右側・左側の腰だけ痛む原因と受診の目安
「片側だけの腰痛」は、利き手や荷物の持ち方による体の「ねじれ」と「傾き」が主な原因です。しかし、安静時でも激痛がある場合や発熱を伴う場合は、結石や内臓疾患の可能性があります。本記事では、危険なサインの見分け方と、左右差を整えるためのストレッチを解説します。
- 原因:日常の動作による骨盤・背骨の左右非対称な負担。
- 対策:荷物の持ち替えや、ねじれを解消するストレッチ。
- 危険信号:安静時痛、発熱、血尿がある場合はすぐに病院へ。
「右の腰だけズキズキする」「左側だけ重だるくて、マッサージしても治らない」……。
腰痛といえば腰全体の問題と思われがちですが、実は「片側だけ痛い」という悩みは非常に多く見られます。「片方だけだからそのうち治るだろう」と放置していませんか?
- いつも同じ手でバッグを持っている、または同じ肩にかけている
- 足を組むとき、いつも同じ足が上になる
- 抱っこ紐を使わず、片手で子供を抱っこすることが多い
- デスクワーク中、気づくと体が斜めになっている
- 振り返る動作をしたとき、左右で向きやすさが全然違う
これらはすべて、体が「ねじれ」て「傾いて」いる証拠であり、片側腰痛の予備軍または原因そのものです。
なぜ「片側だけ」痛くなるの?3つのメカニズム
1. 利き手・利き足による「ねじれ」の蓄積
右利きの人は無意識に右上半身を前に出して使うため、体はバランスを取ろうとして下半身を逆方向へねじります。この「雑巾絞り」のような状態が続くと、ねじれの中心となる腰の片側に強烈な負担がかかります。
2. 荷物の持ち方による「傾き」の固定化
いつも同じ肩にバッグをかけていると、体は「くの字」に傾きます。傾いた側の筋肉は縮こまって血行不良になり、反対側の筋肉は引き伸ばされて疲弊します。特に縮こまった側がズキズキ痛むケースが多いです。
3. 内臓からの「関連痛(かんれんつう)」
内臓の不調が神経を通じて腰の痛みに変換されることがあります。筋肉痛とは異なり、安静にしていても痛むのが特徴です。
- 右側の痛み:肝臓、胆のう(胆石)、盲腸など
- 左側の痛み:胃、膵臓、心臓など
- 両側・片側:腎臓(結石、腎盂腎炎)、婦人科系疾患など
▼【詳しく知りたい方へ】医学的なメカニズム(クリックで開く)
片側性腰痛に関連するバイオメカニクスと病理学について解説します。
- 1. 非対称な負荷と椎間板ストレス
- 片側での荷物保持や脚長差は、脊柱の側屈と回旋を誘発します。Veresら(2010)の研究では、屈曲に回旋が加わると椎間板線維輪へのストレスが増大し、特に回旋側の後外側部で損傷リスクが高まることが示されています。
- 2. 筋活動の左右差(Muscle Asymmetry)
- 利き手の使用頻度の偏りは、多裂筋や最長筋などの傍脊柱筋に左右非対称な発達や緊張を生じさせます。片側の筋スパズム(攣縮)は、椎間関節への圧縮力を不均等にし、関節性腰痛を引き起こします。
- 3. 内臓関連痛(Visceral Referred Pain)
- 内臓からの侵害刺激は、脊髄の後角で体性神経と収束するため、脳が「腰や背中の痛み」と誤認することがあります(収束-投射説)。
GIFTの視点:片側腰痛をどう整えるか
当院(こころ整体院グループ)独自の「GIFT」アプローチでは、片側腰痛を単なる筋肉痛ではなく「左右差の構造的問題」として捉えます。
- F (Form - 骨格・姿勢):背骨のねじれや骨盤の高さを修正し、左右均等に体重が乗る土台を作ります。
- G (Gliding - 滑走):癒着した筋膜を剥がし、片側だけの引きつりを解消します。
- T (Trigger Point - 筋肉のしこり):縮こまった側にある「痛みの発信源」を特定し緩めます。
- I (Inner - インナー):整った状態を維持するため、インナーマッスルの左右バランスを整えます。
【実践編】左右差をなくす!バランスリセット体操
ご自宅でできる、ねじれと傾きを整える体操です。「やりにくい方」を多めに行うのがポイントです。
1. 体側伸ばし(バナナポーズ)
2. 骨盤ねじりストレッチ
仰向けになり、両膝を立てて揃えたまま左右に倒します。顔は膝と反対側に向け、背骨のねじれを解消します。
3. 片足立ちバランス
弱っている方の足(軸足でない方)で1分間立ちます。グラグラする場合は壁に手を添えてもOKです。
やってはいけないNG行動と危険なサイン
- 痛い側だけ強く揉む:炎症が広がり悪化する恐れがあります。
- 足を組む:骨盤がねじれた状態でロックされます。
- 自己判断で湿布のみ:内臓疾患を見逃すリスクがあります。
整体や整骨院ではなく、まずは整形外科や内科を受診してください。
- 安静にしていても痛みが全く変わらない、または強くなる
- 発熱、吐き気、冷や汗を伴う
- 血尿が出る、おしっこの色が濃い
- お腹にしこりがある、張りを感じる
よくある質問(FAQ)
片側の腰痛に関して、患者様からよくいただく質問にお答えします。
Q. ヘルニアの可能性はありますか?
A. 片側のお尻から足にかけて、電気が走るような痛みやしびれがある場合は、ヘルニアによる坐骨神経痛の可能性があります。整形外科でのMRI検査をおすすめします。
Q. 整体で片側腰痛は緩和しますか?
A. 筋肉や骨格の歪み(ねじれ・傾き)が原因であれば、高い効果が期待できます。ただし、内臓疾患が疑われる場合は、先に医療機関を紹介させていただくことがあります。
参考文献
- [1] 日本整形外科学会. "腰痛診療ガイドライン2019". https://www.joa.or.jp/
- [2] DeVita P, et al. "Effects of asymmetric load carrying on the biomechanics of walking". J Biomech. 1991.
- [3] Veres SP, et al. "Combined torsion and compression on the intervertebral disc". Spine. 2010.






