分な負荷をかけるのは困難です。血流制限トレーニング(BFR)は、専用のカフで太ももの血流を適度に制限した状態で軽い運動を行う方法です。膝に優しい低負荷でありながら、通常の高負荷筋トレに匹敵する筋力向上効果が報告されています。

20%
通常の負荷でOK
高負荷と同等の効果

こころ整体院では、BFRを活用した膝痛ケアを行っています。「鍛えたいのに膝が痛くて鍛えられない」というジレンマを解消する方法として、多くの方にご利用いただいています。

出典

Rice DA, McNair PJ. Quadriceps arthrogenic muscle inhibition: neural mechanisms and treatment perspectives. Semin Arthritis Rheum 2010;40:250-266 -- AMIの機序と臨床的意義のレビュー。

Centner C et al. Effects of blood flow restriction training on muscular strength and hypertrophy in older individuals: a systematic review and meta-analysis. Sports Med 2019;49:233-249 -- 低負荷BFRは高負荷RTに匹敵する筋力・筋肥大効果。

Jiang Y et al. PLOS ONE 2024;19:e0309950 -- 等速性>等張性>等尺性の順だが、等尺性でも有効。段階的移行を推奨。

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膝が痛いときにやってはいけない筋トレ

一言でいうと:膝を深く曲げて体重をかける種目はNG

フルスクワット・フルレンジランジ・ジャンプ系は避けてください。

✕ 深いスクワット(90度以上の膝屈曲)
膝関節にかかる圧力が体重の7〜8倍に達します。膝に痛みがある方にはリスクが大きすぎます。やるならハーフ(30度程度)まで。
✕ フルレンジのランジ
前膝がつま先より大きく前に出ると、膝蓋大腿関節への負荷が急増します。膝が痛い状態では避けてください。
✕ 重いレッグエクステンション(マシン)
膝が伸びきる手前で膝蓋腱に大きな負荷がかかります。自重での椅子膝伸展(Phase 2の4番目)で十分です。
✕ ジャンプ系トレーニング
着地時に膝に体重の数倍の衝撃がかかります。膝痛がある状態では絶対に避けてください。

筋トレの前に整形外科を受診すべき状態

  • 膝が腫れている・熱を持っている
  • 膝がロック(曲がらない・伸ばせない)する
  • 安静時にもズキズキ痛む
  • 膝がぐらつく・力が抜ける感覚がある

上記に該当する場合は、筋トレの前に整形外科で診てもらうことをおすすめします。こころ整体院は医療法人奥山会と連携しており、必要に応じて整形外科をご紹介しています。

膝痛の筋トレに関するよくある質問

膝痛の筋トレについて、多く寄せられるご質問にお答えします

1日何回やればいいですか?
Phase 1は1日2回、Phase 2は1日1回が目安です。Phase 1(非荷重)は各種目10〜20回を1日2回。Phase 2(軽荷重)は各種目10〜15回を1日1回。週3〜5日で継続することが大切です。「毎日やらなきゃ」と気負わず、2日以上空けなければOKです。
膝が痛くてもスクワットはしていいですか?
フルスクワットはNG。浅いハーフスクワットから慎重に。膝に痛みがある状態での深いスクワットは推奨しません。まずPhase 1の非荷重メニューから始め、痛みなくできるようになってから、壁に手をついた浅いハーフスクワット(膝を30度程度まで)に進むのが安全です。
ストレッチと筋トレ、どちらを先にやるべきですか?
ストレッチが先です。硬い筋肉を伸ばして関節の動きを確保してから、弱い筋肉を鍛えるのが正しい順序です。膝痛のストレッチの記事で具体的な種目を紹介しています。
血流制限トレーニング(BFR)とは何ですか?
低負荷で筋力を効率よく鍛える方法です。専用のカフで太ももの血流を適度に制限した状態で軽い運動を行うトレーニング法です。通常の20%程度の負荷で、高負荷筋トレと同等の筋力向上効果が報告されています。膝が痛くて通常の筋トレができない方に適しています。こころ整体院ではBFRを活用した膝痛ケアプログラムをご提供しています。
整体と筋トレはどう組み合わせるのがよいですか?
「まず痛みを取る → 次に鍛える」の順序が理想です。痛みがある状態では脳が筋肉にブレーキをかけてしまうため、まず整体で痛みを和らげることが筋トレの効果を最大化する鍵です。こころ整体院では、GIFTメソッドで痛みを和らげた上で、あなたの膝の状態に合った筋トレメニューを個別に設計します。

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安藝泰弘
監修:安藝 泰弘
givers Holdings CEO / 常務理事, 医療法人奥山会
臨床経験28年・施術実績15万人超 / 年間約80万人来院
givers Holdings 全165拠点運営(こころ整体院125院 他)
国際論文誌掲載論文著者 / 東亜大学大学院 博士課程在籍
柔道整復師(国家資格)/ 医療法人奥山会 常務理事(整形外科・メンタルクリニック経営)
→ 研究実績を見る
萩原三郎
監修:萩原 三郎
NATA公認ATC / メソッド監修
メジャーリーグ球団で10年間プロ選手のコンディショニングに従事
2016年アパラチアンリーグ年間最優秀アスレティックトレーナー受賞
NATA公認ATC(全米アスレティックトレーナーズ協会認定)
トレーニングメソッド考案
自社チーム 新宿givers(3×3女子バスケ/2026年日本選手権ベスト4)
神奈川フューチャードリームス(野球)・渋谷シティFC(サッカー)(2024年・2025年優勝)トレーナー
横浜DeNAベイスターズ子供部門へのトレーナー派遣
NATA公認ATC MLB球団10年 リーグ最優秀AT
参考文献

Yan L et al. BMJ 2025;391:e085242 -- 217RCT, 15,684名のネットワークメタアナリシス。運動モダリティ比較で筋力強化が短期疼痛に最も有効。

Halabi MH et al. Musculoskeletal Care 2025;23:e70059 -- 股関節+膝の複合筋力強化が膝のみの筋力強化より疼痛・機能で有意に優れていた。

Rice DA, McNair PJ. Semin Arthritis Rheum 2010;40:250-266 -- 関節原性筋抑制(AMI)の機序と臨床的意義のレビュー。

Centner C et al. Sports Med 2019;49:233-249 -- 低負荷BFRは高負荷レジスタンストレーニングに匹敵する筋力・筋肥大効果。

Jiang Y et al. PLOS ONE 2024;19:e0309950 -- 等速性>等張性>等尺性の順だが、等尺性でも有効。段階的移行を推奨。

※本ページの内容は、一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、特定の疾患に対する診断・治療を行うものではありません。症状が重い場合や、急な膝の腫れ・ロッキング・膝崩れがある場合は、まず医療機関を受診してください。

※「改善」「緩和」等の表現は施術による一般的な体感の変化を示すものであり、効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

※本ページは2025年2月18日施行の厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」ガイドラインおよび景品表示法に準拠して作成しています。

最終更新日:2026年3月27日|監修:安藝泰弘(医療法人奥山会常務理事・柔道整復師・東亜大学大学院博士課程)、萩原三郎(NATA公認ATC)

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