つまずくのはなぜ?やってはいけない3つのNG習慣と予防ストレッチ

つまずくのはなぜ?やってはいけない3つのNG習慣と予防ストレッチ

  • 監修日: 2026-07-17
  • 監修・執筆: 村石 喜伸(理学療法士/givers PT 代表)
  • 総監修: 安藝 泰弘(柔道整復師/giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者・PLOS ONE 掲載論文著者)
※本稿は一般的な情報提供です。強い症状・急な変化がある場合は、必ず医療機関で評価を受けてください。
この記事のポイント

何もないところでつまずく主な原因は、不注意ではなく「足が思ったほど上がっていないこと」です。 足を持ち上げる筋肉(足の付け根の腸腰筋・すねの前脛骨筋)のこわばりや疲労、猫背・骨盤後傾といった姿勢のクセが重なると、つま先が床に引っかかりやすくなります。目安として、歩行研究では歩いているときのつま先と床のすき間は平均約1〜2cmと報告されており(Winter, 1992)、足の上がりがほんの少し減るだけでつまずきは起こります。なお「つまづく」と書かれることもありますが、同じ意味です。本記事では、やってはいけないNG習慣と今日からできる予防ストレッチまでを解説します。

こちらは全国125院・年間延べ80万人のクライアント様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、つまずき・足の上がりにくさ(股関節まわりの働き)の解説記事です。AI姿勢分析GIFTメソッドで、姿勢のクセと足が上がりにくくなる根本原因にアプローチします。

⚠️ すぐに医療機関へ

次のようなサインがある場合は、筋肉や姿勢の問題ではなく、神経や脳・骨の異常が隠れていることがあります。自己判断は避け、まずは医療機関で評価を受けてください。

  • 片側の手足に急に力が入らなくなった・ろれつが回らない・顔がゆがむ
  • お尻から脚にかけてしびれや感覚の鈍さが続く
  • 意識してもつま先が上がらず、足を引きずるように歩いてしまう
  • つまずく回数が急に増えた・週に何度も転ぶようになった
  • 安静にしていても脚の強い痛みが続く・夜も眠れない

これらは姿勢や筋力が原因のつまずきではなく、脳血管の異常や腰部脊柱管狭窄症、頸椎の神経の圧迫などのサインのことがあります。

つまずき危険サイン

何もないところでつまずくのはなぜ?主な原因3つ

何もないところでつまずく背景には、「足を持ち上げる筋肉のこわばり・疲労」と「姿勢のクセ」という2系統の要因があります。 段差につまずくのではなく平らな床で引っかかる場合、注意力よりも体の使い方が変わってきているサインと考えられます。代表的な3つの原因を見ていきましょう。

原因1:足の付け根の筋肉(腸腰筋)のこわばり・筋力低下

腸腰筋は、腰の骨と骨盤から太ももへつながり、ももを持ち上げる中心的な筋肉です。座っている時間が長いと腸腰筋は縮んだままこわばり、立って歩くときにももが上がりにくくなります。目安として、20か国の国際比較研究(Bauman ほか, 2011)では、日本人の平日の座位時間は1日約7時間(420分)と世界最長級と報告されています。デスクワーク中心の方ほど、年齢に関係なく腸腰筋がこわばりやすい環境にあるといえます。だからこそ、股関節の付け根を伸ばす習慣づくりが、つまずき予防の第一歩になります。

原因2:すねの筋肉(前脛骨筋)の疲労でつま先が下がる

歩くとき、つま先を持ち上げているのはすねの前側にある前脛骨筋です。長時間の立ち仕事や歩き疲れ、かかとが固定されない履き物での歩行が続くと、この筋肉が疲労してつま先がわずかに下がり、床に引っかかりやすくなります。夕方や疲れた日につまずきが増える方は、このパターンの可能性があります。すねの筋肉は座ったままでも動かせるので、こまめな「つま先上げ」で疲労をため込まないことがポイントです。

原因3:猫背・骨盤後傾など姿勢のクセで足が前に出にくい

背中が丸まり骨盤が後ろに倒れる姿勢(骨盤後傾)になると、重心が後ろに残り、ももが上がりにくく歩幅が狭くなって、すり足に近い歩き方になります。猫背などの姿勢の崩れ骨盤の歪みを放置すると、筋力があってもつま先は床に近い軌道を通ります。つまずきやすさは「足」だけでなく「姿勢」から整えることが近道です。

つまずき原因3タイプ

あなたのつまずきタイプは?30秒セルフチェック

自分のつまずきの原因がどこにあるかは、道具なしの4つの動きで見当をつけられます。 無理のない範囲で、壁や手すりの近くなど安全な場所で試してください。

  • ① もも上げチェック(腸腰筋):椅子に座ったまま、ひざを胸へ向けてスッと持ち上げられるか。重だるく上がりにくければ、足の付け根のこわばりが疑われます。
  • ② 片足立ちチェック(バランス・お尻の筋肉):支えなしで片足立ちが目安20秒保てるか。ふらつく側があれば、骨盤を支える中臀筋の弱まりが考えられます。
  • ③ かかと歩きチェック(前脛骨筋):つま先を上げたまま、かかとで5歩歩けるか。すねがすぐ疲れる・つま先が保てない場合は、すねの筋肉の疲労タイプです。
  • ④ 壁立ちチェック(姿勢):壁を背にして立ち、後頭部・背中・お尻が無理なく壁につくか。後頭部がつかない場合は、猫背・骨盤後傾のクセが隠れています。

2つ以上当てはまった方は、次章の予防ストレッチとあわせて、姿勢そのものを整えるケアを始めるタイミングです。

30秒セルフチェック

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監修者より(監修・執筆・村石 喜伸/総監修・安藝 泰弘)

「何もないところでつまずくようになった」というご相談は、年代を問わず増えています。理学療法の視点(村石)からお伝えすると、まず確認したいのは、しびれや脱力といった神経のサインが隠れていないかどうか。そのうえで大切なのは、つまずきを「注意力の問題」で終わらせず、股関節の付け根・すね・姿勢という3つの観点から体の使い方を見直すことです。総監修の安藝より——臨床28年・年間延べ80万人のクライアント様と向き合い、PLOS ONE誌に姿勢分析の論文を発表してきた経験からも、足だけを鍛えるのではなく、骨盤や背骨を含めた姿勢全体を整えることが、つまずきにくい歩き方への近道だと考えています。

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今日からできる!つまずき予防ストレッチ&足上げケア3選

つまずき予防の基本は、「足の付け根を伸ばす」「つま先を持ち上げる」「骨盤を支える」の3方向を毎日少しずつ動かすことです。 どれも1回1〜2分ででき、道具は不要です。痛みを感じる手前の心地よい範囲で行い、反動はつけないでください。

① 足の付け根のばし(腸腰筋ストレッチ)

片ひざ立ちになり、後ろ脚側の足の付け根を前へ突き出すように体重を移します。後ろ脚の付け根が伸びる位置で20〜30秒キープし、左右2セットが目安です。腰を反らせず、骨盤を立てたまま行うのがコツです。デスクワークの合間や入浴後に行うと、こわばりがゆるみやすくなります。

② つま先上げ運動(前脛骨筋の活性化)

椅子に座り、かかとを床につけたままつま先をできるだけ高く引き上げて2秒止め、ゆっくり下ろします。10回×2〜3セットが目安です。すねの前側が軽く張る感覚があれば、正しく使えています。テレビを見ながら、仕事の合間など「ながら」で続けやすい運動です。

③ 横向き足上げ(中臀筋エクササイズ)

横向きに寝て体をまっすぐにし、上側の脚をかかとから斜め後ろへゆっくり持ち上げて下ろします。10回×左右2セットが目安です。骨盤が後ろへ倒れないよう、お腹に軽く力を入れて行います。片足立ちのふらつきが気になった方に特におすすめです。

予防ストレッチ3選

【詳しく知りたい方へ】つまずきが起こる体のメカニズム

つまずきは「つま先と床のすき間」がわずかに減ることで起こります。 ポイントを3つに整理します。

1. つま先と床のすき間は平均約1〜2cmしかない

目安として、歩行分析の代表的研究(Winter, 1992, Physical Therapy)では、歩行中に足を前へ振り出す局面でのつま先と床の最小のすき間(トゥクリアランス)は平均約1.3cmと報告されています。もともと数センチ以下の余裕しかないため、筋肉のこわばりや姿勢の変化で足の軌道が数ミリ下がるだけで、平らな床でも引っかかります。だからこそ、日々のストレッチで足の上がりを保つ意味は大きいのです。

2. 「骨折・転倒」は介護が必要となる主な原因の約13%

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」では、介護が必要となった主な原因のうち「骨折・転倒」は約13%を占めると報告されています。数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、裏を返せば、つまずきの段階で筋力と姿勢を整えておくことは、将来への十分な備えになるということです。今の「ヒヤッ」は、体を見直すよい機会と捉えましょう。

3. 姿勢の左右差・非対称性と筋肉のこわばりの関係

体の非対称性が特定の筋肉のこわばりと関連することは、安藝泰弘ほか「上部僧帽筋の潜在的トリガーポイントと肩甲骨の非対称性に関する研究」PLOS ONE, 2025(DOI:10.1371/journal.pone.0335268)でも報告されています。左右どちらか一方の足ばかりつまずく方は、骨盤や肩甲骨の高さの左右差が背景にあることも。片側だけ鍛えるのではなく、全身のバランスを評価してから整えることが役立ちます。

GIFTの視点:つまずきにくい体づくりへの根本アプローチ

こころ整体院グループのGIFTメソッドは、「揉まない・押さない・整える」が基本コンセプトです。つまずきやすさに対しては、足の筋肉だけを見るのではなく、骨盤・背骨を含めた姿勢全体から原因を探ります。

  1. AI姿勢分析で原因を数値で確認AI姿勢分析で、骨盤の傾き・重心の位置・体の左右差をビジュアルで確認します。
  2. 姿勢のクセに合わせて整える … 猫背・骨盤後傾など足が上がりにくくなる土台のクセを整え、股関節が動きやすい状態をサポートします。
  3. セルフケアで定着 … 院でのケアと、本記事の予防ストレッチのようなご自宅でのセルフケアを組み合わせ、つまずきにくい歩き方の定着を目指します。

疲れがたまって足が重い時期は、疲労回復のケアから始めるのも一つの方法です。

AI姿勢分析

⚠️ やってはいけない!つまずきやすい人の3つのNG習慣

NG①:かかとの浅いスリッパ・サンダルで家の中を歩く

かかとが固定されない履き物は、脱げないよう無意識につま先を上げないすり足歩きになり、つまずきやすさを助長します。室内では、かかとまで覆われる室内履きか、滑りにくい靴下に替えるのがおすすめです。

NG②:「不注意のせい」と片づけて、足元だけ見て小股で歩く

足元ばかり見ると頭が下がって背中が丸まり、ももはさらに上がりにくくなります。原因である姿勢と筋肉のこわばりを放置したままでは、注意していてもつまずきは繰り返しやすいもの。視線は数メートル先へ、歩幅は普段どおりを意識しましょう。

NG③:つまずきが気になって運動や外出を控える

動かない時間が増えるほど、足を持ち上げる筋肉は使われなくなり、つまずきやすさが進みやすくなります。控えるのではなく、本記事のセルフチェックとストレッチで「安全に動ける範囲」から動きを増やすことが予防につながります。

NG習慣3比較

まとめ

何もないところでつまずくのは、不注意ではなく「足が思ったほど上がっていない」サインです。原因は、足の付け根(腸腰筋)のこわばり、すね(前脛骨筋)の疲労、猫背・骨盤後傾という姿勢のクセの3つが代表的で、歩行中のつま先と床のすき間はもともと平均約1〜2cmしかありません。まずは30秒セルフチェックで自分のタイプを知り、「足の付け根のばし」「つま先上げ」「横向き足上げ」の3つのケアを毎日の習慣にしましょう。スリッパでのすり足歩きや、運動を控える習慣は避けたいNG行動です。つまずきが続く・左右差が気になる場合は、お近くのこころ整体院グループの店舗で、AI姿勢分析を起点に姿勢と歩き方のクセを確認してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1: 何もないところでつまずくのは病気ですか?

多くは筋肉のこわばりや姿勢のクセによるもので、過度に心配する必要はありません。片側の脱力・しびれ・急な回数の増加などのサインがある場合は、まず医療機関で評価を受けてください。

Q2: 「つまづく」と「つまずく」はどちらが正しいですか?

現代仮名遣いでは「つまずく」が本則とされています。「つまづく」と書かれることもありますが、意味は同じです。本記事の内容はどちらの表記で調べた方にも当てはまります。

Q3: 若いのにつまずきやすいのはなぜですか?

年齢よりも、長時間の座位や運動不足による腸腰筋のこわばり、猫背などの姿勢のクセが影響していることが多いです。デスクワーク中心の20〜40代でも起こります。

Q4: つまずきやすさは年齢のせいであきらめるしかありませんか?

あきらめる必要はありません。足を持ち上げる筋肉は何歳からでも動かした分だけ応えてくれます。ストレッチと姿勢のケアを組み合わせることで、つまずきにくい歩き方を目指せます。

Q5: 予防ストレッチはどのくらいの頻度で行えばよいですか?

毎日1回、合計5分程度が目安です。体が温まっている入浴後や、デスクワークの休憩時に行うと続けやすく、こわばりもゆるみやすくなります。

Q6: 家の中でできる転倒予防の工夫はありますか?

床の動線に物やコード類を置かない、かかとまで覆う室内履きに替える、夜間の通路に足元灯をつける、の3つが手軽で役立ちます。履き物の見直しは特におすすめです。

Q7: つまずきにくい靴選びのポイントは?

かかとがしっかり固定される、つま先が少し反り上がっている、軽くて底が滑りにくい、の3点が目安です。サイズの合わない大きめの靴は、すり足の原因になるため避けましょう。

Q8: ウォーキングはつまずき予防になりますか?

なります。視線を数メートル先に置き、歩幅をやや広めに、腕を軽く振って歩くと、ももが上がりやすくなります。あわせて足の付け根のストレッチを行うとより整いやすくなります。

Q9: 片足立ちが20秒できません。問題がありますか?

20秒はあくまで目安です。ふらつきが強い・左右差が大きい状態が続く場合は、バランスを支えるお尻の筋肉や姿勢のクセを、専門家と一緒に確認するのがおすすめです。

Q10: ストレッチ中に痛みが出たらどうすればよいですか?

すぐに中止し、痛みのない範囲まで動きを小さくしてください。鋭い痛みやしびれを伴う場合は続行せず、医療機関で評価を受けてから再開しましょう。

Q11: 整体ではつまずきやすさにどうアプローチしますか?

こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で骨盤の傾きや体の左右差を確認し、足が上がりにくくなる姿勢のクセをGIFTメソッドで整えます。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。

参考文献

  1. 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」(介護が必要となった主な原因).
  2. 目安として:Winter DA. "Foot trajectory in human gait: a precise and multifactorial motor control task." Physical Therapy, 1992; 72(1): 45-53.
  3. Bauman A, et al. "The descriptive epidemiology of sitting: a 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ)." American Journal of Preventive Medicine, 2011; 41(2): 228-235.
  4. 日本整形外科学会「ロコモティブシンドローム」一般向け解説.
  5. 安藝泰弘ほか「上部僧帽筋の潜在的トリガーポイントと肩甲骨の非対称性に関する研究」PLOS ONE, 2025(DOI:10.1371/journal.pone.0335268).

監修・執筆者

村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/givers PT 代表
本記事の監修・執筆を担当。リハビリテーション・歩行と姿勢評価の視点から、つまずきの原因とセルフケアを解説。

安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/東亜大学大学院 博士課程
giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者(本記事の総監修)

1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2025年にPLOS ONE誌へ姿勢分析に関する研究論文を発表。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国の整体院グループ・年間延べ80万人来院規模へと育てた。