ズキズキ脈打つ偏頭痛、整体に行ってもいいの?「発作中」と「予防」の正しい使い分け

ズキズキ脈打つ偏頭痛、整体に行ってもいいの?「発作中」と「予防」の正しい使い分け

ズキズキ脈打つ偏頭痛、整体に行ってもいいの?「発作中」と「予防」の正しい使い分け

  • 公開日: 2026-02-10
  • 監修日: 2026-02-10
  • 監修・執筆者: 安藝 泰弘(柔道整復師)
    giversホールディングス こころ整体院グループ 創業者

※本稿は一般的な情報提供です。強い症状・急な変化がある場合は、必ず医療機関で評価を受けてください。

この記事のポイント

  • 結論:ズキズキ痛む「発作中」は整体NG。痛みのない「予防期」に通うのが正解です。
  • 理由:発作中に血流を良くすると、血管がさらに広がって神経を圧迫し、痛みが悪化するためです。
  • 当院の方針:痛みのない時期に首や肩の「痛みの火種」を消し、発作が起きにくい体づくりをサポートします。

▼ 今、あなたはどっち? 行動の目安

🔴 「ズキンズキン脈打つ痛み・吐き気」がある:
【整体はNG】部屋を暗くして安静にし、処方薬を飲んで冷やしてください。

🟢 「今は痛くないが、首がこっていて不安」:
【整体はOK】今がチャンスです。整体院で予防ケアを始めましょう。

「こめかみがズキンズキンと脈打って、動くたびにガンガン響く」「光や音が辛くて、カーテンを閉め切って寝込んでしまう」

今まさに、そんな辛い痛みと戦っていませんか?偏頭痛(片頭痛)の発作は、本当に孤独で苦しいものですよね。しかし、整体に行く「タイミング」によっては、逆効果になってしまうこともあります。

こんなお悩みありませんか?

  • 頭の片側(または両側)が、心臓の拍動に合わせてズキンズキンと痛む
  • 階段の上り下りや、お辞儀をするだけで痛みが強くなる
  • 痛みが出ると、普段は気にならない照明の光やテレビの音がうるさく感じる
  • 月に数回、寝込んでしまい仕事や家事が手につかなくなる
  • 「首がこってきたな」と思うと、その後に必ず頭痛がやってくる

これらはすべて、脳や神経が過敏になっているサインです。

ズバリ回答!整体に行くべき「タイミング」の真実

偏頭痛との付き合い方で一番大切なのは、「攻める時」と「守る時」を見極めることです。

1. 「発作中(ズキズキ期)」は絶対安静!

今まさに痛みが強く、動くとガンガン響くような時は、整体には行かないでください。

この時の頭の中では、血管が腫れ上がって神経を刺激している状態(炎症)です。マッサージで血流を良くすると、パンパンの血管にさらに血液が送り込まれ、痛みが激化してしまいます。この時期は「冷やす・暗い部屋で寝る・薬を飲む」という「鎮火活動」が最優先です。

2. 「予防期(痛くない時期)」こそ整体の出番!

逆に、発作が治まって痛くない時期(間欠期)は、整体を受けるベストタイミングです。偏頭痛の方の多くは、首や肩の筋肉に「痛みの引き金(トリガーポイント)」を持っています。

普段から首の筋肉を柔らかく整えておくことは、脳への過剰な刺激を減らし、「次の発作を起こりにくくする」ための有効な手段です。

結論:痛い時は安静に。痛くない時こそ、整体で「次の痛み」を防ぎましょう。

なぜ「首こり」を放っておくと頭痛になるの?

首の神経と三叉神経のつながりの図解

1. 三叉神経と首の「混線」

顔や頭の感覚を支配している「三叉神経」と、首の神経は、脳の中で合流しています。首の筋肉がガチガチに固まって信号を出し続けていると、脳が「頭が痛い!」と勘違いしたり、頭痛のスイッチを押しやすくしたりしてしまいます。

2. トリガーポイントの関連痛

首や肩の筋肉にできる硬いしこり(トリガーポイント)は、離れた場所に痛みを飛ばす「関連痛」を引き起こします。「いつも頭痛の前に首がこる」というのは、このしこりが活性化しているサインかもしれません。

▼【詳しく知りたい方へ】医学的なメカニズム(クリックで開く)

最新の研究に基づいた偏頭痛のメカニズムを解説します。

  • 三叉神経血管説とCGRP:発作時、三叉神経末端からCGRPなどの神経伝達物質が放出され、血管拡張と神経原性炎症を引き起こします。
  • [cite_start]
  • 三叉神経頸部複合体(TCC)の感作:慢性的な首の不調(neck pain)があると、脳幹のTCCが過敏になり、発作が起きやすくなると考えられています [cite: 4]。
  • [cite_start]
  • 筋筋膜トリガーポイント:偏頭痛患者の多くで僧帽筋などにトリガーポイントが確認されており、これが中枢感作を助長し、慢性化に関与する可能性があります [cite: 5]。

GIFTの視点:偏頭痛をどう予防するか

GIFTは、痛みや不調の本当の原因を見極めて、体全体から整えていくgivers独自の施術アプローチです。

  • G (Gliding - 滑走):首の後ろの筋膜の癒着を剥がし、神経への締め付けを解放します。
  • I (Inner - インナー):首を支える深層筋を活性化させ、頭の重さを骨格で支えられるようにします。
  • F (Form - 骨格・姿勢):ストレートネックや猫背を修正し、首にかかる負担そのものを減らします。
  • T (Trigger Point - 筋肉のしこり):こめかみや目の奥に痛みを飛ばしている「首・肩のしこり」を鎮静化させます。

【実践編】頭痛がない時にやる!「予防セルフケア」

※注意:頭痛が少しでも出ている時は、絶対にやらないでください。

Step 1:規則正しい「睡眠リズム」

「寝不足」もダメですが、「寝すぎ」も発作のトリガーになります(週末頭痛)。起床・就寝時間を一定に保つことが最強の予防薬です。

Step 2:あご引き(チンタック)運動

  1. 背筋を伸ばして座ります。
  2. 指でアゴを軽く押し、水平に後ろへ引きます(二重アゴを作るイメージ)。
  3. 首の後ろが伸びるのを感じて5秒キープ。これを5回繰り返します。

Step 3:マグネシウムとビタミンB2

  • マグネシウム:大豆製品、海藻、ナッツなど(血管の安定に役立ちます)。
  • ビタミンB2:レバー、卵、納豆など(ミトコンドリアの働きを助けます)。

監修者のひと言アドバイス:「頭痛ダイアリー」

偏頭痛の敵は「正体不明の不安」です。いつ頭痛が起きたか、その前に何をしていたかを記録する「頭痛ダイアリー」をつけると、自分のクセ(天候、寝不足など)が見えてきます。当院に来られる際も、その記録があるとより的確な施術ができますよ。

やってはいけない!発作中の3つのNG行動

  • お風呂で温まる・マッサージをする:血管が一気に広がって痛みが激増します。シャワー程度に留めましょう。
  • 無理して体を動かす:日常動作で悪化するのが偏頭痛の特徴です。静かに過ごしてください。
  • 我慢して薬を飲まない:我慢しすぎると痛みの回路が強化されます。痛み始めたら早めに飲むのがコツです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 整体で偏頭痛は「完治」しますか?

[cite_start]

偏頭痛は遺伝的要素も関わるため、整体だけで「二度と起きないよう完治させる」と断言はできません。しかし、首の環境を整えることで「発作頻度を減らす」「薬を効きやすくする」ことは十分に目指せます。医師の治療と整体の併用が効果的です [cite: 6]。

Q2. 病院に行ったほうがいい頭痛はありますか?

はい、以下は命に関わる可能性があります。すぐに脳神経外科や救急を受診してください。
・ハンマーで殴られたような突然の激痛
・手足のしびれ、言葉が出にくい、高熱を伴う
・50歳を過ぎて初めて発症した頭痛

Q3. 薬を飲みすぎていないか心配です。

月に10日以上頭痛薬を飲んでいる場合、「薬物乱用頭痛」の可能性があります。自己判断で止めずに頭痛専門医に相談してください。整体は、薬を減らしていく過程での体のサポートとして活用してください。

まとめ:もう一人で痛みに耐えないで

「また頭痛が来るかもしれない」という不安を抱えながらの生活はストレスですよね。偏頭痛そのものをゼロにするのは難しくても、体と上手に向き合うことで、痛みに振り回されない生活は取り戻せます。

発作中はゆっくり休んでください。そして、痛みが去った元気な時に、「次の発作を軽くするためのメンテナンス」として、私たちを思い出してください。

参考文献・出典

[1] こころ整体院グループ 臨床データ・監修者知見

[4] Liang Z, et al. Associations between neck muscle strength and migraine: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep. 2021.

[5] Do TP, et al. Myofascial trigger points in migraine and tension-type headache. J Headache Pain. 2018.

[6] Rist PM, et al. The impact of spinal manipulation on migraine pain and disability: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2019.

[7] Ashina S, et al. Prevalence of neck pain in migraine and tension-type headache: A population study. Cephalalgia. 2015.

[その他] 日本頭痛学会. 頭痛の診療ガイドライン2021.