足首を捻挫した直後から2日ほどは、温める・お酒を飲む・揉む・ぐるぐる回す・痛みを我慢して歩き回る・足を下げたまま過ごすの6つを避けてください。 ひねった足首は、最初の数日で腫れが増えやすいとされています。この時期に血の巡りを急に強める行動や、傷ついた組織を引き伸ばす動きを重ねると、腫れが長引いて動かし始めが遅れます。代わりに行うのは、冷やす・きつすぎない程度に支える・足を心臓より高く置くの3つです。腫れが落ち着いてきたら、痛みの出ない範囲で小さく動かし始め、歩けるようになったら片足立ちで立て直す練習へ進みます。あわせて、数日たってから遠回りになりやすい3つの判断(一気に元へ戻す・固め続ける・痛みが消えたら練習をやめる)も整理しました。
こちらは全国125店舗のこころ整体院グループによる、足首をひねったあとの過ごし方の解説記事です。けがそのものの評価は医療機関が担います。整体院では、かばって歩いた期間に生まれやすい膝・股関節・姿勢の左右差を、AI姿勢分析とGIFTメソッドで確かめていきます。
足首を捻挫したらやってはいけないことは?
ひねった直後から2日ほどは、温める・お酒・揉む・回す・歩き回る・足を下げ続けるの6つを避け、冷やして足を高く置いてください。 この6つは、腫れを増やすか、傷ついた組織をもう一度引き伸ばす方向に働きます。
足首の捻挫の多くは、足の裏が内側を向くようにひねり、くるぶしの外側の前あたりにある靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な帯)が引き伸ばされて起こります。ひねった直後は痛みが軽く感じても、数時間から翌日にかけて腫れや内出血が広がってくることが珍しくありません。公益社団法人 日本整形外科学会も、捻挫を一般向けに解説しています。最初の数日をどう過ごすかで、その後の動かし始めやすさが変わります。下の表に、直後から2日ほどのあいだに避けたい6つと、その理由・代わりにやることをまとめました。
| 避けたいこと | なぜ遠回りになるか | 代わりにやること |
|---|---|---|
| ① 長湯・サウナ・カイロで温める | 血の巡りが急に強まり、腫れや熱っぽさが増えやすい | 2日ほどは短いシャワーで済ませ、足首は湯につけない |
| ② お酒を飲む | 血管が広がり、腫れや内出血が広がりやすい。痛みに気づきにくくなる | 腫れが引き始めるまで控える |
| ③ 痛む所を揉む・強く押す | 傷ついた組織へさらに刺激を足すことになる | 痛む所には触れず、タオル越しに冷やす |
| ④ ぐるぐる回す・伸ばして確かめる | ひねった方向へもう一度引き伸ばす動きになる | 2日ほどは足の指を軽く動かす程度にとどめる |
| ⑤ 痛みを我慢して普段どおり歩き回る | 体重のたびに負担がかかり、かばう歩き方も始まる | 歩く量を用事の分だけに絞り、支えを使う |
| ⑥ 足を下げたまま長時間過ごす | 水分が足先へたまり、夕方ほど腫れが増す | 座るときも寝るときも、足を心臓より高く置く |
6つに共通しているのは、「早く確かめたい」「いつもどおりに戻したい」という気持ちから出てくる行動だという点です。ひねった当日は、どこまで動くか、どれくらい痛いかを確かめたくなります。この確かめる動作そのものが、腫れが増えやすい時期の負担になります。最初の2日は「確かめない」ことを決めておくと、遠回りが減ります。
最初の数日が分かれ道になるのはなぜ?
ひねった組織のまわりでは、最初の数日、腫れや熱っぽさが増えていく反応が続くとされています。この反応は体が傷ついた場所を守ろうとする自然な流れで、なくすことはできません。できるのは、余計に大きくしないことです。温める・お酒・揉む・回す・歩き回る・足を下げ続けるは、いずれもこの反応を上乗せする側に働きます。反対に、冷やす・支える・高く置くは、反応が必要以上に広がらないように支える側です。腫れが小さく収まるほど、次の時期に足首を動かし始めるのが早くなります。ひねったあとの経過をまとめた総説でも、痛みは最初の2週間で大きく和らぐ方が多い一方、1年たっても痛みや不安定さが残る方が一定数いることが報告されています(van Rijn ら, 2008)。最初の数日を丁寧に過ごすことは、その後を左右する土台づくりです。
⚠️ こんなときは医療機関へ|足首をひねったあとに見逃したくないサイン
足首の捻挫の多くは靭帯が引き伸ばされたけがで、時期に合った過ごし方で落ち着いていくことが多いと考えられています。一方で、次のようなサインがあるときは、骨や腱を含む別のけがが隠れていることがあります。この場合は、ご自分で時期を見分けるより先に、医療機関で評価を受けてください。
- ひねった直後もその後も、痛む足に体重をかけて4歩続けて歩けない
- くるぶしの後ろ側の縁や先端を指で軽く押すと、はっきり痛む
- 足の外側の真ん中あたりにある骨の出っ張り(小指側の付け根の手前)や、足の甲の内側を押すと痛む
- 足首の形が変わって見える/ひねったときに「バキッ」「ブチッ」という音がした
- 足先がしびれる・冷たい・色が悪い、指が動かしにくい
- 腫れが急に大きくなる、内出血が足の裏やかかとまで広い範囲に広がる
- かかとの上(アキレス腱のあたり)にへこみがあり、つま先立ちができない
- 数日たっても腫れが引き始めず、痛みが日ごとに強くなっている
- 成長期のお子さま、骨がもろくなりやすい年代の方、くり返し同じ足首をひねっている方
とくに「4歩続けて歩けない」「くるぶしの後ろ側や先端を押すと痛い」「足の外側の骨の出っ張りを押すと痛い」の3つは、骨折のサインのことがあります。骨折を見落とさないための目安として、こうした押したときの痛みと歩けるかどうかを確かめる方法が国際的に研究されています(Bachmann ら, 2003)。歩けるからといって骨が無事とは限りませんので、当てはまる方は自己判断で様子を見ず、整形外科などの医療機関でご相談ください。ここで動く範囲を確かめようと足首を何度も回したり、痛む所を強く押し込んだりするのは避けたい対応です。
これらに当てはまらず、「ひねった覚えがはっきりあり、腫れはあるが体重をかけて歩ける」という出方であれば、この記事の時期別の過ごし方を参考にしてください。判断に迷うときは、我慢して続けずにご相談ください。
捻挫した足首、いまはどの時期?あなたはどのタイプ?
ひねってからの日数ではなく、腫れと熱っぽさ、体重をかけたときの痛みで、いまの時期を3つに分けます。 同じ「捻挫して3日目」でも、時期は人によって違います。
確かめ方は3つです。①ひねった側と反対側のくるぶしまわりを見比べ、腫れが昨日より大きいか小さいかを見ます。②手のひらを両方の足首に当てて、熱っぽさに差があるかを確かめます。③壁に手を添えて、ひねった側に半分だけ体重を乗せ、痛みが出るかを見ます。 どれも動かして確かめるのではなく、見る・触れる・そっと乗せるだけです。結果を下の表と照らし合わせてください。
| 確かめる目安 | ① 腫れが増える時期 (守る) |
② 落ち着き始める時期 (小さく動かす) |
③ 油断しやすい時期 (立て直す) |
|---|---|---|---|
| 日数の目安 | ひねった当日〜2日目ごろ | 3日目〜1週間ごろ | 普段どおり歩けるようになったころ |
| 腫れ | 昨日より大きい/夕方ほど増す | 昨日より小さい。内出血の色が黄色っぽく変わる | ほとんど目立たない |
| 熱っぽさ | 反対側よりはっきり温かい | 差が小さくなっている | 差がない |
| 半分だけ体重を乗せると | ズキッと響く | 鈍い痛みがあるが乗せられる | ほぼ平気。片足立ちはふらつく |
| その日の最初の一手 | 🔴 冷やす・支える・高く置く | 痛みの出ない範囲で上下に小さく動かす | 片足立ちで立て直す練習を足す |
2つの列にまたがると感じたら、「腫れが昨日より大きいか」の1行を優先してください。ここが「大きい」なら、日数にかかわらず①の過ごし方に戻ります。時期は一方通行ではなく、無理をした翌日に①へ戻ることもあります。なお、赤旗の項目に当てはまるものがあるときは、時期分けより先に医療機関での評価が必要です。
タイプ①:腫れが昨日より大きい「腫れが増える時期」(守る)
ひねった当日から2日目ごろに多い時期です。くるぶしの外側の前から下にかけてふくらみ、触れると反対側より温かく、足を下ろしていると夕方ほど腫れが増します。特徴は、じっとしていてもズキズキすることがあり、体重を半分乗せるだけで響くことです。この時期の目標は「早く動かすこと」ではなく、腫れを余計に大きくしないことです。表の6つのNGが、もっとも遠回りにつながる時期でもあります。動けない時間が長くなるので、座り方や寝る姿勢から腰に重さを感じる方もいます。
タイプ②:腫れが引き始めた「落ち着き始める時期」(小さく動かす)
3日目から1週間ごろに多い時期です。腫れが昨日より小さくなり、内出血の色が紫から黄色っぽく変わって、かかとの方へ下りてくることもあります。特徴は、鈍い痛みは残るが、体重を半分なら乗せられることです。この時期にずっと固めて動かさないでいると、足首が反る角度が戻りにくくなります。痛みの出ない範囲で、上下に小さく動かし始めるのがこの時期の仕事です。かばって歩く日が続くと、反対側の膝に張りが出ることもあります。
タイプ③:痛みが引いて歩ける「油断しやすい時期」(立て直す)
普段どおり歩けるようになったころの時期です。腫れも熱っぽさもほとんど目立たず、「もう大丈夫」と感じやすくなります。特徴は、歩くぶんには平気なのに、片足で立つとふらつく、でこぼこ道で足首が心もとないことです。足首が地面の傾きを感じ取って立て直す働きは、痛みが消えたあとも戻りきっていないことがあります。この時期に元の運動量や高いヒールへ一気に戻すと、同じ方向へまたひねりやすくなります。運動を再開したい方は、ランナー膝のページにある走る量の戻し方も参考になります。
【自分でできる】時期別の過ごし方と、動かし始める量の決め方
その日の時期に合う1つを、決めた量だけ行います。時期より先の内容を足さないことが、いちばんの近道です。 道具はタオル・保冷剤・クッション・壁だけで足ります。
3つに共通しているのは、痛む所を指で押し込まないことと、痛みが増える手前で止めることです。「少し痛いくらいがちょうどよい」と考えて痛みを越えて動かすと、翌日に腫れが戻り、①の時期へ逆戻りします。判定は翌朝に1回、腫れと体重を半分乗せたときの痛みで行います。
1. 腫れが増える時期|冷やす・支える・足を高くする(当日〜2日目ごろ)
- 保冷剤や氷を袋に入れ、薄いタオルで包んでくるぶしの外側に当てます。1回15〜20分、肌が冷えすぎたら外します。
- 冷やしたら1〜2時間ほど間を空け、起きているあいだに数回くり返します。
- サポーターや包帯で、きつすぎない程度に足首を支えます。足先がしびれる・冷たい・色が悪くなるときは、すぐにゆるめます。
- 座るときも寝るときも、ふくらはぎの下にクッションを入れ、足首を心臓より高い位置に置きます。
この時期は「何かをして良くする」より、「余計に大きくしない」ことに集中します。応急の過ごし方としては、安静・冷却・圧迫・挙上の頭文字をとったRICEが広く知られています。保冷剤を肌に直接当て続けると冷えすぎるので、必ずタオルを1枚はさみます。足の指は、痛みが出ない範囲でグーとパーを10回ほどゆっくり動かしておくと、足先の巡りが滞りにくくなります。足首そのものは回しません。トイレや食事などの用事以外は、歩く量を絞ってください。
2. 落ち着き始める時期|痛みの出ない範囲で上下に動かす(1日3回まで)
- 椅子に浅く座り、ひねった側の足を床から少しだけ浮かせます。
- つま先をゆっくり上へ反らし、ゆっくり下へ伸ばします。痛みが出る手前で止めて10往復。
- 足の指でグーとパーを10回。床に置いたタオルを指でたぐり寄せる動きでもかまいません。
- 最後に足を高く置いて、5分ほど休みます。
動かすのは上下の方向だけです。内側へ返す動きは、ひねった方向と同じなので、この時期はまだ入れません。ぐるぐる回すのも同じ理由で避けます。要点は「痛みの手前で止めて、回数だけを確保する」こと。1日3回まで、1回3分と決め、楽になったからといって回数を足さないでください。入浴は、腫れと熱っぽさが引いてきたら短めの湯船から戻し、翌朝に腫れが増えていないかを確かめます。動かしたあとに腫れが戻る日は、①の過ごし方に1日戻します。
3. 歩けるようになった時期|片足立ちで立て直す練習(1日2回まで)
- 壁やテーブルの横に立ち、片手を軽く添えます。
- ひねった側の足で片足立ちになり、30秒保ちます。ふらついたら手で支えてかまいません。
- 慣れてきたら、添える手を指1本にし、次に手を離して30秒を目指します。
- 反対側の足でも同じように行い、左右のふらつき方を見比べます。
痛みが消えたあとに残りやすいのは、足首が地面の傾きを感じ取って、とっさに立て直す働きです。片足立ちは、この働きを取り戻す基本の練習です。ひねったあとの経過をまとめた総説では、再びひねる方の割合が報告によって3〜34%と幅があるとされており(van Rijn ら, 2008)、痛みが消えた時点で終わりにしないことが大切です。1日2回まで、左右それぞれ30秒を3回を目安にし、ふらつきの左右差が小さくなるまで続けます。片足立ちで体が外側へ流れやすい方は、骨盤の傾きが関わっていることもあります。
4. 歩いていい?靴と階段はどうする?
赤旗に当てはまらず体重をかけて歩けるなら、用事の分だけ歩くのはかまいません。一方で、①の時期に散歩や買い物で長く歩くのは避けます。靴は、かかとが安定した低い靴を選びます。サンダルやヒールのある靴は、足首が内側へ倒れやすく、同じ方向へもう一度ひねる原因になります。階段は、上るときは痛くない側の足から、下りるときはひねった側の足から下ろし、手すりを使います。段差の多い道や、でこぼこした道は③の時期まで後回しにします。かばって歩く日が長くなると、股関節や腰に重さが移ることがあるため、歩く距離は短く区切ってください。
【詳しく知りたい方へ】ひねった足首で起きていることの医学的メカニズム
足首の捻挫は、外側の靭帯が引き伸ばされること・最初の数日に腫れが増えること・立て直す感覚が鈍ることの3つが重なっており、時期によって手を入れる場所が変わります。 背景を3つに分けて見ていきます。
1. 内側へひねると、外側の靭帯が引き伸ばされる
足首は、すねの骨と足の骨が組み合わさった関節で、外側と内側をそれぞれ靭帯が支えています。外側の靭帯は内側に比べて細く、足の裏が内側を向く方向へひねると、くるぶしの外側の前にある靭帯から引き伸ばされやすいと考えられています。直後の数日に「ぐるぐる回す」「内側へ返して確かめる」が遠回りになるのは、この靭帯をもう一度同じ方向へ引っぱることになるためです。日本整形外科学会も、足関節に起こる症状を一般向けに解説しています。なお、押したときの痛みがくるぶしの骨そのものや足の外側の骨の出っ張りにある場合は、靭帯ではなく骨のけがのサインのことがありますので、自己判断で進めず医療機関で評価を受けてください。
2. 腫れは最初の数日に増え、その後ゆっくり引いていく
ひねって組織が傷つくと、その場所を守るために血液や水分が集まり、腫れや熱っぽさとなって現れます。この反応は最初の数日のあいだ強まり、その後ゆっくり引いていくのが一般的な流れです。温める・お酒・足を下げ続けるは集まる量を増やす側に、冷やす・支える・高く置くは広がりすぎないように支える側に働きます。腫れが引き始めたあとは、ずっと固めておくより、痛みの出ない範囲で小さく動かすほうが、足首が反る角度を取り戻しやすいとされています。時期によって「守る」と「動かす」が入れ替わるのは、この流れに合わせるためです。
3. 立て直す感覚と、姿勢の左右差が土台にある
靭帯には、足首がいまどの向きにあるかを感じ取る働きもあります。ひねったあとはこの感覚が鈍り、痛みが消えても片足立ちでふらつく状態が残ることがあります。そのまま元の運動に戻ると、同じ方向へまたひねりやすくなります。あわせて、かばって歩いた期間に体重のかけ方が片側へ寄り、その偏りが姿勢のクセとして残ることもあります。こころ整体院グループの創業者である安藝泰弘が筆頭著者として2025年にPLOS ONEへ発表した研究では、健康な成人における安静時の肩甲骨位置の非対称性と、僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連が報告されました。上半身で確かめられたこの左右差の考え方は、片側へ体重を逃がしてきた下半身にも同じようにあてはまります。AI姿勢分析では、骨盤の傾き・背骨のカーブ・肩の左右差を数値と画像で確かめ、どこから手をつけると続けやすいかを一緒に考えていきます。
GIFTの視点:揉まない・押さない、ひねったあとの体へのアプローチ
こころ整体院グループのGIFTメソッドは「揉まない・押さない・整える」を基本に、かばって歩いた期間に体へ残った姿勢のクセを整えます。 GIFTメソッドは、Gliding(なでるように動かす)・Inner(深部へのアプローチ)・Form(姿勢・フォームを整える)・Trigger(こり固まったポイントへの働きかけ)の頭文字で、強く押しほぐすのではなく、動きの担当を戻していく整え方です。ひねった足首のけがそのものの評価と対応は医療機関が担います。腫れや熱っぽさがある時期の足首に、整体院で強い刺激を加えることはありません。
整体院で確かめるのは、足首の痛みが落ち着いたあとに残りやすい体全体のバランスです。片足立ちでどちらへ流れるか、立ったときに体重がどちらへ寄っているか、骨盤や肩の高さに左右差が出ていないか——かばって歩いた数週間のあいだに、膝・股関節・腰へ仕事が回っていることは珍しくありません。こころ整体院グループは「大学と共同研究する整体院」として、東亜大学との共同研究の成果を国際学術誌 PLOS ONE(2025年)に発表しています。全国125店舗・口コミ20,000件以上・全院平均4.8のグループとして、断定はせず、AI姿勢分析で見えたズレをもとに一緒に順番を決めていきます。なお研究は状態を理解するためのもので、特定の結果をお約束するものではありません。
⚠️ やってはいけない!捻挫して数日たってからの3つのNG行動
冒頭の6つは、ひねった直後から2日ほどのNGでした。ここで挙げるのは、腫れが落ち着いてきた数日後からつまずきやすい3つの判断です。
NG①:腫れが引いた日から、元の運動量やヒールへ一気に戻す
「腫れが引いた=元どおり」と考えて、その日から部活動・ランニング・ヒールのある靴へ戻ってしまう形です。腫れが引いたことは、時期が②へ進んだ合図であって、③を飛ばしてよい合図ではありません。この記事では、片足立ちを30秒ふらつかずに保てることを、戻す前の目安にしています。保てないうちに運動へ戻ると、立て直す働きが追いつかず、同じ方向へまたひねりやすくなります。戻すときは、歩く→早歩き→軽く走る→方向転換の順に、1段ずつ数日かけて進めます。途中で腫れが戻った日は、1段前へ戻ります。
NG②:サポーターやテーピングで固め続けて、動かさない日を延ばす
支えると安心できるので、腫れが引いたあとも一日中固めたまま、足首を動かさない日が続いてしまう形です。①の時期に支えることは大切です。一方で、②の時期を過ぎても固め続けると、足首が反る角度が戻りにくくなり、立て直す感覚も鈍ったままになります。目安として、家の中では外して上下の運動を入れ、外出や運動のときだけ使う形へ切り替えます。外す日を決めずに使い始めると、外すきっかけを失います。この記事では「片足立ちが30秒保てたら、家では外す」を目安にしています。使い始めるときに決めておいてください。
NG③:痛みが消えた時点で、片足立ちの練習をやめる
いちばん多い形です。痛みが消えると、足首のことを考えなくなるのは自然なことです。気をつけたいのは、痛みが消えることと、立て直す働きが戻ることは別だという点です。ひねったあとの経過をまとめた総説でも、1年たっても不安定さが残る方がいると報告されています(van Rijn ら, 2008)。痛みが消えてからも、ふらつきの左右差が小さくなるまでは、1日2回の片足立ちを続けます。歯みがきや電子レンジを待つ時間に組み込むと、続けやすくなります。何度も同じ足首をひねる方や、ふらつきの左右差が縮まらない方は、我慢して続けずにご相談ください。
まとめ
足首を捻挫した直後から2日ほどは、長湯やカイロで温める、お酒を飲む、痛む所を揉む、ぐるぐる回して確かめる、痛みを我慢して歩き回る、足を下げたまま過ごすの6つを避けてください。代わりに、タオルで包んだ保冷剤で1回15〜20分冷やし、きつすぎない程度に支え、足首を心臓より高く置きます。腫れが昨日より小さくなってきたら、痛みの手前で止める上下の動きを1日3回まで。歩けるようになったら、片足立ちを1日2回まで続けます。時期はひねってからの日数ではなく、腫れ・熱っぽさ・体重を半分乗せたときの痛みで決め、腫れが戻った日は1つ前の時期へ戻ります。数日たってからは、元の運動やヒールへ一気に戻す、固め続ける、痛みが消えたら練習をやめるの3つに気をつけてください。4歩続けて歩けない、くるぶしの後ろ側や足の外側の骨の出っ張りを押すと痛いといったときは、早めに医療機関へご相談ください。足首が落ち着いたあとも膝や腰の重さ、片足立ちのふらつきが残る方は、こころ整体院グループのお近くの院で、AI姿勢分析を起点に体重のかけ方と姿勢の左右差を確かめてみてください。
よくある質問(FAQ)
ひねった当日から2日ほどは、湯船につかる長湯やサウナは避け、短いシャワーで済ませてください。温まると血の巡りが急に強まり、腫れや熱っぽさが増えやすくなります。シャワーのときも、ひねった足首に長く湯を当てないようにします。腫れが昨日より小さくなり、熱っぽさの左右差が縮まってきたら、短めの湯船から戻してかまいません。湯船に戻した翌朝に腫れが増えていたら、もう1日シャワーに戻してください。
腫れが増えやすい当日から2日ほどは控えてください。お酒は血管を広げるため、腫れや内出血が広がりやすくなります。あわせて、酔うと痛みに気づきにくくなり、ひねった足で普段どおり歩き回ったり、段差でもう一度踏み外したりしやすくなります。腫れが引き始めてから少量に戻し、翌朝の腫れを確かめてください。
腫れと熱っぽさが増えている当日から2日ほどが中心です。タオルで包んだ保冷剤を1回15〜20分当て、1〜2時間ほど間を空けて起きているあいだに数回くり返します。腫れが昨日より小さくなり、熱っぽさの左右差が縮まってきたら、冷やす回数を減らしていきます。冷やしすぎて肌が赤くなる・感覚が鈍くなるときはすぐに外してください。寝ているあいだに当てっぱなしにするのは避けます。
湿布を貼っていても、歩き回る・足を下げ続けるといった過ごし方をすれば、腫れは増えやすくなります。湿布は過ごし方の代わりにはなりません。当日から2日ほどは、湿布の有無にかかわらず、歩く量を用事の分だけに絞り、座るときも寝るときも足首を心臓より高く置いてください。冷やすときは湿布ではなく、タオルで包んだ保冷剤を使うほうが冷やす時間を管理しやすくなります。
腫れが増えている時期は避けてください。足首をぐるぐる回すと、ひねった方向(足の裏が内側を向く方向)へもう一度引き伸ばす動きが含まれます。腫れが引き始めてからも、まずは上下の方向だけを痛みの手前まで動かし、内側へ返す動きや回す動きは、歩けるようになって片足立ちが安定してから少しずつ加えます。動きを確かめたい気持ちは自然ですが、確かめる回数を決めておくと遠回りを防げます。
腫れが増えている時期は、きつすぎない程度に支えて過ごします。腫れが引き始めたら、家の中では外して上下の運動を入れ、外出や運動のときだけ使う形へ切り替えます。この記事では、ひねった側で片足立ちを30秒ふらつかずに保てることを、家で外す目安にしています。運動に戻ってしばらくのあいだは、運動するときだけ使い、片足立ちの練習と組み合わせてください。足先がしびれる・冷たい・色が悪いときは、すぐにゆるめます。
日数ではなく、足首の状態で決めます。この記事では、普段どおり歩けて腫れが戻らず、ひねった側で片足立ちを30秒保てることを、戻し始める目安にしています。そこから、早歩き→軽く走る→方向転換やジャンプの順に、1段ずつ数日かけて進めます。途中で腫れや痛みが戻った日は、1段前へ戻ります。医療機関で評価を受けている方は、その指示を優先してください。
痛みが消えても、足首が地面の傾きを感じ取ってとっさに立て直す働きが戻りきっていないことが、背景の1つと考えられています。ひねったあとの経過をまとめた総説でも、再びひねる方の割合が報告によって3〜34%と幅があるとされています。痛みが消えてからも片足立ちを続け、左右のふらつき方の差が小さくなるまで練習してください。くり返しひねっている方は、一度医療機関で足首の状態を確かめておくと安心です。
この記事では、片足立ちを30秒ふらつかずに保て、でこぼこ道を歩いても足首の心もとなさを感じなくなることを目安にしています。ヒールのある靴は、かかとが高い分だけ足首が内側へ倒れやすく、ひねった方向と同じ向きに負担がかかります。戻すときは、低めで太いヒールから短い時間で始め、長く歩く日は低い靴を持ち歩くと安心です。
足首が痛いあいだは、ひねった側へ体重をかけないよう、反対側の脚や腰で支える歩き方になりやすくなります。この歩き方が数週間続くと、膝・股関節・腰に本来の分担以上の仕事が回り、重さとして感じられることがあります。足首が落ち着いてきたら、片足立ちで左右のふらつき方を見比べ、体重が片側へ寄っていないかを確かめてください。重さが長く続く場合は、姿勢全体の左右差を一度確かめておくと、どこから手をつけるかが決めやすくなります。
足首のけがそのものの評価と対応は医療機関が担います。こころ整体院グループでは、足首の痛みが落ち着いたあとに残りやすい体全体のバランスを確かめます。AI姿勢分析で骨盤の傾き・背骨のカーブ・肩の左右差を確認し、かばって歩いた期間に膝や腰へ回った負担を、揉まない・押さないGIFTメソッドで整えていきます。腫れや熱っぽさがある時期の足首に強い刺激を加えることはありません。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。
参考文献
- 公益社団法人 日本整形外科学会「捻挫」症状・病気をしらべる. joa.or.jp
- 公益社団法人 日本整形外科学会「足関節の症状」一般向け解説. joa.or.jp
- van Rijn RM, van Os AG, Bernsen RM, Luijsterburg PA, Koes BW, Bierma-Zeinstra SM. "What is the clinical course of acute ankle sprains? A systematic literature review." The American Journal of Medicine, 2008; 121(4): 324-331.e6. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- Bachmann LM, Kolb E, Koller MT, Steurer J, ter Riet G. "Accuracy of Ottawa ankle rules to exclude fractures of the ankle and mid-foot: systematic review." BMJ, 2003; 326(7386): 417. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- 安藝泰弘, 沖野一平, 津山元気, 谷津義康, 西条寿夫, 髙本考一(2025)「健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連」PLOS ONE 20(10): e0335268. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268
執筆・監修者
安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)
ORCID: 0009-0002-5707-6121
1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年に国際学術誌 PLOS ONE へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表(健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連・PLOS ONE 20(10): e0335268 / https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268)。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国125店舗の整体院グループへと育てた。
村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/Fascial Manipulation®・Mulligan Concept 国際資格/givers PT 代表
本記事の専門監修を担当。足首をひねった直後から数日の過ごし方、腫れ・熱っぽさ・体重のかけ方で時期を分ける見分け方、片足立ちで立て直す練習の進め方を運動器の視点から監修。







