くるぶしの痛みは、痛む場所を「外くるぶしの前・下」「内くるぶしの後ろ・下」「くるぶしの上」「くるぶしまわり全体」の4か所に分けると、見直す順番がはっきりします。 足首をひねるけがは日常でとても多く、前向き調査181件をまとめた報告では、1,000回の活動あたりの発生数が女性13.6・男性6.94と示されています(Doherty ら, 2014)。さらに、ひねったあとの経過を調べた総説では、痛みは最初の2週間で大きく落ち着く一方、1年後も5〜33%の方に痛みが残り、3年以内に3〜34%が再びひねっていると報告されました(van Rijn ら, 2008)。つまり「一度で終わらないこと」が、くるぶしの痛みのいちばんの特徴です。この記事では、痛む場所4か所の見分け方、ひねった覚えの有無で分かれる3タイプ、当日からの過ごし方、家でできる整え方まで順にまとめます。
こちらは全国125店舗・年間延べ80万人の患者様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、くるぶし(足関節)の痛みの解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、痛む足首だけでなく膝・股関節・姿勢まで確かめ、重心のかたよりが足首の一か所に集まるクセへアプローチします。
⚠️ こんなときは医療機関へ|くるぶしの痛みで見逃したくないサイン
くるぶしの痛みは、多くが足首まわりの組織にかかった負担と、重心のかけ方のクセによるものと考えられています。一方で、次のようなサインが重なるときは、骨や神経、体の内側の問題が隠れていることがあります。自己判断で様子を見ず、まずは医療機関で評価を受けてください。
- けがの直後も、いまも、体重をかけて4歩続けて歩けない
- くるぶしの骨のきわ(出っ張りの後ろ側から上へ指4本ぶんの範囲)を押すと、はっきり一点が痛む
- 足首の形が左右で明らかに違う・変形して見える・力を入れると抜けるような不安定さがある
- 赤みと熱っぽさが強い・発熱をともなう・押していないのにズキズキが続く
- 足の甲や足指のしびれが広がる・足首から先に力が入らない(つま先が上がらず引っかかる)
- 両足のくるぶしまわりが同じように腫れぼったい・指で押した跡が長く残る・息切れや体重の急な増加をともなう
- けがをした覚えがないのに腫れが引かない、または夜間に痛みで目が覚める状態が続いている
上の1つ目と2つ目は、骨に問題がないかを確かめる目安として国際的に使われている確認項目です。この2項目を用いた判断のしくみを検証した総説では、感度がほぼ100%で、不要なレントゲン撮影を30〜40%減らせると報告されています(Bachmann ら, 2003)。当てはまるときは自分でケアを始める前に、まず画像で確かめてもらう場面と考えてください。
これらに当てはまらず、「押すと決まった場所が痛む」「歩き出しや長く歩いたあとに出る」「らくな置き方を見つけると軽くなる」という出方が中心であれば、足首まわりの組織にかかる負担と、重心のかけ方のクセが関係していることが多いと考えられます。ここから先は、その場合の見直し方をまとめています。判断に迷うときは、我慢して続けずにご相談ください。
くるぶしが痛くなるのはなぜ?足首の構造と負担が集まる場所
くるぶしは骨の出っ張りそのもので、痛みが出ているのはその「まわり」にある靭帯・腱・関節のふちで、体重の乗せ方が偏った側に負担が集まります。 足首は、すねの2本の骨がくるぶしとして左右に張り出し、その間に距骨という骨が挟まる形でできています。この構造のおかげで、足首は前後にはよく動く一方、左右のぐらつきは靭帯が受け止めています。
くるぶしのまわりには、体重を支える組織が集まっています。外側には足首の外向きのぐらつきを止める靭帯、内側には土踏まずを引き上げる腱のライン、上側にはすねからつま先へ向かう腱が通ります。立っている時間の長さ、履いている靴、過去のけがの残り方で、どこに負担が集まるかは人によって変わります。だからこそ「くるぶしが痛い」という同じ言葉でも、見直す場所は同じになりません。
痛みの正体は、骨そのものより「まわりの組織」にあることが多い
骨は硬く、押しても痛みを感じにくい部分です。押して痛むのは、骨のきわに付いている靭帯や腱、関節を包む膜であることが少なくありません。ここを手がかりにすると、「押して痛む場所が一点に決まるか、面で広がるか」で状態の見当がつきます。一点に決まるときはその組織に負担が集中しているサインのことがあり、面で広がるときは関節全体のむくみや炎症性の変化が背景にあるサインのことがあります。
過去にひねった経験が、いまの動きの制限として残ることがある
足首をひねるけがは、痛みが引いた時点でケアが終わりになりやすい部分です。国際的な合意文書では、外側のねんざが繰り返しの不安定さにつながり、活動量の低下という形で長く影響することがまとめられています(Gribble ら, 2016)。「もう痛くないから治った」と「元どおり動く」は別のことだと押さえておくと、いまの痛みの背景を探しやすくなります。
痛む場所でわかる4つの違い|外の下・内の下・上・まわり全体
くるぶしの痛みは「ひねった覚えがあるか」「押すと一点が痛むか」「歩くと痛むか」の3つを、痛む場所4か所と組み合わせると、自分がどこを見直せばよいかが絞れます。 まず下の表で、いまの痛み方に近い行を探してみてください。指で押しながら読み進めると分かりやすくなります。
| 痛む場所 | ひねった覚え | 押すと痛いか | 歩くと痛いか | 先に見直すところ |
|---|---|---|---|---|
| 外くるぶしの前・下 (ねんざの跡が残りやすい場所) |
あることが多い(数か月〜数年前でも該当) | 骨のきわの一点がピンポイントで痛む | 段差・砂利道・方向転換で強くなる | 足首の外側のぐらつきと、片足立ちの左右差 |
| 内くるぶしの後ろ・下 (腱のライン) |
ないことが多い(いつのまにか出てくる) | 骨の後ろを走る線に沿ってだるく痛む | 長く歩いた日の後半・つま先立ちでつらい | 土踏まずのつぶれ方と、かかとの傾き |
| くるぶしの上 (すねとの継ぎ目) |
ないことが多い(歩く量を増やした直後が多い) | すじを押すと細長い範囲で痛む | 歩き出しに固く、動かすと少し軽くなる | ふくらはぎの硬さと、1週間の歩行量の増え方 |
| くるぶしまわり全体 (腫れぼったい) |
ある場合とない場合の両方 | 一点ではなく面で重い。押した跡が残ることも | 夕方に強まり、朝は軽いという日内の波が出やすい | 左右差の有無。両足そろって腫れるなら赤旗 |
外くるぶしの前・下が痛いとき
外くるぶしの少し前から下にかけては、足首を内側にひねったときに引き伸ばされる場所です。ここが押して一点で痛む方は、過去のねんざの跡が動きの制限として残っているサインのことがあります。数か月前、数年前のねんざでも該当しますので、「最近ひねっていない」で切り捨てないでください。歩く場面では、段差を降りる、砂利道を歩く、急に方向を変えるといった足首がぐらつく動きで強くなりやすいのが特徴です。
内くるぶしの後ろ・下が痛いとき
内くるぶしの後ろから下へは、土踏まずを内側から引き上げる腱のラインが走っています。ここが線に沿ってだるく痛む方は、土踏まずが落ちてかかとが外へ傾き、腱が引き伸ばされ続けているサインのことがあります。ひねった覚えがないまま、立ち仕事や長い歩行のあとに出てくるのが特徴です。片足でつま先立ちができるか、左右で比べてみてください。骨盤の傾きや左右差が土台にあると、片側だけに落ちやすくなります。
くるぶしの上(すねとの継ぎ目)が痛いとき
くるぶしの少し上、すねとの継ぎ目あたりには、足首を動かす腱が何本も通っています。ここが細長い範囲で痛む方は、歩く量や走る量を短期間で増やした負担が、腱の通り道に集まっているサインのことがあります。歩き出しに固く、動かしているうちに少し軽くなり、休むとまた固くなるという波が出やすいのが特徴です。ふくらはぎの硬さがそのまま足首の動きを狭めるので、ランニングによる不調と同じ道筋で考えると整理しやすくなります。
くるぶしまわり全体が腫れぼったいとき
一点ではなく面で重い、指で押した跡がしばらく残る、夕方に強まって朝は軽い——こうした出方のときは、関節の中の水分やめぐりの停滞が関係していることがあります。ここで大切なのは左右差を見ることです。片側だけなら足首まわりの負担として考えられます。両足そろって同じように腫れる場合は、足首の話に収まらないサインのことがありますので、赤旗として医療機関で評価を受けてください。
あなたはどれ?くるぶしの痛み3タイプと見分け方
くるぶしの痛みは、きっかけで分けると「ひねったあとに残っている」「ひねった覚えがない」「靴が当たる」の3つになり、タイプごとに先に手をつける場所が変わります。 場所での切り分けと合わせて読むと、自分に近い形が絞れます。当てはまるものが2つある方は、両方を並行して見直してかまいません。
タイプ①:ねんざのあとに残っている痛み(ひねった覚えがある)
足首をひねった経験があり、腫れが引いたあとも「体重を乗せると心もとない」「同じ場所を押すと痛い」が続くタイプです。ねんざのあとの経過をまとめた総説では、3年以内に3〜34%が再びひねっていると報告されています(van Rijn ら, 2008)。ここで見直すのは靭帯の強さではなく、足首が地面の傾きを感じ取る感覚と、片足で立ったときの立て直しです。この2つが戻らないまま歩き続けると、同じ場面で同じ側に負担が集まり続けます。
タイプ②:ひねった覚えがないのに痛む
けがの記憶がないまま、いつのまにか内くるぶしの後ろや、くるぶしの上が痛くなってきたタイプです。立ち仕事、通勤の歩数が増えた時期、体重の変化、履き慣れない靴——きっかけは日常の側にあります。特徴は、痛みが「出はじめ」ではなく「積み上がり」で来ることです。1日の後半や、まとめて歩いた翌日に強く出ます。ここで見直すのは、土踏まずの支え方と、1週間の歩行量の増え方です。急に増やした量を少し戻すだけで、痛みの出方が変わることがあります。
タイプ③:靴が当たって痛む
靴を履いているあいだだけ痛み、脱ぐと落ち着くタイプです。革靴やブーツの履き口、スニーカーのかかと周りの縁がくるぶしの骨に当たり、皮膚と骨のあいだで擦れています。特徴は、痛む場所が骨の出っ張りのてっぺんに一致することです。骨のきわではなく、出っ張りそのものが赤くなったり硬くなったりします。ここは靴の選び方と履き方で変えられる部分が大きく、足首そのものの問題と切り分けて考えると回り道が減ります。
痛くなった当日から数日の過ごし方|冷やす・温めるの切り替えの目安
当日は熱っぽさが残っているかどうかで冷やすか温めるかを決め、数日たって重だるさが中心になってから温めへ切り替えると、回り道を減らせます。 「足首は温めるもの」という印象が強いため、痛くなったその日に長風呂で温めてしまう方が少なくありません。押すと熱っぽい、じっとしていてもズキズキするという時期に強く温めると、腫れぼったさが増しやすいと考えられています。
ひねった直後から当日にかけては、痛む場所にタオル越しの保冷剤を10〜15分ほど当て、間を空けて繰り返します。あわせて、座っているあいだは足首を心臓より高い位置に置き、寝るときはふくらはぎの下にクッションを入れます。入浴は短めのシャワーで済ませ、長風呂は数日あとに回します。痛みが出ない範囲で足首を上下にゆっくり動かすところまでは、当日から入れてかまいません。完全に動かさないでいると、固まり直しに時間がかかります。
数日たって熱っぽさが引き、「動き出しの固さ」や「夕方の重だるさ」が中心になったら、足首からふくらはぎにかけてを温める方向へ切り替えます。温めたあとに、痛みが増えない範囲で軽く動かすところまでを1セットにすると、固まり直しを防ぎやすくなります。安静にし続けるより、痛みの出ない範囲で小さく動き続けるほうが、経過は進みやすいとされています。
どれくらいで和らぐ?回復の目安と歩いてよい範囲
足首をひねったあとの痛みは最初の2週間で大きく落ち着くことが多く、歩いてよいかどうかは「かばわずに歩けるか」で判断します。 ひねったあとの経過をまとめた総説では、痛みは最初の2週間で急速に減る一方、1年後も5〜33%の方に痛みが残り、3年以内に完全な回復を報告した方は36〜85%と幅がありました(van Rijn ら, 2008)。数字の幅が大きいのは、そのあとの過ごし方で結果が分かれるからだと読めます。
歩く量の戻し方は、痛みの強さではなく歩き方で決めます。目安は3つです。かかとから接地してつま先で抜ける流れが保てること、左右で歩幅が変わらないこと、そして翌日に持ち越さないことです。かばって外側に体重を逃がしたまま歩数だけ増やすと、負担が別の場所へ移るだけになります。かばわないと歩けない時期は、距離を短くして回数を分けるほうが積み上がります。
運動の再開は、平地の歩行が痛みなくできる、片足立ちが左右同じくらい保てる、階段の上り下りで痛みが出ない、の3つがそろってからが目安です。順番は、歩行、早歩き、まっすぐ走る、方向転換を含む動き、と段階を分けます。方向転換はいちばん足首がぐらつく動きなので最後に回します。2週間ほど整えても軽くならない、痛む範囲が広がる、しびれが出てきたという場合は、店舗や医療機関でご相談ください。
【自分でできる】くるぶしまわりを整えるセルフケア3つと姿勢チェック
ここからは、足首の動く範囲・立て直す力・土踏まずの支えを分けて整える3つと、使い分けの目安をご紹介します。 痛みのない範囲で、呼吸を止めずにゆっくり行うのが基本です。痛みが強い時期や、腫れと熱っぽさがある時期は無理に行わず、らくな姿勢での安静を優先してください。足首を強く揉んだり、痛む場所を押し込んだりしないのが、この3つの共通点です。
1. 足首の前後の動きを戻すタオルストレッチ
- 床に脚を伸ばして座り、タオルを足の裏(指の付け根あたり)に引っかけます。
- ひざを伸ばしたまま、タオルをゆっくり手前へ引き、つま先を体側へ倒します。ふくらはぎの後ろが伸びる手前で止めます。
- 20秒キープして戻します。左右2回ずつ行い、伸びにくい側を1回多めにします。
足首が体側へ倒れる範囲が狭いと、歩くときにかかとが早く浮き、くるぶしのまわりへ負担が回ります。ふくらはぎの硬さは膝の痛みとも地続きなので、左右差を残さないことが大切です。ひざを軽く曲げた姿勢でも同じように行うと、足首に近い側の硬さにも届きます。
2. 片足立ちで左右差を確かめるバランスチェック
- 壁の横に立ち、すぐ手が届く位置を確保します。
- 片足を上げて20秒立ち、足首がどれくらい細かく揺れるかを左右で比べます。
- 慣れたら目を閉じて10秒行います。ぐらつく側を、1日2回ほど短く繰り返します。
ねんざのあとに残りやすいのは、靭帯のゆるみよりも地面の傾きを感じ取って立て直す働きです。左右で揺れ方が違う側があれば、そこが見直しどころになります。転びそうなときは壁に手をつき、無理に耐えないでください。長い時間より、短く毎日のほうが積み上がります。
3. 足の指と土踏まずを働かせるタオルギャザー
- いすに座り、床に広げたタオルの上に片足を置きます。
- 指を曲げてタオルを手前へたぐり寄せます。かかとは床につけたままにします。
- 20回を目安に行い、左右で比べます。指が使いにくい側を少し多めにします。
土踏まずが落ちると、内くるぶしの後ろを走る腱のラインが引き伸ばされ続けます。足の指が床をとらえられるようになると、土踏まずが内側から支えられ、かかとの傾きが小さくなります。慣れてきたら、立った姿勢で足の指だけを軽く床へ押しつけ、土踏まずが持ち上がる感覚を確かめてみてください。
同じ3つでも、行う場面で目的が変わります。朝は動き出しの固さをほどく時間なので、タオルストレッチだけを短く。長く歩いた日の夜は固まったまま眠らないことが目的なので、タオルストレッチとタオルギャザーを。痛みが落ち着いた時期は立て直す力を戻すことが目的なので、片足立ちを足します。道具を使うなら、丸めたバスタオルを足の下に敷いて土踏まずの高さを確かめる、階段の縁にかかとを預けてふくらはぎの伸びを確かめる、といった使い方が扱いやすくなります。
靴・インソール・テーピングの選び方と当たりを減らす工夫
靴は足首の安定を左右する道具で、かかとの硬さ・履き口の高さ・靴ひもの締め方の3点を見るだけで、くるぶしへの当たり方が変わります。 見るところは、かかとを包む部分が指で簡単につぶれないか、履き口の縁が骨の出っ張りに直接当たっていないか、そして甲の部分をしっかり締められるかです。ゆるい靴は歩くたびに足が前へ滑り、足首が余計に働くことになります。
靴が当たって痛むタイプの方は、まず靴ひもを一段きつく締めるところから試してください。かかとが後ろへ収まり、くるぶしと履き口の位置関係が変わります。あわせて、履き口の縁がやわらかい靴、くるぶしを避けた高さの靴を選ぶと当たりが減ります。市販のクッションを貼るときは、痛む場所そのものではなくその少し下に貼って、骨の当たりを浮かせると当たりを逃がしやすくなります。
インソールは、土踏まずが落ちてかかとが外へ傾く方に向いています。高すぎるアーチのものを最初から入れると、かえって足の外側に体重が逃げることがありますので、低めから試して数日ごとに様子を見ます。テーピングは、足首の外向きのぐらつきを一時的に抑える目的で使うと扱いやすくなります。運動する日などぐらつきやすい場面に絞って使い、常時巻き続けるのは避けてください。支えを外から足し続けると、自分で立て直す働きの出番が減ります。
繰り返さないための予防と再発の見直し
くるぶしの痛みは、軽くなったあとに足首の動く範囲と立て直す力を戻せているかで、次に同じ場所が痛むかどうかが変わります。 痛みが引くとケアをやめてしまい、数か月後に同じ側をまたひねる——という往復をしている方が少なくありません。予防で押さえたいのは次の4点です。
- 片足立ちを毎日の習慣にする:歯みがきのあいだの20秒で足ります。左右で揺れ方をそろえることが目的です。
- 歩く量を一度に増やさない:旅行や引っ越しの前後に出やすいのはこのためです。1週間で増やす歩行量は1〜2割までを目安にします。
- 靴のかかとの減り方を月に1回見る:外側だけがすり減っていれば、体重が外へ逃げている手がかりになります。
- 左右差を残さない:伸びにくい側・ぐらつく側を少し多めにして、左右をそろえてから量を増やします。
長引くとき・何度も繰り返すときに確かめたいこと
2週間ほど整えても軽くならない、あるいは年に何度も同じ側をひねるときは、痛む場所ではなく体重の乗せ方そのものを見直す段階です。足首が体側へ倒れる範囲が左右でそろっているか、片足立ちで同じくらい保てるか、かかとがまっすぐ床に着いているか——この3つのどれかが残っていると、足首の張りだけを取っても同じ位置に戻ります。足首の動きが狭いまま歩き続けると、負担は上へ移り、膝や腰の張りとして出てくることもあります。ふくらはぎからおしりにかけて響く感覚が出てきたときは、坐骨神経痛のページもあわせてご覧ください。
【詳しく知りたい方へ】くるぶしの痛みが起こる医学的メカニズム
くるぶしの痛みは単一の原因ではなく、ねんざのあとに残る働きの低下・足のアーチと重心のかたより・上の関節への連鎖という3つが重なって起こると整理できます。 ここでは少し詳しく、背景を3つに分けて見ていきます。
1. ねんざのあとに残るのは「ゆるみ」だけではない
足首をひねると、外側の靭帯が引き伸ばされます。ここで見落とされやすいのが、靭帯や関節包にある位置や傾きを感じ取るセンサーの働きが落ちることです。センサーの情報が遅れると、地面が傾いた瞬間の立て直しが間に合わず、同じ場面でまたぐらつきます。国際的な合意文書が、外側のねんざを繰り返しの不安定さと活動量低下につながる出発点として扱っているのは、この積み重ねがあるためです(Gribble ら, 2016)。だから整体では、痛む場所をゆるめることと、片足で立ち直す働きを戻すことを同時に進めます。
2. 足のアーチと重心のかけ方が、負担の集まる場所を決める
足の裏には、内側の土踏まずを中心にアーチがあり、着地の衝撃を分散させています。アーチが落ちてかかとが外へ傾くと、内くるぶしの後ろを走る腱が引き伸ばされ続けます。逆に体重が外側へ逃げる立ち方が続くと、外くるぶしの下に負担が集まります。同じ「くるぶしが痛い」でも、痛む側が内か外かで、土台の傾きは逆向きということが起こります。ご自宅では、立ったときに足の指が床に触れているか、かかとがまっすぐ着いているかを鏡で確かめるところから始められます。
3. 足首の動きの制限は、上の関節へ連鎖する
足首が体側へ倒れる範囲が狭いと、しゃがむ・階段を降りるといった動きで、ひざが内側へ入りやすくなります。ひざの向きが変われば、股関節と骨盤の位置も変わります。姿勢の崩れが土台にあると、同じ歩き方でも負担の集まる場所が偏ります。こころ整体院グループでは、Googleの骨格推定をベースに東亜大学との共同研究で独自に組み立てたAI姿勢分析で、重心の位置・骨盤の傾き・左右差を数値と画像で確かめ、どこから手をつけると続けやすいかを一緒に考えていきます。
GIFTの視点:揉まない・押さない、くるぶしの痛みへのアプローチ
こころ整体院グループのGIFTメソッドは「揉まない・押さない・整える」を基本に、負担を足首の一か所へ集めている重心のクセを整えます。 GIFTメソッドは、Gliding(なでるように動かす)・Inner(深部へのアプローチ)・Form(姿勢・フォームを整える)・Trigger(こり固まったポイントへの働きかけ)の頭文字で、強く押しほぐすのではなく、動きの担当を戻していく整え方です。
くるぶしの痛みでは、痛む場所そのものより先に、足首の動く範囲・かかとの傾き・片足立ちの左右差を確かめます。こころ整体院グループは「大学と共同研究する整体院」として、東亜大学との共同研究の成果を国際学術誌 PLOS ONE(2025年)に発表しています。全国125院・年間延べ80万人来院規模のグループとして、断定はせず、AI姿勢分析で見えたズレをもとに一緒に順番を決めていきます。なお研究は状態を理解するためのもので、特定の結果をお約束するものではありません。
⚠️ やってはいけない!くるぶしが痛いときの3つのNG行動
NG①:腫れて熱っぽいうちに強く揉む・長く温める
張っている場所をほぐしたくなる場面ですが、押すと熱っぽい時期に強い刺激を足すと、腫れぼったさが増しやすくなります。この時期にできるのは、タオル越しに冷やす、足首を高い位置に置く、痛みの出ない範囲でゆっくり動かすの3つです。強く押しほぐすのは、熱っぽさが引いてからと覚えておいてください。
NG②:かばって外側に体重を逃がしたまま歩き続ける
痛い側をかばうと、無意識に足の外側へ体重が逃げます。歩数を増やすほど、その逃がし方が歩き方として固まり、負担は別の場所へ移っていきます。かばわないと歩けない時期は、距離を短くして回数を分けるほうが結果的に早く戻せます。歩き方が崩れたまま量を増やすのは避けたい選び方です。
NG③:痛みが引いた時点でケアをやめる
ねんざのあとの経過をまとめた総説では、3年以内に3〜34%が再びひねっていました。痛みが引くことと、地面の傾きを感じ取って立て直せることは別です。痛みが取れてからの2〜4週間に片足立ちを続けられるかが、次に同じ側をひねるかどうかの分かれ目になります。休むことも整えるうちに入ります。
まとめ
くるぶしの痛みは、痛む場所を外の下・内の下・上・まわり全体の4か所に分けると、見直す順番が立ちます。外の下はひねった跡が残っているサイン、内の下は土踏まずの落ち方、上は歩く量の増やし方、まわり全体は左右差の確認から。ひねった覚えの有無で3タイプに分けると、先に手をつける場所がさらに絞れます。当日は熱っぽさがあるうちは冷やし、数日たってから温めへ切り替える。落ち着いたらタオルストレッチ、片足立ち、タオルギャザーの順に戻していく。体重をかけて4歩歩けない、骨のきわの一点が強く痛む、両足そろって腫れるといったときは、自分でケアを始める前に医療機関で確かめてください。同じ場所を何度も痛める方こそ、こころ整体院グループのお近くの院で、AI姿勢分析を起点に重心の乗せ方を確かめてみてください。
よくある質問(FAQ)
くるぶしは骨の出っ張りそのもので、痛みが出ているのはそのまわりにある靭帯・腱・関節のふちであることが少なくありません。外側には足首の外向きのぐらつきを止める靭帯、内側には土踏まずを引き上げる腱のラインが通ります。体重の乗せ方が偏った側にくり返し負担がかかると、その場所が痛みとして反応してきます。
けがの記憶がないまま出てくる痛みは、日常の積み上がりで起きていることが多くなります。立ち仕事、歩数が増えた時期、体重の変化、履き慣れない靴などがきっかけです。特徴は、痛みが「出はじめ」ではなく1日の後半やまとめて歩いた翌日に強まることです。土踏まずの支え方と、1週間の歩行量の増え方から見直してみてください。
外くるぶしの前から下は、足首を内側にひねったときに引き伸ばされる場所です。押して一点で痛むときは、過去のねんざの跡が動きの制限として残っているサインのことがあります。数か月前や数年前のねんざでも当てはまります。段差を降りる、砂利道を歩くといった足首がぐらつく場面で強くなるかを、あわせて確かめてみてください。
内くるぶしの後ろから下へは、土踏まずを内側から引き上げる腱のラインが走っています。線に沿ってだるく痛むときは、土踏まずが落ちてかかとが外へ傾き、腱が引き伸ばされ続けているサインのことがあります。片足でつま先立ちができるかを左右で比べ、足の指と土踏まずを働かせるタオルギャザーから始めると取りかかりやすくなります。
くるぶしの少し上には、足首を動かす腱が何本も通っています。細長い範囲で痛むときは、歩く量や走る量を短期間で増やした負担が腱の通り道に集まっているサインのことがあります。歩き出しに固く、動かすと少し軽くなるのが特徴です。増やした量をいったん戻し、ふくらはぎの硬さをタオルストレッチでゆるめるところから見直します。
押すと熱っぽさがある・じっとしていてもズキズキするという時期は、タオル越しに10〜15分ほど冷やし、座っているあいだは足首を高い位置に置きます。ここで大切なのは左右差を見ることです。両足そろって同じように腫れる、押した跡が長く残る、息切れをともなうといった場合は足首の話に収まらないサインのことがありますので、早めに医療機関で評価を受けてください。
判断は痛みの強さではなく歩き方で行います。かかとから接地してつま先で抜ける流れが保てる、左右で歩幅が変わらない、翌日に持ち越さない、の3つがそろえば歩いてかまいません。かばって外側へ体重を逃がしたまま歩数だけ増やすと、負担が別の場所へ移ります。かばわないと歩けない時期は、距離を短くして回数を分けてください。
ひねったあとの経過をまとめた総説では、痛みは最初の2週間で急速に減る一方、1年後も5〜33%の方に痛みが残ると報告されています。運動の再開は、平地の歩行が痛みなくできる、片足立ちが左右同じくらい保てる、階段の上り下りで痛みが出ない、の3つがそろってからが目安です。方向転換を含む動きはいちばん最後に戻します。
まず靴ひもを一段きつく締めてみてください。かかとが後ろへ収まり、履き口とくるぶしの位置関係が変わります。そのうえで、履き口の縁がやわらかいもの、くるぶしの出っ張りを避けた高さのものを選びます。クッションを貼るときは痛む場所そのものではなく、その少し下に貼って骨の当たりを浮かせると当たりを逃がしやすくなります。
こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で重心の位置・骨盤の傾き・左右差を確認し、痛む足首だけでなくひざ・股関節・骨盤まで含めて整えるGIFTメソッドでサポートします。痛みが強い時期や腫れと熱っぽさがある時期は、負担を減らす過ごし方のご案内が中心になります。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。
参考文献
- Doherty C, Delahunt E, Caulfield B, Hertel J, Ryan J, Bleakley C. "The incidence and prevalence of ankle sprain injury: a systematic review and meta-analysis of prospective epidemiological studies." Sports Medicine, 2014; 44(1): 123-140. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- van Rijn RM, van Os AG, Bernsen RM, Luijsterburg PA, Koes BW, Bierma-Zeinstra SM. "What is the clinical course of acute ankle sprains? A systematic literature review." The American Journal of Medicine, 2008; 121(4): 324-331.e6. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- Gribble PA, Bleakley CM, Caulfield BM, Docherty CL, Fourchet F, Fong DT, et al. "2016 consensus statement of the International Ankle Consortium: prevalence, impact and long-term consequences of lateral ankle sprains." British Journal of Sports Medicine, 2016; 50(24): 1493-1495. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- Bachmann LM, Kolb E, Koller MT, Steurer J, ter Riet G. "Accuracy of Ottawa ankle rules to exclude fractures of the ankle and mid-foot: systematic review." BMJ, 2003; 326(7386): 417. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- 公益社団法人 日本整形外科学会「足関節の症状一覧」一般向け解説. joa.or.jp
執筆・監修者
安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)
ORCID: 0009-0002-5707-6121
1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年に国際学術誌 PLOS ONE へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表(健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連・PLOS ONE 20(10): e0335268 / https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268)。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国125院・年間延べ80万人来院規模の整体院グループへと育てた。
村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/Fascial Manipulation®・Mulligan Concept 国際資格/givers PT 代表
本記事の専門監修を担当。くるぶしまわりへ負担が集まる仕組みと、足首の動く範囲・立て直す働きを戻すセルフケアの進め方を運動器の視点から監修。






