左脇腹がつるような痛みの多くは、脇腹をおおう筋肉や肋骨の間の筋肉が、疲労・冷え・水分不足・浅い呼吸をきっかけに一時的に強く縮んで起こる筋のけいれんと考えられています。 ふくらはぎのこむら返りと同じ仕組みが、体の横側で起きている状態です。人は1日におよそ2万回呼吸するとされ、その動きを担う肋骨まわりの筋肉は休みなく働き続けています。まず大切なのは、安静にしていても強い痛みが続く・発熱や嘔吐を伴う・冷や汗が出るといった、筋肉のつりでは説明しにくいサインが隠れていないかを見分けることです。そのうえで、どんな場面でつるのか(体をひねったとき・息を深く吸ったとき・冷えや水分不足のとき)に合わせて対処を選ぶと、遠回りを避けやすくなります。
こちらは全国125店舗を展開するこころ整体院グループ(口コミ20,000件以上/平均評価4.8)による、左の脇腹に出るつるような痛みの解説記事です。当グループがお手伝いできるのは、腰や体幹まわりの筋肉・筋膜・姿勢が背景にある痛みへのアプローチです。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、痛む左側だけでなく背骨・骨盤・呼吸のクセまで含めて確認していきます。
⚠️ こんなときは医療機関へ|左脇腹がつるように痛むときに見逃したくないサイン
左の脇腹の奥には、胃・すい臓・腎臓・大腸などが位置しています。そのため、次のようなサインを伴うときは、筋肉のつりでは説明しにくい別の背景が隠れていることがあります。自己判断は避け、まずは内科などの医療機関で確認を受けてください。
- 安静にしていても強い痛みが続く・時間とともに痛みが強まっていく
- 発熱・嘔吐・下痢を伴う/冷や汗が出る・顔色が悪い
- 血尿・血便・黒い便が出た、尿の色や量がいつもと明らかに違う
- 脇腹から背中・肩へ広がるように痛む/転げ回るほど強い痛みが波のように来る
- 食事のあとや排便と関係して、同じ痛みを何度も繰り返している
- 体重が減ってきている、食欲が続かない、だるさが抜けない
- 打撲や転倒のあとから痛み出した/数日たっても痛みがまったく変わらない
筋肉のつりによる痛みは、姿勢を変える・体をゆるめる・呼吸を整えるといった動作で強さが変わるのが特徴です。動いても休んでも痛みがまったく変わらない、あるいは強まり続けるという経過は、内臓側からのサインとして知られています。当グループがお手伝いできるのは筋肉・筋膜・姿勢が背景にある痛みへのアプローチであり、内臓由来のものは医療機関の領域です。迷ったときは、まず医療機関で確認を受けてから、体の使い方の見直しに進んでください。
左脇腹がつるように痛むのはなぜ?けいれんのような痛みが起こる主な原因
脇腹がつるような痛みは、脇腹をおおう筋肉や肋骨の間の筋肉が、自分の意思とは関係なく強く縮んだまま戻りにくくなった状態と考えられています。 ふくらはぎのこむら返りが体の横側で起きているとイメージすると分かりやすくなります。
脇腹には、体をひねる・横に倒す動きを担う腹斜筋と、肋骨と肋骨のあいだで呼吸を助ける肋間筋が重なっています。さらに深い場所には、息を吸うたびに上下する横隔膜があります。これらは「動かそう」と意識しなくても働き続ける筋肉のため、疲れや冷えの影響が出やすい部分です。
つるような痛みが起こる背景としては、次のような要因が重なっていることが多いとされています。
- 水分とミネラルの不足:体重のおよそ60%は水分とされ、汗をかいた日や飲み物が少ない日は筋肉が縮んだまま戻りにくくなります。厚生労働省も、のどが渇く前のこまめな水分補給をすすめています。
- 体の冷え:冷房の風が当たり続ける、薄着で長時間過ごすといった場面では、脇腹の血流が落ちて筋肉が硬くなります。夏場に脇腹がつる相談が増えるのはこのためです。
- 浅い呼吸のクセ:デスクワークやスマートフォンで背中が丸まると、肋骨が広がりにくくなります。肋間筋が縮んだまま固まっているところに、深呼吸・くしゃみ・咳で急に伸ばされると、つるような痛みが走ります。
- 体幹の使いすぎ:ゴルフのスイング、荷物を持って体をひねる作業、腹筋運動などで、脇腹の筋肉に短時間で強い負担がかかった場合です。
- 姿勢のクセによる左右差:いつも同じ側にカバンをかける、片脚に体重を預けて立つといったクセがあると、片側の脇腹だけが縮んだ状態で固定されます。猫背や巻き肩があると、この縮みがさらに強まります。
- 疲労の蓄積:睡眠不足や連日の残業が続くと、筋肉が回復しないまま次の負担を受けます。全身の疲労やだるさと一緒に出ることも少なくありません。
ひとつだけが原因になることは少なく、「汗をかいた日に、冷房の効いた部屋で、丸まった姿勢のまま長時間座っていた」といった重なりで起こることがほとんどです。
なぜ「左」なのか——左側にだけつる痛みが出やすい体の使い方の違い
左の脇腹にだけ症状が出るのは、左側が弱いからではなく、日々の動作で左の体側が引き伸ばされたり縮められたりを繰り返しているからだと考えられています。 体の使い方の左右差が、そのまま痛む側の違いとして現れます。
右利きの動作が左の脇腹に返ってくる
右手で物を取る、右に体をひねって振り返る、右足を軸にして方向を変える——こうした動作が多い方は、体を右へひねるたびに左の脇腹が引き伸ばされます。伸ばされる側の筋肉は、伸びながら踏ん張るという負担の大きい働き方をします。左の脇腹だけが張る、つるという訴えが出やすいのはこのためです。
カバン・抱っこ・寝る向きのクセ
カバンをいつも右肩にかけると、体は左へ傾いてバランスを取ろうとし、左の脇腹が縮んだ状態で固定されます。お子さんを左腕で抱える方は反対に、左の体側が縮み続けます。横向きで寝る向きがいつも同じ場合も、下側になった脇腹が長時間つぶされた状態になります。骨盤の傾きがあると、この左右差はさらに固定されやすくなります。
「つる痛み」と「張る痛み」「刺す痛み」の違い
つるような痛みは、数十秒から数分でピークを迎え、体をゆるめると引いていくのが特徴です。一方、押すと一点だけが痛む、深く息を吸うと鋭く刺すように痛む、といった出方は別の背景が関わっていることがあります。また、動いても休んでも痛みが変わらない場合は、筋肉以外のサインとして早めに医療機関で確認を受けてください。
つる痛みのタイプ別セルフチェック|どの場面でつるかで見分ける
脇腹のつるような痛みは「どんな場面で起きたか」を振り返ると、関わっている筋肉と対処の方向が見えてきます。 ご自身の痛みが次のどのタイプに近いか確認してみてください。
タイプA:体をひねる・伸び上がるときにつる
棚の上の物を取ろうと伸び上がった、振り返った、荷物を持ち上げた——そんな動作の途中で急につるタイプです。脇腹の腹斜筋が急に強く働いたことが背景にあります。ゴルフやテニスなど回旋動作の多いスポーツのあと、あるいは久しぶりに大掃除をした翌日などに起こりやすいのが特徴です。動きを止めてゆっくり息を吐くと、多くの場合で数分のうちに落ち着いていきます。
タイプB:深く息を吸ったとき・くしゃみや咳でつる
深呼吸をした瞬間、くしゃみをした拍子に、左の脇腹が引きつるように痛むタイプです。肋骨のあいだの肋間筋が縮んだまま固まっているところへ、急に大きく引き伸ばされたことが関わっていると考えられています。デスクワークが長い方、肩こりや背中の張りを一緒に抱えている方に多く、呼吸が浅くなっているサインでもあります。
タイプC:走っている最中・汗をかいたあとにつる
ジョギングや早歩きの途中で脇腹がさしこむように痛むタイプです。運動中の脇腹の痛みは、走る習慣のある方の7割前後が過去1年のうちに経験したと報告されており、めずらしいものではありません。汗をかいて水分やミネラルが減った状態、食後すぐの運動、呼吸が浅く速くなっている状態が重なると起こりやすくなります。冷房で体が冷えた日にも同じことが起こります。
【直後の対処】左脇腹がつったときにその場でできる落ち着かせ方
つった直後は、動きを止めて縮んだ筋肉をゆっくり伸ばし、息を長く吐くことが基本です。 力ずくで伸ばしたり、痛みをこらえて動き続けたりせず、まず縮みをゆるめる順番で対処します。
その場でできる手順を整理します。
- ①動きを止めて、息を長く吐く:まず立ち止まるか、いすに腰かけます。鼻から軽く吸い、口から倍の時間をかけて細く吐きます。吐く息に合わせて肋骨が下りると、縮んだ筋肉がゆるみやすくなります。
- ②痛む側をゆっくり伸ばす:左の脇腹がつったなら、左手を天井へ伸ばし、体を右へゆっくり倒します。反動をつけず、痛気持ちよい手前で止め、20〜30秒かけて呼吸を続けます。
- ③手のひらで広くさする:痛む場所を指先で押し込まず、手のひら全体でやさしくさすります。皮膚の上から温めるように触れるだけで、こわばりがゆるみやすくなります。
- ④温かい飲み物で水分を補う:汗をかいたあとであれば、常温か温かい飲み物を少しずつ口に含みます。冷たい飲み物を一気に流し込むと、体の内側から冷えて再びつりやすくなります。
- ⑤落ち着いたら、締めつけをゆるめる:ベルト・きつめのデニム・補正下着など、脇腹を締めつけているものをゆるめると呼吸が入りやすくなります。
多くの場合、これらで数分から十数分のうちに痛みは引いていきます。一方、痛みが強まり続ける、休んでも変わらない、発熱や嘔吐を伴うといったときは、その場での対処を続けず医療機関で確認を受けてください。
【回復の目安】つるような痛みはどれくらいで和らぐ?長引くときの考え方
筋肉のけいれんそのものは数分でおさまり、そのあとに残る張りや鈍い痛みは、数日ほどをかけて和らいでいくことが多いとされています。 あくまで一般的な目安で、背景や生活習慣によって変わります。
経過の目安を段階で整理します。
- つった直後〜数十分:強い引きつりのピーク。動きを止めてゆっくり伸ばすと落ち着いていきます。
- 当日〜2日目:筋肉が急に強く縮んだあとの張り・重だるさが残ります。筋肉痛に近い感覚で、深く息を吸ったときに引っかかることがあります。入浴で温めながら過ごします。
- 3日〜1週間:日常動作での違和感が薄れてくる時期です。呼吸を深くするストレッチや、体側をやさしく伸ばすケアを痛みの出ない範囲で始めます。
- 1〜2週間:張りが抜け、ひねる動作も気にならなくなってくる時期です。ここで水分・冷え・姿勢のクセを見直しておくと、繰り返しにくくなります。
目安として1〜2週間ほど過ごしても張りが抜けない、あるいは月に何度も同じ場所がつるという場合は、その日の疲れではなく体の使い方そのものが背景にあると考えられます。長引く・何度も繰り返すという経過は、痛む脇腹だけでなく背骨・骨盤・呼吸のクセまで含めて見直すと遠回りを避けやすくなります。
動かしてよい?左脇腹がつるときの運動・呼吸・仕事の続け方
つった直後をのぞけば、痛みが強まらない範囲で体を動かすほうが、脇腹まわりの血流がうながされて回復を後押ししやすいとされています。 固めて動かさないより、無理のない範囲で動くほうがよい場合が多いと考えられています。
- 動かしてよい目安:痛みが軽く、動いても強まらない・翌日に持ち越さない程度。平らな道での散歩や、痛みの出ない範囲での家事は続けてよい範囲です。
- 控えたい目安:体をひねると強く痛む、深く息を吸えない、動くたびに痛みが増していく場合。無理に続けず、先に見逃したくないサインがないかを確認します。
- 運動の再開:ゴルフのスイング、テニス、腹筋運動など回旋やひねりを伴う動きは、日常動作で痛みが出なくなってから段階的に戻します。まずはウォーキングや自転車こぎのような、脇腹をひねらない運動から再開すると負担を抑えやすくなります。
- デスクワークの続け方:座り続けると肋骨が広がらないまま固まります。1時間に1回は立ち上がり、両手を上げて体側を軽く伸ばしてから座り直します。
- 呼吸の続け方:痛みが怖くて浅く小さな呼吸を続けると、肋骨がさらに動かなくなります。痛みの出ない深さで、吐く息を長くする呼吸を意識します。
迷ったときは、痛みが翌日に持ち越すかどうかを基準にすると分かりやすくなります。持ち越さない範囲の動きは続けてよい、持ち越すなら手前で止める、という考え方です。
冷やす?温める?つるような痛みと入浴・水分・ミネラルの考え方
筋肉のつりが背景にある脇腹の痛みは、多くの場合「温めて血流をうながす」ほうが楽になりやすいとされています。 冷えたまま縮んだ筋肉は、そのまま固まりやすいためです。
- 温めるとよい目安:張り・こわばり・冷えが中心で、腫れや強い熱感がない痛み。ホットタオルやカイロを服の上から左の脇腹に当てると、こわばりがゆるみやすくなります。
- 冷やしたほうがよい目安:ぶつけた直後などで、患部に腫れ・熱感・内出血があるとき。この場合はタオル越しに短時間冷やして安静にします。
- 入浴のポイント:ぬるめ(38〜40度目安)のお湯にゆっくりつかると体全体の血流がうながされます。湯船の中で、痛みの出ない範囲で体を左右にゆっくり倒すと、体側がやさしく伸びます。
- 水分の摂り方:一度に大量に飲むより、コップ1杯程度をこまめに分けて摂るほうが体にとどまりやすくなります。起床時・入浴前後・就寝前は意識して補います。
- ミネラルの補い方:汗を多くかいた日は、水だけでなく塩分やミネラルを含む飲み物・食事をあわせます。海藻・豆類・乳製品・果物などを日常的に取り入れると、極端な不足を避けやすくなります。
判断に迷うときは、「押すと熱を持っているか」を目安にし、熱感があるうちは冷やす、こわばり・冷えが中心なら温めるへ切り替えると整理しやすくなります。
【自分でできる】左脇腹のつりを和らげる呼吸とセルフケア・ストレッチ
脇腹のセルフケアは、肋骨を広げる呼吸で土台をつくり、そのうえで体側と背中をやさしく伸ばす順番が基本です。 痛みが強い直後は避け、落ち着いてから痛気持ちよい範囲で行います。左右どちらも同じ回数行い、差を埋めていく意識が役立ちます。
1. 肋骨を広げる呼吸(あお向け・座位どちらでも)
両手を左右の肋骨の下のほうに軽く添えます。鼻から息を吸いながら、手のひらを外へ押し広げるように肋骨を横へふくらませます。口から細く長く吐き、肋骨が下りていくのを手で感じます。これを5〜6回。胸や肩が上下しないよう、肩の力は抜いたまま行うのがコツです。呼吸が浅い方ほど、最初は肋骨がほとんど動かないことに気づきます。
2. 体側をやさしく伸ばす(座って行う)
いすに深く腰かけ、左手を天井へまっすぐ伸ばします。息を吐きながら、上半身を右へゆっくり倒し、左の脇腹が伸びるところで止めます。20〜30秒キープし、その間も呼吸を続けます。腰を反らせず、お尻が浮かないよう座面に体重を残すのがポイントです。反動をつけず、伸ばしきらない手前で止めます。
3. 背中と肩甲骨まわりをゆるめる
いすに座り、両手を前で組んで前へ押し出しながら背中を軽く丸めます。次に手を左右に開き、胸を軽く開きます。これを5回ほど繰り返します。背中が丸まったままだと肋骨が広がらず、脇腹の筋肉は縮んだままになります。姿勢のクセを短い時間で何度もリセットすることが、もっとも手軽なセルフケアです。
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⚠️ やってはいけない!左脇腹がつるときの3つのNG行動
NG①:つっている最中に、痛む場所を強く押し込む・叩く
痛いからと、指先や手のひらで脇腹を体重をかけて押し込むのは避けたい行動です。縮んでいる最中の筋肉に強い刺激を加えると、そのまま縮みが強まることがあります。押すのではなく、手のひら全体でやさしくさすりながら、息を長く吐いてゆるめる順番に切り替えてください。
NG②:反動をつけて一気に伸ばす・痛みを超えて伸ばしきる
「伸ばせば戻る」と考えて、勢いよく体を倒したり、痛みをこらえて限界まで伸ばしきったりするのは逆の結果になりやすい選択です。急な伸張は筋肉が身を守ろうとしてさらに縮む反応を招きます。伸ばすときは反動をつけず、痛気持ちよい手前で止め、20〜30秒かけてゆっくり行います。
NG③:冷たい飲み物を一気に流し込む・冷えたまま我慢し続ける
汗をかいたあとに冷たい飲み物を一気に流し込むと、体の内側から冷えて再びつりやすくなります。また、冷房の風が当たり続ける席で薄着のまま我慢を続けるのも避けたい過ごし方です。常温の飲み物を少しずつ、体は服やひざ掛けで守る——この2つだけでも繰り返しにくくなります。
繰り返さないための予防と再発防止|衣服・クッション・水分の習慣
同じ場所を何度もつらせないためには、水分・冷え・呼吸・左右差の4つを日常のなかで整えておくことが予防の基本です。 痛みが和らいだあとこそ、習慣づくりが役立ちます。
- のどが渇く前に水分を摂る:起床時・入浴前後・就寝前を固定の合図にして、コップ1杯ずつ分けて補います。汗をかいた日は塩分やミネラルもあわせます。
- 脇腹を冷やさない:冷房の風が直接当たる席では、薄手のカーディガンやひざ掛けで体側を覆います。腹巻きのように脇腹まで包むものも役立ちます。
- 締めつけない服を選ぶ:きついベルトや硬いウエストのボトムスは、肋骨と骨盤のあいだの動きを止めます。座って作業する時間が長い日は、締めつけの少ないものを選びます。
- いす・クッションで骨盤を立てる:坐骨が沈み込みすぎない硬さのクッションを使うと骨盤が立ち、背中が丸まりにくくなります。背もたれとの間に薄いクッションを1枚入れるのも有効です。
- カバンの持ち方を左右で入れ替える:いつも同じ肩にかけるクセをやめ、こまめに持ち替えます。リュックにすると左右差そのものが生まれにくくなります。
- 1時間に1回、体側を伸ばす:立ち上がって両手を上げ、左右へゆっくり体を倒すだけで十分です。短い時間で何度もリセットするほうが、まとめて長く伸ばすより続きます。
何度も同じ側の脇腹がつるという方は、その日の疲れではなく体の使い方が土台にあります。急な腰の痛みを繰り返す方と同じで、痛む場所のケアだけでなく、姿勢と生活のクセを見直すことが再発防止の近道です。
【詳しく知りたい方へ】つるような痛みが起こる医学的メカニズム
筋肉のつりは、筋肉の長さや張力を感じ取るセンサーの働きが一時的に乱れ、縮む指令が過剰に出続けた状態と説明されています。 ポイントを整理します。
1. 筋紡錘と腱紡錘のバランス
筋肉には、伸ばされたことを感じ取るセンサー(筋紡錘)と、張力が高まりすぎたことを感じ取って力をゆるめるセンサー(腱紡錘)があります。疲労や脱水でこのバランスが崩れると、ゆるめる側の働きが弱まり、縮む指令が出続けやすくなると考えられています。つったときに「縮んだ方向と逆へゆっくり伸ばす」と落ち着くのは、腱紡錘に働きかけて力をゆるめる方向に戻すためだと説明されています。
2. 呼吸と横隔膜・肋間筋のつながり
脇腹の筋肉は、体をひねる役割と同時に呼吸を支える役割も担っています。背中が丸まった姿勢では肋骨が広がりにくく、横隔膜と肋間筋は狭い範囲を小刻みに動かし続けることになります。この状態が続くと筋肉は縮んだまま固まり、深呼吸・くしゃみ・咳のように急に大きく伸ばされる場面で、つるような痛みが起こりやすくなります。走っている最中の脇腹の痛みも、呼吸のリズムと体幹の動きが噛み合わなくなった状態として説明されています。
3. 姿勢の左右差と筋のこわばり
体の左右差は、姿勢の評価で確認できる範囲のものが多く、当グループの創業者が筆頭著者として発表したPLOS ONEの研究でも、健康な成人において安静時の左右非対称と筋のこわばりとの関連が報告されています。脇腹のつりも、片側だけが縮んだまま固定される状態が土台にあることが少なくありません。痛む筋肉そのものより、その筋肉を縮ませ続けている姿勢と呼吸のクセへ視点を移すと、根本にアプローチしやすくなります。
GIFTの視点:揉まない・押さない左脇腹のつりへのアプローチ
こころ整体院グループのGIFTメソッドは、「揉まない・押さない・整える」が基本コンセプトです。つっている脇腹を強い刺激で押しほぐすのではなく、その筋肉を縮ませ続けている背骨・骨盤・呼吸のクセを見直し、肋骨が本来の範囲で動ける土台づくりをサポートします。なお、強い刺激で筋肉をゆるめる方法は一時的な軽さを感じやすい一方、姿勢の根本要因へのアプローチが難しい場合があります。
- AI姿勢分析で左右差を確かめる … AI姿勢分析で、背骨の傾きや骨盤の左右差、重心の前後バランスを数値とビジュアルで確認します。
- 姿勢のクセに合わせて整える … 痛む左の脇腹だけでなく、腰や背中・肩甲骨まわりの動きも含めて整え、肋骨が広がりやすい状態をつくります。
- セルフケアで定着 … 院でのケアと、ご自宅でできる呼吸・体側のストレッチ・水分と冷えの見直しを組み合わせ、戻りにくい状態を目指します。
まとめ
左脇腹がつるような痛みは、多くの場合、脇腹をおおう筋肉や肋骨のあいだの筋肉が、疲労・冷え・水分不足・浅い呼吸をきっかけに一時的に強く縮んで起こる筋のけいれんと考えられています。けいれんそのものは数分でおさまり、そのあとの張りも数日から1〜2週間ほどをかけて和らいでいくとされています。大切なのは、安静にしていても痛みが強まり続ける・発熱や嘔吐を伴う・背中へ広がる・食事や排便と関係して繰り返すといった、筋肉のつりでは説明しにくいサインを見分けること、そしてどの場面でつるのか(ひねったとき・深く息を吸ったとき・汗をかいたあと)に合わせて対処を選ぶことです。つった直後は動きを止めて息を長く吐き、縮んだ方向と逆へゆっくり伸ばす。落ち着いたら肋骨を広げる呼吸と体側のストレッチで土台を整える——この順番を意識すると遠回りを避けやすくなります。何度も同じ側がつるという方は、痛む場所だけでなく姿勢と呼吸のクセの見直しが近道です。お近くのこころ整体院グループの店舗で、AI姿勢分析を起点に体の左右差を確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
脇腹をおおう筋肉や肋骨のあいだの筋肉が、疲労・冷え・水分不足・浅い呼吸をきっかけに一時的に強く縮んだまま戻りにくくなった状態と考えられています。ふくらはぎのこむら返りと同じ仕組みが体の横側で起きているイメージです。ひとつの原因というより、汗をかいた日に冷えた部屋で丸まった姿勢のまま過ごした、といった重なりで起こることがほとんどです。
左側が弱いというより、日々の動作で左の体側が伸ばされたり縮められたりを繰り返していることが背景にあります。右利きの方は体を右へひねる動作が多く、そのたびに左の脇腹が引き伸ばされます。カバンをいつも右肩にかける、横向きで寝る向きがいつも同じといったクセも、片側だけに負担を集めます。
まず動きを止め、鼻から軽く吸って口から倍の時間をかけて細く吐きます。次に、つった側の手を天井へ伸ばし、反対側へゆっくり体を倒して20〜30秒かけて伸ばします。痛む場所は押し込まず、手のひら全体でやさしくさすってください。落ち着いたらベルトなどの締めつけをゆるめ、常温の飲み物を少しずつ補います。
けいれんそのものは数分でおさまることが多く、そのあとに残る張りや重だるさは、多くの場合で数日から1〜2週間ほどをかけて和らいでいくとされています。1〜2週間過ごしても張りが抜けない、月に何度も同じ場所がつるというときは、その日の疲れではなく体の使い方が背景にあると考えられるため、店舗や医療機関でご相談ください。
痛みが怖くて浅く小さな呼吸を続けると、肋骨がさらに動かなくなり、こわばりが強まりやすくなります。痛みの出ない深さで構いませんので、吐く息を長くする呼吸を続けてください。両手を肋骨の下に添えて、吸うときに手のひらを外へ押し広げるように広げると、無理なく肋骨が動きやすくなります。
運動中の脇腹の痛みは、走る習慣のある方の7割前後が過去1年のうちに経験したと報告されており、めずらしいものではありません。汗をかいて水分やミネラルが減った状態、食後すぐの運動、呼吸が浅く速くなっている状態が重なると起こりやすくなります。いったん歩く速さに落とし、息を長く吐きながら体側を伸ばすと落ち着きやすくなります。
張り・こわばり・冷えが中心のときは、温めて血流をうながすほうが楽になりやすいとされています。ホットタオルやカイロを服の上から当てる、ぬるめ(38〜40度目安)のお湯にゆっくりつかるのが目安です。ぶつけた直後などで腫れ・熱感があるときは、タオル越しに短時間冷やして安静にしてください。
痛みが軽く、動いても強まらない・翌日に持ち越さない程度であれば、散歩や日常の家事は続けてよい範囲です。体をひねると強く痛む、深く息を吸えないという場合は無理に続けないでください。ゴルフやテニス、腹筋運動などひねりを伴う動きは、日常動作で痛みが出なくなってから段階的に戻します。
水分・冷え・呼吸・左右差の4つを日常のなかで整えることが基本です。のどが渇く前にコップ1杯ずつこまめに補う、冷房の風から体側を覆う、締めつけの強い服やベルトを避ける、カバンをかける肩をこまめに入れ替える。あわせて1時間に1回、立ち上がって体側を左右へ伸ばす習慣をつけると、縮んだまま固まりにくくなります。
こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で背骨の傾きや骨盤の左右差を確認し、痛む脇腹だけでなく背中・肩甲骨・骨盤まで含めて姿勢全体を整えるGIFTメソッドでサポートします。肋骨が広がりやすい状態をつくり、ご自宅での呼吸と体側のストレッチを組み合わせて定着を目指します。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。
参考文献
- 厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動(体内の水分と水分補給に関する一般向け解説).
- 厚生労働省 e-ヘルスネット(姿勢・運動・水分と身体の不調に関する解説).
- Morton DP, Callister R. Exercise-Related Transient Abdominal Pain (ETAP). Sports Medicine, 2015;45(1):23-35.(運動中の腹部・脇腹の痛みの経験率と発生機序に関する総説)
- 日本整形外科学会「腰背部の痛み」一般向け解説.
- 安藝泰弘, 沖野一平, 津山元気, 谷津義康, 西条寿夫, 髙本考一(2025)「健康な成人における安静時肩甲骨位置の非対称性と僧帽筋上部の潜在性トリガーポイントとの関連」PLOS ONE 20(10): e0335268. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0335268
執筆・監修者
安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/giversホールディングス 代表取締役・東亜大学大学院 博士課程
こころ整体院グループ 創業者(本記事の執筆・総監修)。
1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年にPLOS ONE誌へ姿勢分析に関する研究論文を筆頭著者として発表。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国の整体院グループへと育てた。
村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/givers PT 代表
本記事の理学療法監修を担当。リハビリテーション・運動器評価の視点から、脇腹に起こる筋のけいれんのセルフケアと再発予防を監修。







