肩や背中のゴリゴリの正体は?カッサで鳴る理由とやってはいけない押し方

肩や背中のゴリゴリの正体は?カッサで鳴る理由とやってはいけない押し方

  • 監修日: 2026-10-01
  • 執筆・総監修: 安藝 泰弘(柔道整復師/giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者・PLOS ONE 掲載論文 筆頭著者)
  • 専門監修: 村石 喜伸(理学療法士/givers PT 代表)
※本稿は一般的な情報提供です。強い症状・急な変化がある場合は、早めに医療機関で評価を受けてください。
この記事のポイント

カッサで肩や背中をなでたときのゴリゴリは、多くの場合「こわばった筋の束」「肩甲骨の縁で筋がこすれる感触」「関節まわりで出る音」の3つのどれかです。 厚生労働省の国民生活基礎調査でも、肩こりは自覚する症状として男女とも上位に挙がっており、ゴリゴリが気になる方は少なくありません。よく聞く「老廃物が固まっている」という説明は、医学的な裏づけがはっきりしない言い方です。大切なのは、ゴリゴリを消えるまでこすることではなく、どのタイプかを見分けて当て方を変えることです。この記事では、3タイプの見分け方、タイプ別のセルフケアとカッサの当て方、道具の選び方、そしてやってはいけない押し方3つを整理します。

こちらは全国125店舗のこころ整体院グループによる、肩こり・首こりの解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、ゴリゴリする場所だけでなく姿勢の左右差や肩甲骨の位置まで確かめ、負担が一か所へ集まるクセへアプローチします。

カッサでゴリゴリするのはなぜ?

カッサのゴリゴリは、こわばった筋の束や骨の縁を板が乗り越える感触です。粒がたまっているわけではありません。 まずはどこで・どう感じるかを分けて考えます。

カッサは、石や角、陶器などでできた板状の道具で、皮膚の上をなでるように滑らせて使います。板が通る道の下には、皮膚・皮下の組織・筋・骨が層になって重なっています。筋の一部が硬い束のようにこわばっていると、板がその段差を乗り越えるたびに「ゴリッ」と引っかかる感触が手に伝わります。首の付け根から肩先、肩甲骨の内側は、もともと筋が何層にも重なり、骨の縁も近い場所です。そのため、同じ力でなでても、ほかの場所よりゴリゴリを感じやすくなります。

もう一つ知っておきたいのは、ゴリゴリの強さと、つらさの強さは一致しないということです。ゴリゴリがはっきりしているのに肩はそれほどつらくない方もいれば、手触りはなめらかなのに重だるさが続く方もいます。ゴリゴリは「そこに段差がある」という手がかりであって、つらさの量を測る目盛りではありません。日本整形外科学会も、肩や首まわりに起こる症状を一般向けに解説しています。

肩を回すとゴリゴリ言うのはなぜ?

肩を回したときの音は、肩甲骨と肋骨のあいだや肩の関節まわりで、筋や腱がこすれたり骨の出っ張りを越えたりして出ると考えられています。

肩甲骨は、背中側の肋骨の上を滑るように動く骨です。肩甲骨と肋骨のあいだには筋が挟まっていて、ふだんはなめらかに滑っています。猫背や巻き肩で肩甲骨の位置がずれたまま動かすと、滑る道筋が変わり、こすれる音や引っかかる感触が出やすくなります。肩の関節の近くでも、腱が骨の出っ張りを乗り越えるときに音が出ることがあります。痛みをともなわない音だけであれば、多くは体の使い方の範囲で起きている音と考えられています。音に痛みや腕の上がりにくさが加わってきたときは、次の章の赤旗の項目と照らし合わせてください。

背中のゴリゴリの正体は何?

背中のゴリゴリは、肩甲骨の内側の縁に沿った筋のこわばりと、肩甲骨の縁そのものの手触りが重なったものであることが多いです。

肩甲骨の内側には、背骨と肩甲骨をつなぐ筋が縦に並んでいます。デスクワークで腕を前に出し続けると、この筋は引き伸ばされたまま働き続け、硬い帯のようになっていきます。カッサをこの帯に沿ってではなく横切るように動かすと、帯をまたぐたびにゴリゴリが強く出ます。また、肩甲骨の縁は骨なので、板が触れると硬い手応えがあります。これを「固まったコリ」と思って強くこすり続けると、骨の縁を押し込むことになりかねません。背中の重さが続く方は、慢性疲労・だるさのページも合わせてご覧ください。

肩甲骨のゴリゴリは老廃物?

「老廃物が固まってゴリゴリになる」という説明は、医学的な裏づけがはっきりしない言い方です。筋のこわばりや骨の縁の感触と考えるほうが自然です。

美容や健康の情報では、ゴリゴリを「老廃物」「たまった汚れ」と表現することがあります。体の中では、筋が働けば代謝によって生まれる物質があり、血液やリンパの流れで運ばれていきます。一方で、それが粒になって筋の中に固まり、カッサで流せばなくなる、という仕組みは確かめられていません。ここを「老廃物」と思い込むと、「全部流しきるまでこする」という発想になり、強さと回数が増えがちです。この記事では、ゴリゴリを「消すもの」ではなく、「どこがこわばっているかを教えてくれる手がかり」として扱います。

⚠️ こんなときは医療機関へ|ゴリゴリと一緒に出たら見逃したくないサイン

肩や背中のゴリゴリの多くは、同じ姿勢の積み重ねによる筋のこわばりや、肩甲骨の動き方のクセが背景にあると考えられています。一方で、次のようなサインが重なるときは、こわばりだけでは説明できない背景が隠れていることがあります。この場合はタイプ分けやカッサより先に、医療機関で評価を受けてください。

  • 腕や手にしびれが広がる・力が入りにくい(物を落とす、ボタンが留めにくい)
  • 転倒・事故・スポーツで強くぶつけたあとから、音や痛みが続いている
  • ゴリゴリする場所が熱をもって赤く腫れている/発熱をともなう
  • 皮膚の下のしこりが少しずつ大きくなる・押しても動かない硬い塊がある
  • 横になっても引かず、夜中に痛みで目が覚める/日に日に強くなっている
  • 背中の痛みと一緒に胸の痛み・息苦しさ・冷や汗がある
  • 肩を回すと鳴るだけでなく、腕が上がらない・上げる途中で強く痛む
  • 血液をさらさらにする薬を飲んでいる、または少しこすっただけで大きなあざが出る
  • がんで経過をみている、大きなご病気で通院中である、理由のない体重の減少が続いている

とくに「しびれ・力の入りにくさ」「大きくなるしこり」「胸の痛みや息苦しさ」の3つは、筋のこわばりとは別の背景を考えるサインのことがあります。ここで「ゴリゴリが原因だろう」と自己判断し、カッサで強くこすったり、しこりを指で押しつぶそうとしたりするのは避けたい対応です。

これらに当てはまらず、「カッサで引っかかる」「肩を回すと鳴るが痛みはない」「背中の内側がいつも重い」という出方が中心であれば、姿勢や体の使い方が関係していることが多いと考えられます。ここから先は、その場合の見分け方と進め方です。判断に迷うときは、我慢して続けずにご相談ください。

ゴリゴリの出方は3タイプ|あなたはどのタイプ?

カッサでなでる・肩をゆっくり回す・腕を横から上げるの3つを試すと、ゴリゴリがどのタイプか60秒ほどで分かります。 道具がなくても、手のひらでなでて確かめられます。

手順は3つです。①首の付け根から肩先へ、手のひらかカッサで軽くなでて、引っかかる場所を探します。②両肩を後ろへ大きくゆっくり5回まわし、音や引っかかりがどこで出るかを確かめます。③腕を体の横から頭の上までゆっくり上げ、音が出る高さを確かめます。 どれも勢いはつけず、痛みが出たらそこで止めます。結果を下の表と照らし合わせてください。

確かめる目安 ① すじ型
(筋のこわばり)
② 肩甲骨の縁型
(縁でこすれる)
③ 関節の音型
(動かすと鳴る)
気づく場面 なでたときに引っかかる 肩を回したときに背中で鳴る 腕を上げる途中で肩が鳴る
場所 首の付け根〜肩先の上側 肩甲骨の内側の縁に沿って 肩の前〜横の関節まわり
手触り・音 硬い帯の段差を越える感触 こすれるような低い音 同じ高さで毎回鳴る
やりがちな対応 消えるまで強くこする 縁を道具で押し込む 鳴らそうと何度も回す
その日の最初の一手 なでる強さで一方向に滑らせる こするより先に肩甲骨を動かす 🔴 音の出ない範囲だけで動かす

①はカッサを使ってよい側、②は道具より先に動きを入れる側、③は道具を当てる場所ではない側です。2つ以上に当てはまる方も少なくありません。その場合は「腕を上げる途中で鳴るか」の1行を優先して見てください。ここが当てはまるなら③の進め方を先に置き、肩の前にはカッサを当てません。

タイプ①:なでると引っかかる「すじ型」(筋のこわばり)

首の付け根から肩先にかけて、なでたときに硬い帯のような段差を感じるタイプです。パソコンやスマホを見る時間が長く、頭が前に出た姿勢が続いている方に多く見られます。特徴は、温まると手触りがなめらかになり、冷えたり長く座ったりすると段差が戻ってくることです。肩の上側の筋は頭を支えるために休みなく働いているため、こわばりが帯のように残りやすい場所です。カッサを使ってよいのはこのタイプですが、強さは「なでる」までにとどめます。頭の重さも一緒に出る方は、頭痛のページも合わせてご確認ください。

タイプ②:肩を回すと背中で鳴る「肩甲骨の縁型」(縁でこすれる)

肩を後ろへ回したとき、肩甲骨の内側あたりで「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」とこすれる音や感触が出るタイプです。猫背や巻き肩で、肩甲骨が外へ開いたまま固まっている方に多く見られます。特徴は、胸を張ってから回すと音が小さくなり、背中を丸めたまま回すと大きくなることです。肩甲骨の滑る道筋がずれているのが背景にあるため、カッサでこするより先に、肩甲骨そのものを動かすほうが手応えが出ます。背中の丸まりが気になる方は、姿勢矯正・ストレートネック・猫背のページも合わせてご覧ください。

タイプ③:腕を上げると肩が鳴る「関節の音型」(動かすと鳴る)

腕を体の横から上げていく途中、いつも同じ高さで肩の前から横あたりが鳴るタイプです。カッサでなでても手触りに段差はなく、動かしたときだけ音が出るのが特徴です。肩の関節の近くで腱が骨の出っ張りを越えるときの音であることが多く、痛みがなければ、鳴らそうと何度も回す必要はありません。このタイプで肩の前に道具を当てて押し込むと、関節に近い腱を直接こすることになります。腕の上がりにくさが加わってきた方は、四十肩・五十肩のページも合わせてご覧ください。

【自分でできる】タイプ別のセルフケアと、カッサの当て方

ゴリゴリを消そうとするより、タイプに合う1つを決めた量だけ行うほうが、翌日の手触りが変わりやすくなります。 どれも自宅で5分以内に終わる形に絞りました。

3つに共通するのは、ゴリゴリを「消えるまで」追いかけないことと、終わったあとに肩を回して、軽さと音の変化を確かめることです。手触りの変化だけで判断すると、強くこするほど「取れた」と感じてしまい、量が増えていきます。厚生労働省も、日常のなかで体を動かすことの考え方を一般向けにまとめています。

1. すじ型の日|カッサは「なでる強さ」で一方向に(片側3分まで)

  1. 入浴後など体が温まっているときに、肩の上に少量のオイルかクリームをのばします。
  2. カッサを皮膚に対して寝かせ気味に持ち、首の付け根から肩先へ、なでる強さで一方向に滑らせます。
  3. 同じ道を5回滑らせたら、少しずらして次の道へ移ります。往復させず、毎回スタート地点へ戻します。
  4. 片側3分たったら終わりにし、肩をゆっくり3回まわして軽さを確かめます。

要点は「段差を削るのではなく、段差の上をなでて通る」ことです。板を立てて角で押し込むと、こわばった束を上から潰す形になります。痛気持ちいいの手前、皮膚がうっすら温かくなる程度が目安です。ゴリゴリが残っていても、時間がきたら終わりにしてください。手触りは翌日のほうが正確に読めます。首のつらさが朝に強い方は、寝違えのページで寝姿勢の見直しも合わせてご確認ください。

2. 肩甲骨の縁型の日|こする前に肩甲骨を大きく動かす(1日3回まで)

  1. 椅子に浅く座り、両手の指先を肩に軽く乗せます。
  2. ひじで大きな円を描くように、前から上、後ろ、下へとゆっくり回します。前回し・後ろ回しを5回ずつ。
  3. 両ひじを体の横に下ろし、肩甲骨を背骨に寄せるように胸を開いて5秒保ちます。3回くり返します。
  4. 最後に、もう一度肩を後ろへ回し、音が小さくなったかを確かめます。

このタイプで肩甲骨の縁をカッサでこすっても、ずれた滑り道はそのままです。足りていないのは縁の手入れではなく、肩甲骨そのものの動きであることが多いためです。要点は「背中を丸めたまま回さず、胸を開いた姿勢で回す」ことです。カッサを使いたい場合は、この動きのあとに、肩甲骨の縁を避けて背骨と肩甲骨のあいだを縦に軽くなでる程度にとどめます。肩甲骨の内側の縁そのものには板を当てません。

3. 関節の音型の日|音の出ない範囲で腕を上げる(1日2回まで)

  1. 壁の正面に立ち、両手のひらを胸の高さで壁につけます。
  2. 手のひらを壁に沿わせて、ゆっくり上へ滑らせます。音が出る手前で止めて、下ろします。
  3. 5回くり返すあいだ、肩をすくめずに、首を長く保ったまま行います。
  4. 終わったら、腕を横から上げ直し、鳴る高さが変わったかを確かめます。

この日は、肩の前に道具を当てません。音の出る位置まで何度も動かすことそのものが、腱と骨がこすれる回数を増やすためです。要点は「音の出ない範囲で、回数だけを確保する」こと。壁に手を沿わせると、肩をすくめる余計な力が入りにくくなります。音の高さが日ごとに上がっていけば、動きの範囲が戻ってきている合図です。腕の上がりにくさが日ごとに強まるときは、赤旗の項目を見直してください。

4. 3つとも共通する、カッサを使う日の決まりごと

どのタイプでも、カッサを使うなら「温まっているとき・オイルをのばして・片側3分まで・同じ場所は1日1回」を決まりにします。乾いた肌の上で板を滑らせると、皮膚が引っぱられて赤みが出やすくなります。首の前側・のどの横、骨が浮き出ている場所、肩甲骨の縁、傷や湿疹のある場所には当てません。翌朝に肩を回して、軽い・同じ・重いのどれかを決め、重い日は使う時間を半分にします。デスクワークが長い日は、カッサより先に、30分に1回肩を後ろへ回す習慣のほうが手触りに表れやすくなります。

カッサの選び方と使う時間帯|形・オイル・お風呂上がりの使い分け

カッサは素材より「角の丸さ」と「手になじむ形」で選び、お風呂上がりにオイルと一緒に使うのが基本です。 道具を変えるより、使う条件をそろえるほうが手触りの変化を読み取りやすくなります。

形は、縁が丸く、厚みがあって角が鋭くないものを選びます。薄くて角の立った板は、同じ力でも当たる面が狭くなり、圧が一点に集まります。肩の上のように丸みのある場所には、くぼみのある形が沿いやすく、背中の広い面には緩いカーブの形が向きます。素材は石・角・陶器・樹脂などがありますが、素材の違いで体の変化が大きく変わるという根拠ははっきりしていません。持ちやすく、落としても割れにくいものを選べば十分です。

オイルやクリームは、板が肌の上をなめらかに滑るためのものです。量は手のひらに10円玉くらいを目安にし、足りなくなったら継ぎ足します。オイルなしで使う日をつくらないことが、赤みや擦れを減らすいちばん確実な方法です。肌に合わないときはすぐ中止し、同じオイルを使い続けないでください。

使う時間帯は、お風呂上がりの体が温まっているときがいちばん扱いやすくなります。朝の起きぬけは筋がこわばっていて段差を強く感じやすく、ついこすり過ぎてしまいます。寝る直前に長く行うと、強い刺激で目が冴えることもあるため、入浴後から寝るまでのあいだの5分ほどにまとめるのが続けやすい形です。体を動かす習慣と組み合わせたい方は、ヨガ・ピラティスの考え方も参考になります。

【詳しく知りたい方へ】ゴリゴリが生まれる医学的メカニズム

ゴリゴリは、筋のこわばり・肩甲骨の滑り道のずれ・関節まわりの腱の動きという3つが重なって生まれ、土台には姿勢の左右差があります。 背景を3つに分けて見ていきます。

1. 同じ姿勢が続くと、筋は硬い帯のようにこわばる

頭は体の中でも重い部分で、首から肩の上側の筋は、起きているあいだその重さを支え続けています。頭が前に出た姿勢が続くと、この筋は引き伸ばされたまま働き続け、一部が硬い帯のようにこわばります。こわばった帯と周りのやわらかい部分とのあいだに段差ができるため、板やすべる指がそこで引っかかり、ゴリゴリとして感じられると考えられています。温まると手触りがなめらかになるのは、筋の緊張がゆるむためです。整体の視点では、ここで帯を削り取ろうとするより、帯をつくっている頭の位置を戻すほうを先に考えます。

2. 肩甲骨の位置がずれると、滑り道が変わる

肩甲骨は、ほかの骨と関節でしっかりつながっているわけではなく、背中側の肋骨の上を筋に支えられて滑るように動いています。猫背や巻き肩で肩甲骨が外へ開き、前へ傾いたまま固まると、肋骨との距離や角度が変わり、滑る道筋そのものがずれます。この状態で肩を回すと、肩甲骨と肋骨のあいだの筋や組織がこすれ、低いゴリゴリ音が出やすくなります。肩を回したときの音が胸を張ると小さくなるのは、滑り道が元に近づくためと考えられます。整体の視点では、縁を押すより、肩甲骨が乗っている胸郭と背骨の形を整えることを先に考えます。

3. 姿勢の左右差が土台にある

ゴリゴリが片側だけに強く出る方は少なくありません。こころ整体院グループの創業者である安藝泰弘が筆頭著者として2025年にPLOS ONEへ発表した研究では、無症状の成人を対象に、安静時の肩甲骨位置の左右非対称性と、僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連が報告されました(因果関係や施術の結果を検証した研究ではありません)。肩甲骨の位置の左右差と、肩の上側の筋のこわばりが同じ人に重なって見られるという知見は、片側だけゴリゴリが強い理由を考えるうえでの手がかりになります。AI姿勢分析では、肩の高さ・頭の位置・背中の丸まりの左右差を数値と画像で確かめ、どこから手をつけると続けやすいかを一緒に考えていきます。なお、関節まわりの音に痛みや腕の上がりにくさがともなう場合は、関節そのものの変化が背景にあるサインのことがありますので、自己判断で進めず医療機関で評価を受けてください。

GIFTの視点:揉まない・押さない、ゴリゴリへのアプローチ

こころ整体院グループのGIFTメソッドは「揉まない・押さない・整える」を基本に、ゴリゴリをつくっている姿勢のクセを整えます。 GIFTメソッドは、Gliding(なでるように動かす)・Inner(深部へのアプローチ)・Form(姿勢・フォームを整える)・Trigger(こり固まったポイントへの働きかけ)の頭文字で、強く押しほぐすのではなく、筋と骨の動きの担当を戻していく整え方です。ゴリゴリする場所は感度が上がっていることが多いため、そこへ強い刺激を足さないこと自体に意味があります。

ゴリゴリのご相談では、ゴリゴリする場所そのものより先に、頭がどれくらい前に出ているか、肩甲骨が左右でどちらへ開いているか、腕を上げたときにどの高さで音が出るかを確かめます。この記事の見分け方は、院で最初に確かめている順番をご自宅用に短くしたものです。こころ整体院グループは「大学と共同研究する整体院」として、東亜大学との共同研究の成果を国際学術誌 PLOS ONE(2025年)に発表しています。全国125店舗・口コミ20,000件以上・全院平均4.8のグループとして、断定はせず、AI姿勢分析で見えたズレをもとに一緒に順番を決めていきます。なお研究は状態を理解するためのもので、特定の結果をお約束するものではありません。

AI姿勢分析

監修者より(専門監修 村石 喜伸/総監修・執筆 安藝 泰弘)

「カッサでゴリゴリを全部取りたいんです」——肩や背中のご相談で、現場でよく伺う言葉です。理学療法士の立場(村石)からお伝えすると、ゴリゴリの多くは取り除くものではなく、どこで筋や肩甲骨の動きが渋っているかを教えてくれる手がかりです。私が最初にお願いしているのは、なでる・回す・上げるの3つを短く試して、どのタイプかを決めていただくことです。ご相談が多いのは30〜50代で、パソコンに向かう時間が長い方と、いつも同じ側でかばんを持つ方が目立ちます。総監修の安藝より——臨床28年・延べ施術人数15万人超の経験からも、ゴリゴリを強く追いかけるより、それをつくっている頭と肩甲骨の位置を先に見るほうが近道です。こころ整体院グループではAI姿勢分析で肩の高さと左右差を確かめ、どこから手をつけると続けやすいかを一緒に考えていきます。

全国の店舗の詳細は店舗一覧からご確認ください。

⚠️ やってはいけない!カッサ・自分で押すときの3つのNG行動

ここで挙げるのは、カッサの良し悪しの話ではありません。ゴリゴリをどう扱うかでつまずきやすい3つです。

NG①:ゴリゴリが消えるまで強くこすり続ける

「ゴリゴリがなくなるまで」を終わりの合図にしてしまう形です。こわばった筋の段差は、強くこすってもその場で消えるものではありません。消えたように感じるのは、皮膚の感覚が鈍くなっているためであることが多く、強さと時間だけが増えて、翌日には同じ段差が戻っています。終わりの合図は手触りではなく時間で決めます。片側3分・同じ場所は1日1回を上限にし、残ったゴリゴリは翌日の手がかりとして取っておいてください。

NG②:骨の縁・首の前側・肩の関節に道具を押し込む

硬い手応えを「固まったコリ」と思い込み、板の角を立てて押し込んでしまう形です。肩甲骨の縁や鎖骨、背骨の出っ張りは骨そのものなので、押してもゴリゴリは変わりません。首の前側やのどの横には、太い血管や神経が通っています。肩の前の関節まわりには、腱が骨のすぐ近くを通っています。道具を当ててよいのは、筋がまとまって厚い肩の上側と、背骨と肩甲骨のあいだの面だけと決めておきます。骨が浮き出ている場所に板が当たったら、そこは通り過ぎてください。

NG③:赤みやあざが出ても、毎日同じ場所を続ける

カッサのあとに赤い点状の跡が出ることがあり、それを「出し切れた証拠」と考えて、跡が残っている場所に翌日も同じ強さで当ててしまう形です。跡は皮膚の下の細い血管に刺激が加わったしるしで、重ねるほど回復に時間がかかります。跡が消えるまでは、その場所には当てないのが目安です。強くこすったあとのだるさや重さが翌日まで残る場合は、強さと時間を半分に落としてください。少しこすっただけで大きなあざが出る方は、カッサを中止し、医療機関でご相談ください。

まとめ

カッサで感じる肩や背中のゴリゴリは、多くの場合、こわばった筋の束・肩甲骨の縁でこすれる感触・関節まわりの腱の音のどれかです。「老廃物が固まっている」という説明は医学的な裏づけがはっきりしないため、ゴリゴリは消すものではなく、どこが渋っているかを教えてくれる手がかりとして扱います。まず、なでる・肩を回す・腕を上げるの3つを試してタイプを決めてください。なでると引っかかるすじ型なら、お風呂上がりにオイルをのばし、なでる強さで一方向に片側3分まで。肩を回すと背中で鳴る肩甲骨の縁型なら、こするより先にひじで円を描いて肩甲骨を動かします。腕を上げると鳴る関節の音型なら、肩の前には道具を当てず、壁に手を沿わせて音の出ない範囲で動かします。避けたいのは、消えるまで強くこすること、骨の縁や首の前側に押し込むこと、跡の残る場所に毎日当てることの3つです。しびれや力の入りにくさ、大きくなるしこり、胸の痛みや息苦しさがあるときは、早めに医療機関へご相談ください。2週間たっても手触りや音が変わらない方は、こころ整体院グループのお近くの院で、AI姿勢分析を起点に頭と肩甲骨の位置を確かめてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1: 肩こりのゴリゴリの正体は何ですか?

肩の上側で感じるゴリゴリの多くは、首から肩にかけての筋の一部が硬い帯のようにこわばり、周りとのあいだに段差ができたものと考えられています。頭が前に出た姿勢が続くと、頭を支える筋が引き伸ばされたまま働き続け、帯のようなこわばりが残りやすくなります。温まると手触りがなめらかになるのはこのためです。段差を削り取ろうとするより、帯をつくっている頭の位置や座り方を見直すほうが、翌日の手触りに表れやすくなります。

Q2: 肩を揉むとゴリゴリするのは何ですか?

指で肩を揉んだときに転がるように感じるゴリゴリも、カッサと同じく、こわばった筋の帯を指が乗り越える感触であることが多いです。肩甲骨の縁や鎖骨など、骨の出っ張りに指が触れている場合もあります。強く揉むほど段差が消えたように感じますが、多くは皮膚の感覚が鈍くなっているためで、翌日には戻っています。揉む強さを上げるより、肩を後ろへ回す・胸を開くといった動きで、こわばりをつくっている姿勢を変えるほうを先に試してください。

Q3: カッサは毎日使ってもよいですか?

なでる強さで、片側3分まで、同じ場所は1日1回という決まりを守れるなら、毎日使っても差し支えないことが多いです。赤い点状の跡が出た場所は、跡が消えるまでその場所を避けてください。毎日使うと強さが少しずつ上がりがちなので、翌朝に肩を回して「軽い・同じ・重い」のどれかを確かめ、重い日は時間を半分にします。腕のしびれや大きなあざが出るときは中止し、医療機関でご相談ください。

Q4: カッサのあとに出た赤い跡は、どれくらいで消えますか?

出方には個人差があり、数日で薄くなることが多いとされていますが、こすった強さや時間、肌の状態によって変わります。大切なのは、跡が残っているあいだはその場所に当てないことです。跡を「出し切ったしるし」と考えて重ねると、回復に時間がかかります。少しこすっただけで大きなあざになる、跡がなかなか消えない、血液をさらさらにする薬を飲んでいるといった場合は、カッサを控えて医療機関でご相談ください。

Q5: オイルを塗らずにカッサを使ってもよいですか?

オイルやクリームなしで使うのは避けてください。乾いた肌の上で板を滑らせると、皮膚が引っぱられて擦れや赤みが出やすくなります。手のひらに10円玉くらいの量をのばし、滑りが悪くなったら継ぎ足します。服の上から使うと、板の当たり方が分かりにくくなり、強さが上がりやすくなります。肌に合わないオイルでかゆみや赤みが出たときは、すぐに中止してください。

Q6: ゴリゴリが消えたら、肩こりはらくになったと考えてよいですか?

手触りの変化だけで判断しないほうが安心です。強くこすったあとは、皮膚の感覚が一時的に鈍くなり、ゴリゴリが消えたように感じることがあります。判断の手がかりにするのは、翌朝に肩を回したときの軽さと、音の大きさです。3日続けて「軽い」なら、いまの進め方は合っていると考えて続けてください。2週間たっても変わらない場合は、頭の位置や座り方など、ゴリゴリをつくっている土台が手つかずで残っている可能性があります。

Q7: 首にカッサを使ってもよいですか?

首の後ろ側の、筋がまとまって厚い部分を、なでる強さで上から下へ滑らせる程度にとどめてください。首の前側やのどの横には太い血管や神経が通っているため、板を当てません。首の骨の出っ張りに板が当たったら、そこは通り過ぎます。首を動かしたときに腕や手へしびれが走る方は、カッサを使わず、先に医療機関で評価を受けてください。

Q8: 痛みはなく音だけの場合も、気にしたほうがよいですか?

痛みや腕の上がりにくさをともなわない音だけであれば、多くは体の使い方の範囲で出ている音と考えられています。鳴らそうとして何度も回す必要はありません。気にしたいのは、音に痛みが加わってきた、腕が上がる高さが日ごとに下がっている、ぶつけたあとから鳴るようになった、といった変化です。こうした変化があるときは、自己判断で動かし続けず、医療機関でご相談ください。

Q9: カッサとストレッチは、どちらを先にやればよいですか?

タイプによって順番が変わります。なでると引っかかるすじ型の方は、お風呂上がりにカッサでなでてから、肩をゆっくり回して軽さを確かめる順番が扱いやすくなります。肩を回すと背中で鳴る肩甲骨の縁型の方は、先にひじで円を描いて肩甲骨を動かし、カッサは使うとしても最後に軽くなでる程度にします。腕を上げると肩が鳴る関節の音型の方は、カッサを使わず、壁に手を沿わせて音の出ない範囲で動かすことを中心にしてください。

Q10: ゴリゴリが左右で違うのはなぜですか?

かばんを持つ側、マウスを使う側、頬づえをつく側など、日常の動作の左右差が、肩の高さや肩甲骨の位置の左右差として残るためと考えられています。こころ整体院グループの創業者が筆頭著者として発表した研究でも、安静時の肩甲骨位置の左右差と、肩の上側の筋のこわばりとの関連が報告されています。ゴリゴリが強い側だけを念入りにこするより、かばんを持つ側を毎回変えるなど、左右差をつくっている動作を見直すほうを先に試してください。

Q11: 整体では肩や背中のゴリゴリにどうアプローチしますか?

こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で頭の位置・肩の高さ・背中の丸まりの左右差を確認し、ゴリゴリする場所だけでなく姿勢全体を整えるGIFTメソッドでサポートします。ゴリゴリする場所は感度が上がっていることが多いため、強く押しほぐす対応はとりません。どのタイプのゴリゴリかを確かめたうえで、ご自宅で続けられる範囲の進め方もご案内します。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。

参考文献

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  2. 公益社団法人 日本整形外科学会「背中の症状」一般向け解説. joa.or.jp
  3. 公益社団法人 日本整形外科学会「頚椎(くび)の症状」一般向け解説. joa.or.jp
  4. 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「身体活動・運動」. kennet.mhlw.go.jp
  5. 厚生労働省「国民生活基礎調査」. mhlw.go.jp
  6. 安藝泰弘, 沖野一平, 津山元気, 谷津義康, 西条寿夫, 髙本考一(2025)「健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連」PLOS ONE 20(10): e0335268. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268

執筆・監修者

安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)
ORCID: 0009-0002-5707-6121

1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年に国際学術誌 PLOS ONE へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表(健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連・PLOS ONE 20(10): e0335268 / https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268)。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国125店舗の整体院グループへと育てた。

村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/Fascial Manipulation®・Mulligan Concept 国際資格/givers PT 代表
本記事の専門監修を担当。肩や背中のゴリゴリを手触り・音の出方で3つに分ける見分け方、タイプ別のセルフケアとカッサの当て方、避けたい押し方を運動器の視点から監修。

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