寝ながらスマホが体に与える主な負担は、首・肩こり、眼精疲労、そして睡眠の質の低下の3つです。 寝転んだ姿勢では首が不自然な角度に固定されやすく、頭の重さ(成人で約4〜6kg)が一点に集中します。さらに画面のブルーライトが睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑え、寝つきを妨げることが報告されています。負担を減らす基本は「画面を目線の高さに近づける」「就寝の60分前には手放す」の2つです。寝姿勢(仰向け・横向き・うつ伏せ)によって首への負担のかかり方は変わります。
こちらは全国125院・年間約80万人のクライアント様に向き合ってきたこころ整体院グループによる、首・肩こりの解説記事です。AI姿勢分析とGIFTメソッドで、寝ながらスマホで生じる首・肩の負担と姿勢のクセを見える化し、根本原因にアプローチします。
⚠️ すぐに医療機関へ
次のようなサインがある場合は、姿勢のクセだけが原因ではなく、神経や骨の異常が隠れていることがあります。自己判断は避け、まずは整形外科で評価を受けてください。
- 腕や手にしびれ・力の入りにくさが続く(肘部管症候群・手根管症候群などのサインのことがあります)
- 首を動かすと電気が走るような鋭い痛みがある
- ものが二重に見える、目の奥の強い痛みや頭痛を伴う
- 足のもつれ・歩きにくさ、手先の細かい動作のしにくさを伴う
- 安静にしていても強い痛みが続き、夜も眠れない
これらは寝ながらスマホによる一時的な負担ではなく、頸椎症性脊髄症や神経の圧迫などのサインのことがあります。
寝ながらスマホの悪影響とは?まず知りたい3つの負担
寝ながらスマホで起こりやすい代表的な負担は、首・肩への負担、目への負担、睡眠への負担の3つです。 順に整理します。
総務省の調査では、日本人のスマートフォンの平日1日あたりの利用時間は、全年代平均で約2時間半(145.0分)にのぼり、特に20代では約3時間半に達するとされています。寝床での利用も一般化しており、長時間の前傾・横向き姿勢が首や目に負担を与える機会が増えています。
- 首・肩への負担:寝転ぶと首が一定の角度で固定され、頭の重さ(約4〜6kg)が偏ってかかります。起床時の首こり・肩こり・寝違えにつながることがあります。
- 目への負担:画面と目の距離が近づきやすく、ピント調整を担う筋肉が緊張し続けて、目のかすみ・痛みなどの眼精疲労が起こりやすくなります。
- 睡眠への負担:画面のブルーライトと脳への刺激が、寝つきと眠りの深さを妨げる方向にはたらきます。
なぜ首に負担がかかるのか?頭の重さと頸椎のしくみ
寝ながらスマホで首がつらくなるのは、約4〜6kgある頭の重さを、首の骨(頸椎)が不自然な角度で支え続けるからです。 健康な頸椎は横から見ると、ゆるやかに前方へカーブ(前弯)し、頭の重さをバネのように分散しています。
寝転んだ姿勢でスマホをのぞき込むと、この自然なカーブが崩れ、特定の筋肉だけが緊張したまま固定されます。日中の立ち姿勢でも、前へ傾く角度が増すほど首の負担は大きくなります。目安として、Hansraj(2014, Surgical Technology International)の生体力学研究では、頭が前傾する角度が増すごとに頸椎にかかる荷重が大きくなり、0度で約4〜5kg、15度で約12kg、30度で約18kg、60度で約27kg相当に達すると報告されています。
寝ながらの姿勢は、日中の前傾負担に加えて、本来は首を休ませるべき時間にも負担を重ねてしまう点に注意が必要です。
やってはいけない!寝ながらスマホのNG姿勢3選
寝ながらスマホで特に首への負担が大きいのは、「仰向けで真上から見る」「横向きで首を折る」「うつ伏せで首をひねる」の3姿勢です。 それぞれ負担のかかり方が異なります。
NG①:仰向けで腕を上げて真上から見る
仰向けで両腕を持ち上げてスマホを支える姿勢は、肩と腕の筋肉が緊張し続け、肩こりにつながりやすくなります。腕を下げてあごを引き、画面をのぞき込むと、今度は首が前へ折れて頸椎の後ろ側に負担が集中します。
NG②:横向きで首を「くの字」に折る
横向きでまくらから頭が浮いた状態でスマホを見ると、首が「くの字」に折れ、片側の首・肩に体重が集中します。下になった側の腕がしびれやすくなるのも、この姿勢の特徴です。腕の神経が圧迫されると、肘部管症候群や手根管症候群につながることもあります。
NG③:うつ伏せで首を左右にひねる
うつ伏せは、重い頭を支えながら首を左右どちらかに大きくひねった状態が続くため、頸椎へのねじれ負担が最も大きい姿勢です。胸やお腹も圧迫され、呼吸が浅くなりやすい点も負担になります。
首・肩こりでお悩みの方へ。
全国のこころ整体院でAI姿勢分析を受けられます。
寝ながらスマホで起こる不調を整理する
寝ながらスマホが背景となって起こりやすい不調を、部位別に整理します。
首・肩こりとストレートネックの助長
スマホを見る前傾・うつむき姿勢が習慣になると、首が前へ出たまま固定され、頸椎の自然なカーブが浅くなるストレートネックを助長することがあります。猫背や巻き肩で背中が丸まると、頭はさらに前へ出やすくなり、首・肩への負担が積み重なります。
眼精疲労・ドライアイ
暗い部屋で近い距離の画面を見続けると、ピント調整を担う毛様体筋が緊張し続け、目のかすみ・痛み・頭痛などの眼精疲労が起こりやすくなります。あわせて、画面に集中するとまばたきの回数が減り、目の表面が乾くドライアイにもつながりやすくなります。横になって片目に負担が偏ると、一時的にピントが合いにくくなる方もいます。
睡眠の質の低下
スマホ画面に含まれるブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑える方向にはたらきます。厚生労働省の睡眠に関する解説でも、就寝前のスマートフォン等の使用は入眠の妨げになりやすいとされています。あわせて、通知やSNSによる脳の興奮も、寝つきと眠りの深さを妨げます。
腕・手のしびれ
横向きで体の下になった腕や、長時間同じ姿勢で曲げ続けた肘は、神経が圧迫されてしびれが出ることがあります。一時的なものが多い一方、しびれや力の入りにくさが続く場合は、神経の問題が隠れていることもあるため、医療機関での評価が安心です。
【詳しく知りたい方へ】負担が積み重なるメカニズム
寝ながらスマホの負担は、一回の姿勢ではなく「長時間×不自然な角度×回復時間の減少」という重なりで大きくなります。 ポイントを整理します。
1. 不自然な角度での持続的な筋緊張
寝転んだ姿勢では、首・肩の一部の筋肉だけが頭を支え続けるため、緊張がとれにくくなります。前傾角度が大きいほど頸椎の負担が増えることは、前述のHansraj(2014)の研究でも目安として示されています。
2. 本来「休ませる時間」に負担を重ねる
睡眠の前後は、本来は首や目を休ませて回復させる時間です。この時間にスマホを見続けると、回復の機会が減り、翌朝に首こり・目の疲れを持ち越しやすくなります。
3. 睡眠の質低下が回復力を下げる
ブルーライトと脳の興奮で睡眠が浅くなると、筋肉や目の疲労が十分に回復しにくくなります。首の負担と睡眠の質低下が互いに影響し合い、不調が長引く悪循環につながることがあります。
GIFTの視点:揉まない・押さない首肩へのアプローチ
こころ整体院グループのGIFTメソッドは、「揉まない・押さない・整える」が基本コンセプトです。寝ながらスマホで固まった首を強い刺激で押しほぐすのではなく、首が本来のカーブを取り戻しやすい土台づくりをサポートします。なお、マッサージは即効性に優れる一方、姿勢の根本要因(肩甲骨や背骨のバランス)へのアプローチが難しい場合があります。
- AI姿勢分析で原因を見える化 … AI姿勢分析で、頭の前方位置や背骨のカーブ、左右差を数値とビジュアルで確認します。
- 姿勢のクセに合わせて整える … 首だけでなく、丸まった背中や肩甲骨の動きも含めて整え、首・肩への負担を減らします。
- セルフケアで定着 … 院でのケアと、ご自宅でできるスマホの使い方・首肩のセルフケアを組み合わせ、戻りにくい状態を目指します。
負担を減らす使い方と就寝前ルール
寝ながらスマホをやめられない場合も、「画面を目線に近づける」「就寝60分前に手放す」「時間を区切る」の3つで負担はぐっと減らせます。 すぐに試せる工夫を紹介します。
使い方の工夫:画面を目線の高さに近づける
寝転んでスマホを見るときも、画面を下にのぞき込むのではなく、できるだけ目線の高さに近づけ、あごを引きすぎない位置に保ちます。横向きのときは、まくらやクッションで頭の高さを確保し、首が「くの字」に折れないようにします。スマホスタンドを使うと、腕を上げ続ける負担も減らせます。
時間を区切る:20〜30分で姿勢をリセット
同じ姿勢が長く続くほど負担が積み重なります。目安として20〜30分ごとに姿勢を変え、首を軽く回す・肩を上下に動かすなどで一度リセットします。
就寝前ルール:60分前にはスマホを手放す
厚生労働省の睡眠の解説でも、就寝前のスマートフォン使用は入眠を妨げやすいとされています。理想は就寝の60分前に手放すこと。難しい場合は、画面の明るさを下げる・暖色(ナイトモード)にする・通知をオフにするだけでも、目と脳への刺激を減らせます。
環境を整える:スマホを手の届かない場所に置く
寝床から少し離れた場所にスマホを置くと、「つい手に取る」習慣が減ります。目覚まし代わりに使っている方は、専用の目覚まし時計に切り替えるのも一つの方法です。
まとめ
寝ながらスマホが体に与える主な負担は、首・肩こり、眼精疲労、睡眠の質の低下の3つです。寝転んだ姿勢では首が不自然な角度で固定され、約4〜6kgの頭の重さが偏ってかかります。負担が特に大きいのは「仰向けで腕を上げて真上から見る」「横向きで首を折る」「うつ伏せで首をひねる」の3姿勢です。やめられない場合も、画面を目線に近づける・20〜30分で姿勢をリセットする・就寝60分前には手放すの工夫で負担はぐっと減らせます。起床時の首こり・肩こりや目の疲れが続く場合は、寝る前の習慣とあわせて、日中の姿勢のクセを見直すことが近道です。お近くのこころ整体院グループの店舗で、AI姿勢分析を起点に首・肩の状態を確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
主に首・肩こり、眼精疲労、睡眠の質の低下の3つが起こりやすくなります。寝転んだ姿勢では首が不自然な角度で固定され、約4〜6kgの頭の重さが偏ってかかるためです。画面のブルーライトは寝つきも妨げます。
首のねじれ負担が最も大きいのはうつ伏せです。横向きは頭が浮くと首が「くの字」に折れて片側に体重が集中し、仰向けは腕を上げ続けて肩がこりやすくなります。いずれも長時間は避けたい姿勢です。
スマホを見る前傾・うつむき姿勢が習慣になると、首が前へ出たまま固定され、ストレートネックを助長することがあります。寝ながらの姿勢は休ませるべき時間にも負担を重ねるため、注意が必要です。
横向きで体の下になった腕や、長時間曲げ続けた肘で神経が圧迫されると、一時的にしびれが出ることがあります。多くは姿勢を変えれば戻りますが、しびれや力の入りにくさが続く場合は医療機関で評価を受けてください。
暗い部屋で近い距離の画面を見続けると、ピント調整の筋肉が緊張し、目のかすみ・痛みなどの眼精疲労やドライアイが起こりやすくなります。横になって片目に負担が偏る使い方も負担になります。
画面のブルーライトは睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑え、通知やSNSは脳を興奮させます。厚生労働省の解説でも就寝前の使用は入眠を妨げやすいとされており、寝つきや眠りの深さに影響します。
画面を目線の高さに近づけ、あごを引きすぎないことが基本です。横向きはまくらで頭の高さを確保し、20〜30分ごとに姿勢を変えます。スマホスタンドを使うと腕の負担も減らせます。
理想は就寝の60分前に手放すことです。難しい場合は、画面の明るさを下げる・暖色にする・通知をオフにするだけでも、目と脳への刺激を減らせます。スマホを手の届かない場所に置くのも有効です。
スマホ利用の低年齢化により、子ども・若い世代でも首の負担や睡眠への影響が心配されています。年齢にかかわらず、寝床での使用時間を区切り、就寝前は手放す習慣づけが予防につながります。
こころ整体院グループでは、AI姿勢分析で頭の前方位置や背骨のカーブを確認し、首だけでなく姿勢全体を整えるGIFTメソッドでサポートします。あわせて、ご自宅でのスマホの使い方やセルフケアもご提案します。詳しくは全国の店舗からお近くの院にお問い合わせください。
参考文献
- 総務省情報通信政策研究所「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(スマートフォン利用時間).
- 厚生労働省 e-ヘルスネット/健康づくりのための睡眠ガイド(就寝前のスマートフォン使用・睡眠に関する解説).
- 日本整形外科学会「頸部痛・頸椎症」一般向け解説.
- 目安として:Hansraj KK. "Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head." Surgical Technology International, 2014; 25: 277-279.
- 安藝泰弘ほか「上部僧帽筋の潜在的トリガーポイントと肩甲骨の非対称性に関する研究」PLOS ONE, 2024(DOI:10.1371/journal.pone.0335268).
監修・執筆者
羽藤 泰三(はとう たいぞう)
整形外科医/医療法人奥山会
本記事の医学監修を担当。
村石 喜伸(むらいし よしのぶ)
理学療法士/givers PT 代表
本記事の監修協力を担当。リハビリテーション・姿勢評価の視点からセルフケアとスマホの使い方を解説。
安藝 泰弘(あき やすひろ)
柔道整復師/東亜大学大学院 博士課程
giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者(本記事の総監修)
1996年柔道整復師資格取得。臨床28年・延べ施術人数15万人超。2024年にPLOS ONE誌へ姿勢分析に関する研究論文を発表。「揉まずに整える」GIFTメソッドを開発し、全国の整体院グループ・年間約80万人来院規模へと育てた。







