膝の外側が痛い|原因と対処法を専門家が解説
この記事のポイント
膝の外側の痛みで最も多いのは腸脛靭帯炎(ランナー膝)。ただし膝だけの問題ではなく、中殿筋の持久力低下→骨盤のぐらつき→膝外側への負荷集中という運動連鎖の崩れが根本原因です。最新の研究ではストレッチ単独では不十分で、股関節外転筋の強化が最も有効と報告されています。
膝の外側が痛くなる
4つの原因とは?
原因によって対処法がまったく違います。最も多いのは腸脛靭帯炎(ランナー膝)ですが、膝の外側だけの問題ではなく、お尻・股関節・足首の運動連鎖が崩れた結果です。
すぐに整形外科を受診すべきケース
1. 膝がガクッと崩れる(ロッキング・膝崩れ)
2. 膝の外側が明らかに腫れている
3. スポーツ中にバキッと音がして激痛が走った
4. 安静にしていても痛みが強く、夜間に目が覚める
5. 膝が完全に伸ばせない、または曲げられない
中山クリニック:膝の外側の痛みの臨床統計。腸脛靭帯炎・外側半月板損傷・外側型OA・膝蓋大腿痛症候群の4疾患で約9割。
「レントゲンで異常なし」なのに
膝の外側が痛い理由
整形外科でレントゲンを撮って「骨には異常ありません」と言われたのに、膝の外側が痛み続ける——このパターンは珍しくありません。
腸脛靭帯炎はレントゲンにもMRIにも特徴的な所見が出にくい疾患です。大腿筋膜張筋や中殿筋にできた硬結(トリガーポイント)が膝の外側に痛みを飛ばしているケースもあり、この場合も画像検査では原因が特定できません。
「画像で異常なし=問題なし」ではなく、筋肉や筋膜の問題を評価できる施設での検査が必要です。
Curr Phys Med Rehabil Rep. 2024 — "ITBS Current Evidence":レントゲン、MRIで著明な所見がないことが多い。トリガーポイント療法が筋膜制限に推奨。
なぜ膝の「外側」に
痛みが集中するのか?
膝の外側の痛みは「膝の問題」ではなく、骨盤の前傾やお尻の横の筋肉(中殿筋)の持久力低下によって膝の外側に負荷が集中する「運動連鎖の崩れ」です。
2023年のシステマティックレビューでは、腸脛靭帯炎の方は中殿筋の「筋力」そのものよりも「疲労耐性(持久力)」が有意に低いことが報告されています。つまり、お尻の筋肉を「強く」するだけでなく、「持続的に使える」ようにすることが重要です。
さらに2024年の最新レビュー(13件の研究・201名)では、ストレッチ単独ではITBの長さは変わらないことが示されました。痛みや機能の改善は、ストレッチではなく股関節外転筋の強化が最も有効であると結論づけられています。
Sanchez-Alvarado A, et al. Front Sports Act Living. 2024;6:1386456:13件/201名。股関節外転筋の強化が最も有効。ストレッチ単独ではITBの長さは変わらない。
Turkish J Sports Med. 2023:ITBS患者は中殿筋の疲労耐性が有意に低い(p=0.01)。
JKSPM. 2025:中殿筋強化群でITB硬度・バランス・姿勢制御が有意に改善(RCT, 30名)。
自分でできるセルフケア
痛みが出てすぐの時期は「冷やして休む」。痛みが落ち着いてきたら「中殿筋の持久力を回復する」。この2段階がポイントです。
急性期(痛みが強い時期)
アイシング:膝の外側を1回15〜20分、1日3回。氷をタオルで包んで当てます。
痛みを誘発する動作を避ける:ランニング・階段の下り・長距離歩行は一時中断。
やってはいけないこと:膝の外側を強く揉む、痛みを我慢して走り続ける。腸脛靭帯炎は放置すると慢性化しやすいため、早期の対応が重要です。
回復期(痛みが落ち着いてきたら)
中殿筋の持久力トレーニング:横向きに寝て、上の脚をゆっくり上げ下げ(足パカ運動)。20回×3セット、週3回。反動を使わず、お尻の横が疲れる感覚を確認しながら。
大腿筋膜張筋のセルフリリース:フォームローラーを太ももの外側に当て、ゆっくり転がす。痛すぎない程度の圧で30秒〜1分。
足首の背屈ストレッチ:壁に手をつき、後ろ足のかかとを床につけたまま膝を前に押し出す。足首が硬いと膝の外側への負荷が増えます。
こころ整体院での
膝の外側の痛みへのアプローチ
施術で「痛みを取り、筋肉が働ける状態を作る」→ 運動指導で「中殿筋の持久力を回復する」。この2段階が根本改善に必要です。
施術後には、膝の動きをコントロールするためのキネシオテーピングを行う場合があります。構造的な問題が強い場合は、提携の整形外科をご紹介しています。
Sanchez-Alvarado A, et al. Front Sports Act Living. 2024;6:1386456:ストレッチ単独ではITBの長さは変わらない。組織間の滑走性改善が手技の主なアプローチ目標。
Curr Phys Med Rehabil Rep. 2024:トリガーポイント療法が筋膜制限に推奨。
膝の外側の痛みに関する
よくある質問
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※本ページの内容は、一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、特定の疾患に対する診断・治療を行うものではありません。症状が重い場合や、急な膝の腫れ・ロッキング・膝崩れがある場合は、まず医療機関を受診してください。
※「改善」「緩和」等の表現は施術による一般的な体感の変化を示すものであり、効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。
※本ページは2025年2月18日施行の厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」ガイドラインおよび景品表示法に準拠して作成しています。
最終更新日:2026年3月26日|監修:安藝泰弘(医療法人奥山会常務理事・柔道整復師・東亜大学大学院博士課程)、萩原三郎(NATA公認ATC)

